パス (バスケットボール)

アンドリュー・ボーガットのチェストパス

バスケットボールにおいてパス (Pass) とは、ボールを保持している選手が、ボールを他の選手に投げ渡すプレー。以下の分類を組み合わせて、パスの種類を表現することが出来る。

手による分類[編集]

ワンハンドパス(one hand)
片手で行うパス。間にディフェンスがいる場合によく使われる。
ボースハンドパス(both hand)
両手で行うパス。強さ、正確さを求めたパス。

投法による分類[編集]

チェストパス(chest)
胸の位置から両手で押し出す、最も基本的で確実なパス。
サイドハンドパス(side hand)
手のひらを投げる方に向けボールを押すように出すパス。あるいはサイドスローで体から離れた位置から出すパス。敵選手と接近している場面で相手の脇を通すパス。
サイドスナップパス(side snap)
体の向きを変えずに横方向に両手で素早く出すパス。
ショルダーパス(shoulder)
オーバースローで肩の位置からボールを押し出すパス。手を頭の後ろまで引いて投げるパスを「ベースボールパス」(baseball)、もう一方の手を添えて素早く投げるパスを「クイックショルダーパス」(quick shoulder)と呼ぶ。
オーバーヘッドパス(over head)
頭の上のから両手で出すパス。
フックパス(hook)
頭の上から、腕とは反対の横方向に片手で出すパス。
アンダーハンドパス(under hand)
アンダースローによるパス。ソフトボールの投手のようなパス。ドリブル動作からそのまま素早くパスを出すこともできる。「アンダーパス」とも呼ばれる。
タップパス(tap)
空中にあるボールを手ではたいて行うパス。

ボールの軌道、方向による分類[編集]

バウンズパス(bounds)
ボールをコートに跳ね返らせ(バウンド)受け手に到達するパス。「バウンパス」(bounce)とも呼ばれる。
ループパス(loup)
山なりの軌道のパスのこと。敵の後ろにいる味方へパスを出すときなどに使う。「ロブパス」(rob)とも呼ばれる
ビハインドパス(behind)
背中を通して出すパス。ビハインド・バック・パスとも呼ばれる。

目的、技法による分類[編集]

インバウンズパス(inbounds)
スローインのためのパス。バスケットでは片手で投げても良い。
アシストパス(assist)
得点を得やすい位置にいる受け手に送り、得点に直接寄与するパス。
ランニングパス(running)
走りながらパスを受け、ドリブルせずにそのまま出すパス。
アウトレットパス(outlet)
リバウンドを取った選手が、ゴール下の密集地から外に出すパス。うまいアウトレットパスは、ファーストブレイクにつながる。
レッグスルーパス(leg through)
ディフェンダーの足の間を通すパス。バウンズパスの場合が多い。
サイドチェンジパス(side change)
ボールをストロングサイド(ボールサイド)からウィークサイド(ヘルプサイド)へ大きく動かすパス。オーバーヘッドパスが多い。
ラップパス(wrap)
敵選手と接近している場面で相手の背中を通すパス。
ポケットパス(pocket)
2人の守備の間を通すパス。バウンズパスの場合が多い。ピック・アンド・ロールの場面で多用される。
アリウープパス(alley-oop)
アリウープをしようとゴールに向かってジャンプした味方に送るパス。ループパスが多いが、直線的なパスもある。
名称不明(ドッジボールパス?)
空中でボールを保持し、自身がアウトオブバウンズしそうなとき、相手チームの選手の体に当ててボールがアウトオブバウンズするように投げるパス。
キックアウトパス(kick out)
ペイントエリアに切れ込んで、ディフェンダーを引きつけ、ワイドオープンエリアにいるシューターに投げ出すパス。ロングレンジシューターへのパスによく使われる。蹴り出す訳ではない。
クイックパス(quick)
パスを受けると同時に、送り出すパス。
ロングレンジパス(long range)
ディフェンス側の選手が、バックコートゴール近傍でスティールリバウンドでボールを奪い、自軍のフロントコートへ走り込んでいる選手へ送る長距離のパス。タッチダウンパスとも呼ばれる。
ノールックパス(ノンルックパス)
パスを出す相手を見ないで(向かないで)出すパスのこと。
エルボーパス(elbow)
バックパスと見せさせて反対の肘にあてて、逆方向にパスすること(かなりの技術がいる)。

パスの名手[編集]

練習法[編集]

基礎練習
  • 2人対面で、前述の分類にある全種類のパスを反復練習する。初心者の場合、通常チェストパスで胸の前から、相手の胸の前へ完全にマスターする必要がある。慣れてきたら様々な種類を織り交ぜて、繰り返しおこなう。ウォームアップでもおこなわれる。
  • 2人対面で、ボールを2個用い一人がバウンズパス、一人がストレートパスを繰り返し、素早く正確なパスとキャッチを習得する。
  • 更に進めて、2人の間に一人が手足を開いて立ち、同じ練習をおこなう。ピボットの練習も合わせておこなうことが出来る。
応用練習
  • ランニングキャッチ&パスの練習法としては、トライアングルパス、スクエアーパスが知られている。
  • マンツーマンでディフェンスされている選手に、Vカット後などへ上手く合わせてパスを出す練習をする。
  • バックコートからフロントコートへ、2人から3人で、ダッシュしながらパスを繋ぎ、速攻の練習をする。
実践練習
  • 上記に、ディフェンダを付けて、リバウンドから始めて速攻練習をおこなう。
  • ハーフコートでのセットプレーの繰り返し練習をおこなう。

関連項目[編集]

脚注[編集]