PENTAX K-1

PENTAX K-1
PENTAX K-1 Mark II


PENTAX K-1 + smc PENTAX-A 50mm F1.2(上)
PENTAX K-1 Mark II + smc PENTAX FA 77mm F1.8 Limited(下)
メーカーリコーイメージング
種類デジタル一眼レフカメラ
レンズマウントペンタックスKAF2マウント
センサーCMOS
イメージセンサー
サイズ
35.9×24 mm(35mmフルサイズ
イメージセンサー
メーカー
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング
最大解像度フルサイズ:7360×4912(3640万画素)
APS-C:4800×3200(1500万画素)
記録メディアSD/SDHC/SDXCメモリーカードデュアルスロット(UHS-I対応)
イメージ
プロセッサ
PRIME IV
シンクロ接点1/200s X-sync
シャッター電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター(電子シャッター付き)
シャッター速度
範囲
1/8000秒~30秒(1/3EVまたは1/2EVステップ)
ASA/ISO範囲ISO AUTO / 100~204800(1EVステップ、1/2EVステップまたは1/3EVステップ)
露出計測8.6万画素RGBセンサーによるTTL開放測光
露出モードシーンアナライズオート、プログラム、感度優先、シャッター優先、絞り優先、シャッター&絞り優先、マニュアル、バルブ、フラッシュ同調速度、ユーザー設定5種
計量モード分割測光/中央重点/スポット
焦点領域SAFOX12、33点測距(中央25点はクロスタイプ)
焦点モードスポット、セレクト、セレクトエリア拡大 (S, M, L)、ゾーンセレクト、33点オート
連続撮影フルサイズ:4.4 fps
APS-C:6.5 fps
ファインダーペンタプリズムファインダー、視野率100%、倍率約0.70× (50mmF1.4・∞)
カスタムWBYes
映像撮影H.264/MPEG-4 AVC; 1920×1080 at 60i/50i/30p/25p/24p, 1280×720 at 60p/50p
背面LCDモニター3.2型、約103.7万ドットTFTカラーLCD、フレキシブルチルト式
バッテリーD-LI90P リチウムイオンバッテリー
オプション
バッテリーパック
D-BG6 バッテリーグリップ
AVポートHDMI Type D
データポートUSB 2.0 Micro-B
本体構成・
特別機能
Magnesium-alloy body on stainless-steel chassis; weather-sealed with 87 seals and cold-proof to -10 °C
寸法131 x 100 x 77mm (5.16 x 3.94 x 3.03 inches)
重量1,010グラム (36 oz) (バッテリーとメモリーカード込み)
925グラム (32.6 oz)(ボディのみ)
発売2016年4月28日
生産地フィリピンの旗 フィリピン

PENTAX K-1(ペンタックス・Kワン、PENTAX K-1)は、リコーイメージングペンタックスブランドで発売しているデジタル一眼レフカメラである。(前身の旭光学工業時代を含めて)同社のデジタルカメラとしては、35mmフルサイズ(ライカ判)のセンサーを搭載した初のカメラとなった[1]2016年4月28日にボディキットが発売され[2]、これはライバル機のニコン D500キヤノン EOS-1D X Mark IIと同日であった。

2018年4月20日には、外装はそのままで内部機能をアップグレードしたMark IIが発売された。

発売前[編集]

2015年2月5日、リコーイメージングはフルサイズのデジタル一眼レフカメラを開発中であることを発表した[3][4]。同年のCP+2015にて、開発中のモックアップが展示された[5]

概要[編集]

外装[編集]

K-1のマグネシウム合金製ボディ

ボディはマグネシウム合金を採用し、87か所のシーリングによる防じん・防滴構造で、マイナス10度までの防寒性能を実現した[2]。また中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645Z」のデザインを取り入れ、グリップ部分が大きく前に張り出している[6]。内部には撮影時の位置情報を記録するためのGPSユニット、モニター上に方位を表示するための電子コンパスも搭載する[7]

アシストライト
マウント上部、SDカードスロット部、レリーズソケット部、液晶モニター背面には、暗闇での操作に便利なLEDライトを装備している[2][6]

撮影機能[編集]

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング製、有効画素約3640万の35mmフルサイズセンサーを採用[7]。ローパスフィルターは搭載していない[7]。画像処理エンジンは14ビットのRAW記録に対応した新型の「PRIME V」[7]。ISO感度は最高204800の超高感度撮影に対応[7]。5軸補正に対応した同社の新型ユニット「SR II」による手振れ補正機構により、従来機種を上回る対応を行う[7]。レンズは、K、KF、KA、KAF、KAF2、KAF3、KAF4のPENTAXマウントレンズが全て装着できる(一部に機能の制限がある)[7]

リアル・レゾリューション・システム
K-3 IIで搭載された、センサーを少しずつ動かして4枚の撮影を1枚に合成して、高精細な画像を作成する機能[7]。三脚の使用が推奨される[8]。この機能を使うときのみ電子シャッターが作動する[6]
ローパスセレクター
疑似的にローパスフィルターの効果を作り出し、被写体や撮影条件に合わせたモアレの軽減効果が得られる機能[7]
アストロトレーサー
内蔵のGPSと連動して、簡易的な天体撮影を可能とする機能[7]

インターフェイス[編集]

ファインダー
フルサイズデジタル一眼レフカメラ用に光学ファインダーを新設計。視野率は約100%、倍率は約0.7倍[7]
液晶モニター
背面の液晶モニターは上下左右にある程度可動するフレキシブルチルト式を採用[7]。モニターを引き上げてウエストレベルでの撮影にも対応[7]
AFセンサー
33点の測距点を備えた「SAFOX 12」を新搭載し、大口径レンズのシビアなピント合わせに対応する[7]
スマートファンクションダイヤル
軍艦部右側の2つのダイヤルを使って、撮影設定を直接設定できる機能[6]

評判[編集]

  • K-1は発売開始の週売り上げで、いきなりの販売トップ10入りを果たした[9]
  • 2016年のグッドデザイン賞を受賞[10]
  • 2016年の「歴史的カメラ」に選定[11]

K-1 Mark II[編集]

リコーイメージング株式会社は2018年4月20日、K-1 Mark IIを発売すると発表した[12]。 従来K-1との主な変化点は、リアル・レゾリューション・システムが手持ち撮影に対応。既にK-70などの下位機種に導入されていたアクセラレーターの搭載による、高感度撮影時のノイズの改善。新アルゴリズムを搭載したAFシステムにより、動体撮影においても優れたピント精度を実現など[13]

K-1アップグレードサービス[編集]

2018年2月22日、リコーイメージングは既存のPENTAX K-1の内部基板を交換することにより、機能をK-1 Mark IIと同等にする有償アップグレードサービスを期間限定で受け付けると発表した[14]。5月11日、同社はこのサービスに予想以上の反響があったため、予約受付を行うとしている[15]

2018年10月31日、日本デザイン振興会は、この「K-1アップグレードサービス」を『グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)』とした[16]

脚注[編集]

  1. ^ 市販されなかった試作機としては、フィリップス製フルサイズの600万画素CCDを搭載し、外観や機能がフィルムカメラ「MZ-S」と共通していたデジタル一眼レフカメラが2000年に発表されており、仮称として当機と同じ「K-1」の名称が付けられていた。
  2. ^ a b c フルサイズセンサー搭載の「PENTAX K-1」 4月28日発売
  3. ^ リコー、ペンタックスの35mmフルサイズ機を開発発表。対応レンズ2本と合わせCP+に出展
  4. ^ ペンタックス、35mmフルサイズ一眼レフを開発発表
  5. ^ CP+ 2015:リコーがペンタックス フルサイズ機を参考展示。本体の小ささに驚き
  6. ^ a b c d 新製品レビュー:PENTAX K-1(外観・機能編)
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n PENTAX初のフルサイズセンサー搭載デジタル一眼レフ「PENTAX K-1」発表
  8. ^ オリンパスのカメラでも、同様の機能を「ハイレゾショット」の名前で搭載している機種がある
  9. ^ ニコン「D500」とリコー「PENTAX K-1」が発売即トップ10入り
  10. ^ グッドデザイン賞受賞詳細
  11. ^ 日本カメラ財団 2016年の「歴史的カメラ」
  12. ^ 「PENTAX K-1 Mark II」を新発売
  13. ^ PENTAX K-1 Mark II製品概要
  14. ^ PENTAX K-1を「PENTAX K-1 Mark II」にするサービス
  15. ^ PENTAX K-1アップグレードサービスの予約受付をアナウンス
  16. ^ 「PENTAX K-1アップグレードサービス」がグッドデザイン金賞に

外部リンク[編集]