フレデリック・フォーサイス

フレデリック・フォーサイス
Frederick Forsyth
誕生 (1938-08-25) 1938年8月25日(85歳)
イギリスの旗 イギリス
イングランドの旗 イングランド ケント・アシュフォード
職業 小説家
国籍 イギリスの旗 イギリス
活動期間 1969 -
ジャンル 犯罪小説スリラー
公式サイト www.frederickforsyth.co.uk
ウィキポータル 文学
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フレデリック・フォーサイス(Frederick Forsyth、1938年8月25日 - )は、イギリスケント州アシュフォード出身の作家。スパイ小説や軍を舞台にした作品が多く、世界各国で読まれている。

略歴[編集]

特派員[編集]

19歳でイギリス空軍に入隊後、1956年から1958年まで勤務する。その後、イースタン・ディリー・プレスのレポーターとしてジャーナリズムの世界に入り、1961年ロイター通信社の特派員としてパリ東ベルリンプラハで過ごす。

1965年BBC放送に転職し、1967年ナイジェリア内戦ビアフラ独立戦争)取材の特派員として現地入りした。しかし当時のイギリス政府の方針に反する報道を行い左遷され、後に退職する。

作家活動[編集]

1970年、パリにいた際にフランスシャルル・ド・ゴール大統領番として見聞きした大統領警護隊員のエピソードをヒントに、大統領暗殺未遂事件を書いた処女作『ジャッカルの日』を1971年に世に送り出した。『ジャッカルの日』は1973年に映画化され、各国でヒットしフォーサイスの名を一躍有名にした。

作家となったフォーサイスは、秘密情報部MI6)の協力者としてスパイ活動を行い、1973年には東ドイツから小包を国外へ持ち出す任務などを行ったほか、書いた小説は出版前にMI6へ内容を確認していたと2015年に語った[1][2]

クーデター支援[編集]

フォーサイスを語る上で欠かせない逸話として、赤道ギニアクーデター支援がある。『ジャッカルの日』の印税により、ナイジェリアでの内戦に敗れ祖国を失ったビアフラ人のために傭兵部隊を雇い、赤道ギニア共和国に対しクーデターによる政権転覆を1972年に企てた(なお、本人は朝日新聞の取材に対し、取材のため作戦会議に立ち会ったため、傭兵たちが自分を首謀者だと思い込んだだけだろうと、関与を否定している)。

しかし、計画は船への武器積み込み予定地であるスペインで、事前に買収していたスペイン国防省の役人の裏切りにより、傭兵隊長がスペインで身柄を拘束され頓挫した。この実話を下地にして、執筆されたのが第3作にあたる『戦争の犬たち』で、この物語では作戦は成功している。後年、アカデミー賞俳優のクリストファー・ウォーケン主演で映画化された。

現在[編集]

その後も『第四の核』など国際情勢を扱った作品を中心に送り出し、ロシアの危機を描いた『イコン』(1996年)は、現在のロシア情勢と照らし合わせてもリンクするところが多く、再評価されている。フォーサイスは同作で執筆活動の終結を宣言した。そのため、直後の来日時のサイン会(東京・八重洲ブックセンターなど)では、多くのファンが詰めかける結果となった。

結局、絶筆宣言は覆され、8年ぶりにスパイ小説『アヴェンジャー』を発表した。その後、アンドリュー・ロイド=ウェバーと共に『オペラ座の怪人』の続編となる『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』、原作はフォーサイスの作品『マンハッタンの怪人』(The Phantom of Manhattan))のミュージカル脚本を上梓し、アルカーイダタリバンなど複雑な思惑の絡み合うイスラム社会とテロリズムを描いた『アフガンの男』(2008年)を発表する。

日本での出版・映像化に関する逸話[編集]

  • 日本での出版第一号は1971年に刊行された『ジャッカルの日』で、出版元角川書店の当時担当者だった角川春樹は「世界的にも無名の作家で、日本での翻訳出版権も日本円で当時、数万円で契約出来た」と自著『わが闘争ー不良青年は世界を目指す』で語っている。
  • 『ハイディング・プレイス』(フジテレビ出版)は米露日を背景に、日本を舞台にした政治スリラー。登場人物の一人は俳優高倉健を念頭に執筆された。同作は日本側主導で、映画化を念頭に企画が進められていたが、「原作の内容が余りにも、アレだったので…映画化はなくなった」と、ラッパーの宇多丸が、2013年11月9日放映のレギュラー番組『5時に夢中!』(東京MXテレビ)で明らかにした。 

主な著作(日本語訳)[編集]

出典[編集]

  1. ^ 「ジャッカルの日」作者、MI6との関係告白 フォーサイス氏「東独で小包を国外に…請け負った」”. 産経ニュース (2015年). 2016年5月23日閲覧。
  2. ^ Frederick Forsyth: my MI6 missions”. The Sunday Times (2015年). 2016年5月23日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]