ベルリン市交通局F型電車

F型電車

F型電車(エフがたでんしゃ)は、ベルリン地下鉄において運用されている電車である。

貫通扉が中央に設けられ、窓周りが黒く縁取られたパノラミックウインドウの前面窓を持つ。側面扉は両開きの引き戸式あるいはプラグ式で、1両あたり2ヶ所設けられている。

西ベルリンでは、D型およびDL型の後継としてこの車両が製造された。これらの列車は、前世代のものと比べ長い、軽金属で作られている、座席の配置がクロスシートであるなどの相違点があった。試作車1973年に製造され、2006年12月に廃車された。

製造終了後は、1993年H型に引き継がれた。

歴史[編集]

1974年から1978年までに68両のF74型電車が納入され、主に9号線に配備された。これによって、同線に配備されていたすべてのD型を置き換えた。なおD型は、6号線に移された。

1980年には37両のF79型電車が導入された。この車両から新しくチョッパ-インバータ制御による三相誘導電動機方式が使用され始め、これは今後のすべての車両でも採用された。これらは3つの種類(F79-1型、F79-2型、およびF79-3型)に分けられた。F79-3型は2003年にユングフェルンハイデでの消防演習のために売却され、残りは2004年から2006年に廃車された。

後にF84型とF87型が続いたが、基本設計に大きな変更はなかった。

1990年以降、BVGはF90型、F92型と呼ばれる車両を増備したが、これにも大きな設計変更はなかった。ただしマイナーな変更として、ドア開閉の静粛化があった。

一部の車両は、2009年8月8日から2017年3月1日まで55号線に配備された。これらには、ベルリンUバーンの既存の路線に接続できなかった2658/59、2660/61、2668/69および2674/75が含まれる。

車両情報[編集]

型式 車番 製造期間 引退
F74型 2500/2501–2554/2555 1974-75年
F76型 2556/2557–2636/2637 1976-77年
F79-1型 2638/2639–2670/2671 1979-1981年 2019
F79-2型 2672/2673–2710/2711 1979-1980年 2021
F79-3型 2712/2713–2722/2723 1981 2003-05年
F84型 2724/2725–2800/2801 1984-85年
F87型 2802/2803–2842/2843 1986-87年
F90型 2844/2845–2902/2903 1990-91年
F92型 2904/2905–3012/3013 1992-94年

今後の予定[編集]

最も早いF型は2020年代までに引退し、I型に置き換えられることが予定されている。