ピアノ三重奏曲第3番 (ベートーヴェン)

ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 作品1-3(ピアノさんじゅうそうきょくだい3ばん ハたんちょう さくひん1-3)は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1793年から1795年にかけて作曲したピアノ、ヴァイオリン、チェロの三重奏のための室内楽曲である。

概要[編集]

ベートーヴェンの師でもあるハイドンはこの曲を批判する一方で、「この三重奏曲が容易く理解され、聴衆から非常に好意的に受け止められるとは思わなかった。」とリースに伝えている[1]。また、ベートーヴェンはこのハイドンからの批判を嫉妬であると発言している[1]

ベートーヴェンは、1817年に本曲をヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロの弦楽五重奏用に編曲し、作品104として出版した。

楽曲構成[編集]

第1楽章
アレグロ・コン・ブリオ、ハ短調、4分の3拍子、ソナタ形式トゥッティで第1主題が提示される。第2主題は変ホ長調で歌われる。展開部は第1主題を変ホ短調で示して始まる。
第2楽章
アンダンテ・カンタービレ・コン・ヴァリアツィオーニ、変ホ長調、4分の2拍子。主題と5つの変奏、コーダからなる。主題は三部形式になっていて、まずピアノ独奏で静かに歌われ、弦を加えて繰り返す。中間部はピアノ独奏で奏される。
第3楽章
メヌエット、クワジ・アレグロ、ハ短調、4分の3拍子。メヌエットとあるが、主題に舞曲的性格はあまりない。トリオはハ長調で、ピアノが高音域から音階下行すると、チェロが主題を歌う。
第4楽章
プレスティッシモ、ハ短調、2分の2拍子、ソナタ形式。激しい序奏主題が奏されて後、第1主題がヴァイオリンで提示される。第2主題は変ホ長調。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b ロックウッド 2010, pp. 117.

参考文献[編集]

  • 『ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集 ケンプ・シェリング・フルニエ』〔POCG2463/5〕のブックレット(解説:平野昭)
  • ルイス・ロックウッド『ベートーヴェン 音楽と生涯』土本英三郎・藤本一子[監訳]、沼口隆・堀朋平[訳]、春秋社、2010年11月30日。ISBN 978-4-393-93170-7 

外部リンク[編集]