ホンダ・XL230

ホンダ・XL > ホンダ・XL230

XL230(エックスエル230)は、本田技研工業がかつて製造販売したオートバイである。

車両解説[編集]

XL230
基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗本田技研工業
車体型式 BA-MC36
エンジン MD33E型 223 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 65.5 mm × 66.2 mm / 9.0:1
最高出力 13kW〔18PS〕/ 7,000rpm
最大トルク 19N・m〔1.9kgf・m〕/ 6,000rpm
乾燥重量 113 kg
車両重量 120 kg
テンプレートを表示

2002年4月9日発表、同月10日発売[1]

1990年代後半からブームだったレトロ回帰を受け1970年代後半から1980年代にかけ製造販売されていたXLシリーズを復刻させたモデルである[注 1]。このためXLシリーズのほか、1973年発売のエルシノアシリーズを彷彿させるビンテージオフロードの雰囲気をも持つが、開発コンセプトを『街乗りからトレッキングまで気軽に楽しめるスポーツバイク[1]』としたため型式名はBA-MC36と同社のロードスポーツ系モデルにカテゴライズされる[注 2]

本モデル開発に際しては既存モデルと多くの基本コンポーネンツを共用するいわゆる姉妹車からとしたため、以下に示すような流用が多いのも特徴である。

エンジン

搭載される排気量223㏄のMD33E型空冷4ストローク2バルブSOHC単気筒エンジンも元々は1997年から製造販売されていたSL230用に開発されたものである。同エンジンは、2000年9月から発売されていたMC34型FTRにも搭載されており[注 3]、車両キャラクターに合せて異なるチューニングを実施。本モデル用は、キャブレターベンチュリーをSL・FTR用のCV(負圧)型からVM(ピストンバルブ)型のPDC7Aへ変更したほか、低中速域でのレスポンスに優れたセッティングとしたことから、スペックもSL・FTR用とは異なる[注 4]最高出力13kW〔18ps〕/7,000rpm・最大トルク19N・m〔1.9kgf・m〕/6,000rpmとなった[1]。また、組み合わせるマニュアルトランスミッションもMC34型FTRと共用の5段[注 5]、減速比は1次が3.090と共通であるものの、2次が本モデルは3.076[1]、FTRが3.230[3]と異なる。さらに始動方式はセルフ式である[注 6]

車体

オセアニア向け輸出仕様車のファームバイクCT200をベースに[4]前後大型キャリアを取り外した構成。車体色は以下の2種類が設定された[1]

  • ブーンシルバーメタリック+タンク上面にオレンジのストライプ
  • ファイティングレッド+タンク上面にブラックのストライプ

また、フレームもMC34型FTR用セミダブルクレードル型をリファインしたものであるほか、サスペンション前輪がテレスコピック、後輪がスイングアームであるが、リヤショックは2本となる。ブレーキは前後ともドラムブレーキであり、タイヤサイズは前後とも120/90-18である。

本モデルは、2005年にベースとなったSL230と共にXR230へフルモデルチェンジされ生産終了となった。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 同様の復刻モデルにベンリィCL50CL400などが存在する。
  2. ^ 本田技研工業の型式コードでは250㏄クラスオン・オフ両用モデルは本来MDとなる。
  3. ^ 後にXR230CB223Sにも搭載。
  4. ^ SL用は最高出力20ps/7,500rpm・最大トルク2.1kg-m/6,000rpm[2]。FTR用は最高出力14kW〔19ps〕/7,000rpm・最大トルク〔2.1kgf・m〕/6,000rpm[3]
  5. ^ 1速:2.769 - 2速:1.722 - 3速:1.263 - 4速:0.960 - 5速:0.814[1][3]
  6. ^ 日本国内向けXLシリーズで、セルフ式のみは本モデルならびにAX-1と姉妹車のXL Degree・XLR125/200R。他にはXL600Rファラオがキック・セルフ併用となるほかは、すべてキックスターターのみである。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]