ベニヤマタケ

ベニヤマタケ
分類
: 菌界 Opisthokonta
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Agaricomycotina
: 真正担子菌綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: ヌメリガサ科 Hygrophoraceae
: アカヤマタケ属 Hygrocybe
: ベニヤマタケ Hygrocybe coccinea
学名
Hygrocybe coccinea (Schaeff.) P. Kumm.
英名
scarlet hood
scarlet waxcap
righteous red waxy cap

ベニヤマタケ(Hygrocybe coccinea)はヌメリガサ科アカヤマタケ属菌類。英語ではscarlet hood、 scarlet waxcap、righteous red waxy capなどともよばれる。北半球の日本、中国、ヨーロッパ、北アメリカなどで見つかっている。小さく発色の良い赤いキノコであり、ヨーロッパでは晩夏から秋に耕作されていない草地に見つかり、北アメリカでは冬場に森林で見つかる。

分類[編集]

ベニヤマタケは最初、ドイツの学者、Jacob Christian Schäfferがハラタケ類に分類した。その後1838年にエリーアス・フリースヌメリガサ属に分類し、1871年、Paul Kummerがアカヤマタケ属に分類した。学名のcoccineaはラテン語で深紅色の意味がある。

特徴[編集]

ベニヤマタケは小さい生えた初めの頃はベルの形にいており、その後徐々に平たい形になっていく。カサは2-5cmであり、色は深紅色でぬるぬるしている。

襞は柄にくっついており厚く、広く広がっており、紅黄色である。

胞子は白色。卵形の胞子であり、大きさは7-9.5 x 4-5 μmである。

柄はつばなどが存在せず、色は黄色っぽい赤で2-5cmの高さであり、幅は0.3-1cm程度である。[1][2]

肉は黄色っぽい赤色で味は薄い。

分布・生息地[編集]

ベニヤマタケは広い範囲に分布しており[1]、耕作の行われていない草地に多い。ヨーロッパでは8月から10月に見ることができる。イギリスでは他のアカヤマタケ属のように霜の生えるまでの晩秋が一番良い季節である。[3]北アメリカではアカマツの下や森の中で冬に見かけることができる。ネパールのサガルマータ国立公園やインド、中国、日本ではツツジの下や、オークの下に育つことが確認されている。[4]

オーストラリアで初期にHygrocybe coccineaとして特定された標本は、アカヌマベニタケ(Hygrocybe miniata)とHygrocybe kandoraに再度分類された。[5]

食用[編集]

ベニヤマタケは可食であり[2]、日本では山口県において、「アカナバ」の地方名で古くから食用とされている。

参考画像[編集]

参照[編集]

  1. ^ a b Nilson S & Persson O (1977). Fungi of Northern Europe 2: Gill-Fungi. Penguin. pp. p. 22. ISBN 0-14-063006-6 
  2. ^ a b Phillips R (2006). Mushrooms. London: Pan MacMillan. pp. p. 75. ISBN 0-330-44237-6 
  3. ^ Arora, David (1986). Mushrooms demystified: a comprehensive guide to the fleshy fungi (2nd ed. ed.). Berkeley: Ten Speed Press. pp. pp. 114. ISBN 0-89815-169-4 
  4. ^ Giri A, Rana P (June 2007). “Some Higher Fungi from Sagarmatha National Park (SNP) and its adjoining areas, Nepal”. Scientific World 5 (5): 67-74. 
  5. ^ Young, A.M. (2005). Fungi of Australia: Hygrophoraceae. (Australian Biological Resources Study) CSIRO, Canberra, ACT. pp. p. 148. ISBN 0-643-09195-5