パンチャーラ国

クル国に隣接するパンチャーラ国

パンチャーラ国(パンチャーラこく、サンスクリット語 पञ्चाल Pancala)は、古代インド十六大国のうちのひとつで、ガンジス川上流とヤムナー川流域付近のヒンドスタン平原に位置し、紀元前6世紀頃には存在していた。

概要[編集]

現在のウッタラカンド州ウッタル・プラデーシュ州付近にあたる。この地域に居住していたパンチャーラ族の部族組織と活動領域を母体としていたと考えられる。クル国の隣国であり、ヤムナー川を挟んでマツヤ国とも隣接する。

国内の主要な都市としては、カンニャークブジャ(現在のカナウジ)が挙げられる。

分裂[編集]

パンチャーラ国は、後に、ウッタラ・パンチャーラ国(北パンチャーラ国)とダクシナ・パンチャーラ国(南パンチャーラ国)とに分かれた。

ウッタラ・パンチャーラ国[編集]

ウッタラ・パンチャーラ国(北パンチャーラ国)の首都は、アヒッチャトラー英語版(Ahichatra/Adhichhatra、チャトラーヴァティー Chatravati とも。現在のen:Bareilly districtラームナガル英語版en:Aonla, Uttar Pradesh)。

ダクシナ・パンチャーラ国[編集]

ダクシナ・パンチャーラ国(南パンチャーラ国)の首都は、カーンピリヤ英語版(Kampilya、現ファッルカーバード県英語版カーンピル英語版付近)。

文化[編集]

ヤジュル・ヴェーダ』の流派であるタイッティリーヤ派や、『アタルヴァ・ヴェーダ』の流派であるシャウナカ派は、パンチャーラ国に属していたと考えられている。

文学[編集]

マハーバーラタ』において、パーンダヴァ五王子の共通の妻であるドラウパディー姫は、パンチャーラ国王ドルパダの娘で、「パーンチャーリー」(पांचाली)と呼ばれている。