ベルリン-ワルシャワエクスプレス

ベルリン-ワルシャワエクスプレス
Berlin-Warszawa-Express
ドイツの旗 ドイツ
ポーランドの旗 ポーランド
運行者 ドイツの旗 ドイツ鉄道
ポーランドの旗 ポーランド国鉄
列車種別 ユーロシティ
始発 ベルリン中央駅
終着 ワルシャワ東駅
運行距離 575 km
所要時間 5時間29分
運行頻度 1日4往復
列車番号 40–47
車内設備 1等車、2等車、食堂車
運行開始 2002年09月29日
軌間 1,435mm(標準軌
電気方式 交流15kV 16.7Hz(ドイツ)
直流3000V(ポーランド)
備考 系統: EC95(ドイツ)
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ベルリン-ワルシャワエクスプレス
KBHFa
0 ベルリン中央
BHF
5 ベルリン東
BHF
85 フランクフルト・アン・デア・オーダー
BHF
88 フランクフルト・オーダー橋ドイツ語版
STR+GRZq
ドイツ・ポーランド国境
BHF
108 ジェピンドイツ語版
BS2+l BS2+r
BHF STR
161 シフィエボジンポーランド語版
STR BHF
183 ズボンシネクドイツ語版
BS2l BS2r
BHF
264 ポズナン中央英語版
BHF
364 コニン英語版
BHF
443 クトノ英語版
BHF
566 ワルシャワ西
BHF
570 ワルシャワ中央
KBHFe
575 ワルシャワ東

ベルリン-ワルシャワエクスプレスBerlin-Warszawa-Express)とは、ドイツ首都ベルリンポーランドの首都ワルシャワを結ぶ、ドイツ鉄道ポーランド国鉄が共同運行するユーロシティEC)列車である。

概要[編集]

2002年、ドイツ鉄道とポーランド国鉄が共同で運行を開始した。列車は毎日4往復運行され、ベルリンからフランクフルト・アン・デア・オーダーを経由してワルシャワとの間を結んでいる。そのうち3往復はジェピンポズナン間でシフィエボジン英語版を経由し、1往復はズボンシネク英語版を経由する。ベルリン~ワルシャワ間の運行時間は5時間44分であったが、2011年12月ダイヤ改正後は5時間24分に短縮された。ドイツとポーランドの国境駅は、フランクフルト・アン・デア・オーダーとスウビツェの間にあるフランクフルト・オーダー橋駅ドイツ語版で、オーダー川(オーデル川)沿いに位置している。

歴史[編集]

ベルリン-ワルシャワエクスプレスの名称は、2002年にドイツからポーランド国鉄3号線に直通するユーロシティ列車に対して使用されるようになったのが初出である。ベルリン-ワルシャワエクスプレスの名称は4往復の列車に用いられたが、そのうちEC48/49列車ポズナニア号はワルシャワが起終点ではなく、ポズナン止まりのままであった。

列車番号 原名称 運行時期 備考
40/41 ヴァルソヴィア英語版
Varsovia
1993–
42/43 ベロリナ英語版
Berolina
1991–
44/45 パデレフスキ
Paderewski
1998–
46/47 2002–
48/49 ポズナニア
Posnania
1998–2004
2008
ベルリン~ポズナン

2002年12月から2003年12月のダイヤでは、ベルリン-ワルシャワエクスプレスの運行時間に若干の変化が生じた。翌2004年12月、ベルリン~ポズナン間で運行されていたポズナニア号が運休となったが、2007年12月のダイヤ改正で一時的に復活した。2006年より、ベルリン-ワルシャワエクスプレスのベルリン側始発駅が従来のベルリン動物園駅から、新しく建設されたベルリン中央駅に変更となり、ベルリン動物園駅は通過となった。

2010年12月のダイヤ改正で、ベルリン-ワルシャワエクスプレスは1日3往復から4往復に増発された。また機関車ES64U4型電気機関車ドイツ語版中国語版(「軽騎兵」機関車)が全区間を担当することになった。そのため、途中駅での機関車交換がなくなり、ベルリン~ワルシャワ間の運行時間は10分短縮された[1]

時刻表[編集]

(2015年11月)現在の運行時刻表を以下に示す。なお、フランクフルト・オーダー橋駅は乗務員の交代に伴う運転停車のみで、客扱いはない[2]

東行
(ワルシャワ行き)
停車駅 西行
(ベルリン行き)
運行距離 41 43 45 47 46 44 42 40 運行距離
0 06:37 09:37 13:37 17:37 ベルリン中央 11:16 15:16 20:16 23:20 575
5 06:50 09:50 13:50 17:50 ベルリン東 11:09 15:09 20:09 23:13 570
85 07:45 10:45 14:45 18:45 フランクフルト・アン・デア・オーダー 10:15 14:15 19:15 22:15 490
88 07:54 10:54 14:54 18:54 フランクフルト・オーダー橋ドイツ語版 10:07 14:07 19:07 22:07 487
108 08:08 10:08 15:08 19:08 ジェピンドイツ語版 09:51 13:51 18:51 21:51 467
161 08:35 11:35 15:33 19:33 シフィエボジンポーランド語版 09:23 13:23 18:23 21:23 414
183 08:49 11:44 15:46 19:46 ズボンシネクドイツ語版 09:09 13:09 18:09 21:09 392
264 09:33 12:30 16:30 20:30 ポズナン中央英語版 08:28 12:28 17:28 20:28 311
364 10:24 13:19 17:19 21:19 コニン英語版 07:40 11:40 16:40 19:40 211
443 11:06 14:00 18:00 22:00 クトノ英語版 07:01 11:02 16:01 19:01 132
566 12:10 15:00 19:00 23:00 ワルシャワ西 06:00 10:00 15:00 18:00 9
570 12:20 15:10 19:10 23:10 ワルシャワ中央 05:55 09:55 14:55 17:55 5
575 12:28 15:18 19:18 23:18 ワルシャワ東 05:42 09:42 14:42 17:42 0

車輛運用[編集]

現行車輛[編集]

ベルリン-ワルシャワエクスプレスで使用される2等車輛

ベルリン-ワルシャワエクスプレスで使用される客車は、ドイツ鉄道ポーランド国鉄の混成編成である。6編成在籍し、そのうち1日に使用されるのは4編成で、残りの2編成は双方の車庫で予備車として待機する。

1等コンパートメント車として使用されているAvmz108.5型客車はドイツ鉄道の長距離列車で広く用いられているが、一般的なAvmz108型客車と異なり、ベルリン-ワルシャワエクスプレスで使用されている1等コンパートメント車には大規模な改造が施されている。Avmz108型客車は元々インターレギオ英語版中国語版列車で使用されていたが、インターレギオ列車ではイートインスペースとして使用されていた1組のコンパートメントを、常設の椅子及びテーブルに改装している。食堂車、1等コンパートメント車及び1等開放座席車の合造車(ARkimbz266.9型)の所属はドイツ鉄道であるが、ポーランドの食堂車運営会社であるWARSポーランド語版が管理を請け負っている。

ベルリン-ワルシャワエクスプレスで使用される客車には専用の塗装が施され、車体にはを基調に窓の下に藍色のラインが引かれ、ライン上に「Berlin-Warszawa-Express」の標記がある。この特殊な塗装はベルリン-ワルシャワエクスプレスの商標として登録されている。

運行区間 ベルリン中央 ↔ ワルシャワ東
号車番号 267 268 269 270 271 272
車輛の種類 Bpmdz型
2等車
開放座席車
Bvmb型
2等車
コンパートメント車
Bvmz型
2等車
コンパートメント車
Bvmz型
2等車
コンパートメント車
ARkimbz266.9型
食堂車/1等車合造車
開放座席コンパートメント合造車
Avmz108.5型
1等車
コンパートメント車
車輛の所属 ポーランド国鉄 ドイツ鉄道

かつて使用されていた車輛[編集]

186型電気機関車が牽引するEC47列車。ベルリン東駅にて撮影

ベルリン-ワルシャワエクスプレスで最初に使用されていた機関車は、複数の電圧に対応している東ドイツ国鉄230形電気機関車ドイツ語版中国語版で、このほかにチェコ国鉄371型電気機関車やドイツ鉄道186形電気機関車が用いられた。デッドセクションのあるフランクフルト・アン・デア・オーダーでは、ドイツ鉄道232/234形ディーゼル機関車英語版中国語版が用いられ、同時に電源供電用の客車1輛とドイツ鉄道115形電気機関車英語版中国語版が連結された。

ベルリン-ワルシャワエクスプレスの1等車は、運行開始当初はAvmz111.5型コンパートメント車が使用されていた。一時期、ドイツ鉄道の観光用客車であるApmz857.5型1等開放座席車に一旦置き換えられたが、車輛の老朽化にともない再びAvmz111.5型コンパートメント車に戻された。その後、ドイツの長距離列車で広く採用されているApmz857.5型が塗装変更の上導入された。

食堂車は、運行開始当初はドイツ鉄道所属のARmz211.1型食堂車が6輛導入されたが、老朽化にともないARkimbz266.9型に置き換えられた。

切符[編集]

ベルリン-ワルシャワエクスプレスの座席は予約が必要である。2009年6月13日以前はグローバルプライスドイツ語版Globalpreis)が採用されていたが、2009年6月13日以降ドイツ鉄道は、ポーランド-ヨーロッパ特別価格(Europa-Spezial Polen)を採用し、グローバルプライスは廃止された。しかしポーランド国鉄を含むヨーロッパの鉄道事業者は、依然として従来の料金体系を使用しており、またドイツ鉄道もバーンカード英語版BahnCard)及びレールプラスカード(RailPlusCard)による割引運賃は廃止しなかった。なお、他のドイツ鉄道の国際列車と異なり、ベルリン-ワルシャワエクスプレスの切符は90日前から予約できる[3]

自転車の持ち込み[編集]

2006年12月10日のダイヤ改正より、ベルリン-ワルシャワエクスプレスに自転車を持ち込むことが可能となった。これはポーランド車輛の267号車を改装して空間を設けたためで、1列車あたり8台分の停車スペースがある[4]。なお、自転車の持ち込みは無料ではなく、1台あたり10ユーロの追加料金が必要で、事前の予約も必要である。

脚註[編集]

  1. ^ DB und PKP Intercity bauen Zusammenarbeit aus(ドイツ語)”. pressrelations. Deutsche Bahn AG (2010年3月19日). 2015年11月24日閲覧。
  2. ^ Zugnamenverzeichnis 2014(ドイツ語)”. Datenbank Fernverkehr. 2015年11月24日閲覧。
  3. ^ ベルリン - ワルシャワ エクスプレス- 主な路線:ベルリン~ポズナン~ワルシャワ レイルヨーロッパ【公式】”. RailEurope. 2015年11月24日閲覧。
  4. ^ Warschau-Express nimmt Räder mit(ドイツ語)”. Berliner Zeitung (2006年12月11日). 2015年11月24日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]