バーチャレーシング

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![]() 『バーチャレーシング』ツインタイプ筐体 | |
ジャンル | レースゲーム |
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対応機種 | アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | SEGA-AM2 |
発売元 | セガ |
ディレクター | 鈴木裕 |
プログラマー | 鈴木裕 |
音楽 | 光吉猛修 |
美術 | 名越稔洋 |
人数 | 1 - 2人(通信対戦可能) |
メディア | 業務用基板 (27.38メガバイト) |
稼働時期 | ![]() ![]() ![]() |
対象年齢 | ![]() ![]() ![]() ![]() VRC:GA |
デバイス | ステアリング アクセルペダル ブレーキペダル 6ボタン |
システム基板 | MODEL1 |
CPU | V60 (@ 16 MHz) |
サウンド | MC68000 (@ 10 MHz) YM3438 (@ 8 MHz) MultiPCM (@ 8 MHz)×2 |
ディスプレイ | ラスタースキャン 横モニター 496×384ピクセル 60.00Hz パレット8192色 |
売上本数 | 2028ポイント (1993年度ベストインカム第8位)[1] |
『バーチャレーシング』(Virtua Racing)は、セガ(後のセガ・インタラクティブ)のAM2研によって開発されたアーケードゲーム。正式名称は『V.R. バーチャレーシング』。
フォーミュラ1をモチーフにしたレースゲーム。デザイナーは当時セガAM2研を率いていた鈴木裕。
1994年にメガドライブに移植された他、同年にはスーパー32X用ソフトとして『バーチャレーシング デラックス』のタイトルで発売、1995年にはセガサターン用ソフトとして『バーチャレーシング セガサターン』のタイトルで発売された。
2004年にはアレンジ移植としてPlayStation 2用ソフト『セガエイジス2500シリーズ Vol.8 バーチャレーシング フラットアウト』が発売された他、2005年に北米および欧州のみで発売されたPlayStation 2用ソフト『Sega Classics Collection』に収録、さらに2019年にはグラフィック面などを強化したNintendo Switch用ソフト『SEGA AGES バーチャレーシング』が配信された。
アーケード版はゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第6回ゲーメスト大賞」(1992年度)にて、ベストアクション賞8位、ベスト演出賞10位、ベストグラフィック賞2位を獲得した。また、メガドライブ版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にてゴールド殿堂入りを獲得した。
概要[編集]
原典であるアーケードゲーム版は1992年に稼働を開始。ポリゴンを主体としたグラフィック描画機能を搭載した新世代アーケード基板・MODEL1基板で制作された。MODEL1基板はポリゴンにテクスチャーを貼ることができず、見た目はツルツルの「板」状パーツだけで構成されたグラフィックだったが、「映像的なリアリティ」よりも「フォーミュラカーをドライブする感覚」を優先して再現することに成功、「ゲームの上手な人が勝つのではなく、本当に運転技術の優れた人が速く走れるレースゲーム」というポリシーでデザインされたゲーム性がジワジワとプレイヤーに伝わり、やがてかなりの高インカムを記録する人気作となった。
本作は当初、MODEL1のスペック確認のため習作的にプログラミングされた経緯を持つ。実際に商用としてリリースさせる予定は無かったが、制作を進めると想定よりもゲームの出来が良かったため、予期せぬリリース作となったという。鈴木は本作を制作中にピットクルーをポリゴン成形しスムーズに動かす事が出来たという手応えをつかみ、当時は研究開発中で翌1993年にリリースする事になる3D格闘ゲーム『バーチャファイター』をMODEL1基板で完成させる事が可能だという確信を得たという。
16:9のワイド画面をアーケードゲームとして初めて採用(デラックス筐体のみ)したことや、サーキット外に観覧車を立てたり路面にタイヤ跡が残るなど、(現在の視点から見れば)描画性能が低いなりにポリゴンの描写にチャレンジしていることが斬新な印象を与え、成功の要因になっている。
アーケード版のフルサイズ筐体には空気圧力によって膨らむギミックが取り入れられており、カーブによって生じるGを再現している。また、バタフライシフトのセミオートマチック(7速)を導入している。当時、全日本F3000に参戦していたドライバーは、バーチャフォーミュラをプレイすることでバタフライシフトに慣れていたため、F1へのステップアップが容易であったという話もある。エディ・アーバインやハインツ=ハラルド・フレンツェンなどはF1に初参戦した際に「ゲームでセミオートマにもサーキットにも慣れていたから、どうってことはなかったね」というコメントを残したこともある。[要出典]。なお、セガのレーシングゲームに多く取り入れられていた視点変化機能は本作が元祖となっている。
1993年には、70インチの大画面とほぼ実寸大のフォーミュラカーを模した可動式筐体を採用した『バーチャフォーミュラ』がリリースされている。なお、この機種は、もともと大型店舗への設置を前提としているため、4台通信プレイ仕様(約4800万円)か8台通信プレイ仕様(約9600万円)しか存在しない。こちらの略称がVFであるため、『バーチャファイター』の略称がVFTとなったという経緯がある。
この8台通信プレイ仕様は横浜八景島シーパラダイス内のゲームセンターに7台設置されていた時期があった。
移植版[編集]
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | バーチャレーシング | ![]() ![]() ![]() | メガドライブ | SEGA-AM2 | セガ | 16メガビットロムカセット | ![]() ![]() ![]() | |
2 | バーチャレーシング デラックス | ![]() ![]() ![]() | スーパー32X | CSチーム | セガ | 24メガビットロムカセット | ![]() ![]() ![]() | |
3 | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() | セガサターン | タイムワーナー | タイムワーナー | CD-ROM | ![]() ![]() ![]() | |
4 | セガエイジス2500シリーズ Vol.8 バーチャレーシング フラットアウト | ![]() | PlayStation 2 | ヴァンテアンシステムズ | スリーディー・エイジス | CD-ROM | SLPM-62443 | |
5 | Sega Classics Collection | ![]() ![]() | PlayStation 2 | スリーディー・エイジス | セガ | DVD-ROM | ![]() ![]() | |
6 | SEGA AGES バーチャレーシング | ![]() | Nintendo Switch | エムツー | セガゲームス | ダウンロード | - | アーケード版の移植 |
- メガドライブ版
- 1994年に発売された、初の移植版。正式タイトルは『V.R. バーチャレーシングMD』。当時、家庭用ゲーム機の性能では移植不可能と思われていた[2]が、カートリッジ内にセガバーチャプロセッサと呼ばれるポリゴン描写用のカスタムチップ(描画能力は9000ポリゴン/秒)を搭載するという破格の方法で実現させた。
とは言え180000ポリゴン/秒の性能を持つアーケード基板(MODEL1)に比べれば解像度もポリゴン数も落ちるため、雑誌誌面上の静止画像ではタイヤが「たどん」のようにしか見えないという不利なプロモーションを余儀なくされた。現在のように動画映像をユーザーが見る手段が乏しかったという当時の事情もあった。なお発売前に動く映像を見られる数少ない方法の一つだったセガのプロモーションビデオでは、当時この種のセガプロモビデオ・ナレーションを多く務めていた細井治が本作でも起用されている。
発売後はAM2研が直接移植開発を手掛けた事が功を奏し、特に自車操作の再現度が高く評価された。 - 画面を上下に分けて二人対戦プレイが可能。コースは3つの中から、周回数は5周、10周、15周、20周の4つの中から選択する。それぞれのプレイヤーが、タイヤの滑り易さを5段階に設定出来て、ハンディキャップを付けられる。
- 完走後のリプレイ中に、AボタンまたはCボタンを押すと、真上からの視点に切り替える事が出来る。車のライン取りが明確に分かるようになる。
- 6ボタンタイプのパッドやコントローラーを使用すれば、アーケード版と同様に、自分の好みの視点にダイレクトに移行出来る。3ボタンタイプだと、順送りと逆送りを繰り返して切り替わる。
- メガドライブ版のみに発生している固有の問題として、カートリッジに内蔵されている基板に取り付けられた電解コンデンサが経年劣化してしまうケースが多々ある。
- スリップ・ストリームが再現されている。高速で空気に穴を開けて疾走するレーシング・カーの背後は、非常に空気が薄くなっていて、空気抵抗が低下するので、そこに入った後ろの車は、僅かにスピードが上昇する。この、背後の空気が薄くなる現象をスリップ・ストリームと言う。メガドライブ版では、オートマチックは時速328キロメートルが最高速度だが、前を走っている車を最高速度で追い越す際に、一時的に時速333キロメートルに上昇する。これは、スリップ・ストリームに因って、空気抵抗が低下しているためである。
- スーパー32X版
- 同年、メガドライブのパワーアップユニット・スーパー32X専用ソフトとして『バーチャレーシングデラックス』と改題されて発売された。ハードウェアスペックの向上により、メガドライブ版よりも美麗な描写(20fps,20000ポリゴン/秒)になった。メガドライブ版と同様、運転感覚の再現度も良くプレイ感覚は向上している。
ゲームデザインは基本的な移植はメガドライブ同様しっかりと押さえた上で「デラックス」と題される通りの様々なアレンジが加えられており、新コース2つ追加(高地・砂漠)、デフォルト自車(レーシングカー)とは挙動や速度が異なる新しく追加された自車(ストックカーとプロトタイプカー)を2つ追加、さらに音楽もいくつか追加された(既存の音楽も一部編集のうえ収録されている)。これらの要素が好評を博し、歴代移植作の中でも評価が高い(#評価参照)。
- セガサターン版
- 1995年にはセガサターンへタイムワーナーインタラクティブによって『バーチャレーシング サターン』として移植された。コースに大幅な改変が行われているなど完全移植を期待したユーザーの視点では再現度が低いと見なされ、また(メガドライブよりも基本スペックが高いはずの)セガサターン用ソフトであるのに過去作のメガドライブ版よりもフレームレートが不安定という点が評価を下げた(#評価参照)。
- PlayStation 2版
- 2004年にセガエイジス2500シリーズとして、PlayStation 2用にも移植された。『V.R. バーチャレーシング -FlatOut-』が正式タイトル。鈴木裕が監修を行っている。フレームレートが60フレームになっていて、スピード感がアップしているが、移植版の中で最も操作性が変更されている。アーケード版の3コースに加え、新たに3つのコースが追加されている。また、マシンも4台追加された。GT FORCE対応。
- Nintendo Switch版
- 2018年より展開中の新生SEGA AGESシリーズの1作として移植・リリース。#その他に記載している、開発計画があったが中止となった3DS版と同じ移植担当企業が全てを仕切りなおし一から移植作業を行う。
- アーケード(AC)版では筐体内部の基板にアクセス出来る者(店員など)のみ選択が可能だった2つの周回設定「ノーマル」(最大4~5周程度)と「グランプリ」(最大20周)を、オプション設定で簡単に選択可能。
- 他人との対戦プレイはネットを介した1on1オンラインとは別に、オフライン対戦も用意。後者はSwitch1台で2人~8人までの対戦が可能となる(プレイ人数が増えるほど個別画面が小さくなるので、大画面テレビでのプレイ推奨。3人以上のプレイでは別途にJoy-Conが必要)。
- 1人プレイ(非対戦プレイ)時には、走行の様子を一定数セーブ&リプレイ可能。リプレイ時にも任意で視点変更が可能。
- fpsは1人と2人まではPS2版と同じ60fps、3人以上だとアーケード版と同じ30fps。
- PS2版のマシンパワーはギリギリで収まった物の、Switch版はマシンパワーに余裕があったため、レンダリング解像度をHD化して広告用のプリレンダ画像を再現した新規映像になった。ポリゴン以外の部分はアーケード版の解像度そのままになってる[3]。
- ベースはシングルプレイはデラックス版、対戦はツインタイプ版[3]。
- 新規BGMは32X版のリプレイのテーマのMODEL1の音源アレンジ版。編曲者は工藤索興が担当。松岡から「スーパー32X版のリプレイ曲のドラム部分をACの音色に差し替えてACっぽくしたものを作ってほしい」とのこと。音色はAC基板用ではなくDAWにAC版のサウンドROMから抜き出した波形データを再現した物[3]。
- 開発前の下準備として行方不明だったアーケード版のソースコードを捜索したところ無事発見したので、より完成度の高い移植を目指すとのこと[4]。
- 奥成のコメントによると「3DS版で研究していた時はアーケード版そのままでは動かなかったので、過去の移植版のデータを集めて、アーケード風に見せるにはどうしたら良いかを検討していたと聞いています。Switch版を作る事になった時点で、アーケード版のプログラムがそのまま動く目処が立っていたので、3DS版の開発データは使わず、アーケード版のオリジナルデータから新規で作り直しました。これにより初めて本物の『バーチャレーシング』を再現する事が出来ました。」と述べている[5]。
- 3DS版の移植当初はスーパー32X版を考え、拡張した幻のガラケー版を研究したが2016年6月になってもエムツーが勝手に続けた物の、上記のとおりお蔵入りになった[3]。
- 8人対戦のきっかけは遊んだ方の気持ちを答える形でSwitch1台で実現する事になった[5]。
- スーパー32X版の追加コースと追加車の要望はあったが1からの新規製作の難易度が跳ね上がるため、お蔵入りになったが売れ行き次第で検討するとのこと[3]。
その他[編集]
- 1988年に発表されたナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)の『ウイニングラン』に強い影響を受け、より高性能・低コストを目標に開発された[6]。
- ゲーム中の車両デザインはフォーミュラカーを模していることは一目瞭然であるが、実はゲームの設定自体では特定のレースカテゴリを主張していないため、米国などではインディカー/チャンプカーのイベントでスポンサーの装飾を施して使われることもあった。
- デラックスタイプの筐体は、前述のようにエアバッグでGを再現する試みがなされているが、エアバッグの耐久性があまりなく(摩擦で破れることが多い)、作動していないことが多い。ステアリングの反力機構とシートの前後スライドも空気圧である。発売時は通信機能が省かれており、後日通信プレイ用の改造キットがリリースされた。ちなみに筐体価格は約500万円。
- ツインタイプの筐体は、技術の過渡期の製品であるためか、座席が両方のプレイヤーのシートが繋がった固定式のベンチシート状態であり、かなり特異なデザインである。シートとステアリングの距離も相当離れており、日本人の体格には合っていなかった。こちらは、ステアリングの機構は、オーソドックスな電動モーター(センタリングはスプリング)式である。またモニターはオーソドックスな4:3比率となっている。筐体価格は約330万円。
- オプション製品として、通信プレイ中にネットワーク内のゲームプレイの映像を、テレビのライブ中継のように演出して表示するライブ中継モニタが存在した。
- 通信機能は、最大8人まで同時プレイ可能である。この際、デラックスタイプとツインタイプの筐体を混在させてもよい。ただし、ライブモニターも接続台数に含まれる(例:ライブモニターを1台使う場合は、最大プレイ人数は7人まで)。
- 基板そのものは、デラックスタイプ、ツインタイプ、ライブモニターともに共通で、設定で動作を切り替えている。したがって、ツインタイプやデラックスタイプをライブモニターとして稼働させることも可能(ただし、その席ではプレイできなくなってしまう)。
- 視点変化によりタイムが異なるという事象があった。視点1(コックピット視点)から視点4(上空からの空撮視点)へ視点が引いていくたびに走行タイムが早くなっていた。ただし、視点4でのプレイは細かい操作がやりづらいため、実際にプレイして早かったのは視点3であり、ゲーム雑誌のハイスコアランキングでも視点3でタイムが申請されていた。
- ゲーム内の音声は光吉猛修が担当している[7]。
- 実車の運転感覚を忠実に再現したバージョンが開発中に存在したが、普通にプレイすることが困難なほどに難しいため、お蔵入りとなった。しかしデザイナーの鈴木裕は、実はそのバージョンが一番面白いと語っている。
- 3DS用ソフト『セガ3D復刻アーカイブス2』の購入者アンケートで1月は本作が1位だったが、最終的に3月は『ターボアウトラン』に追い越されて『セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE』の収録を逃した[8]。
スタッフ[編集]
- アーケード版
- ディレクター:鈴木裕
- チーフ・プログラマー:鈴木裕
- プログラマー:増田拓二、小林雅彦、川村正広、山田和彦、木村進
- チーフ・デザイナー:名越稔洋
- デザイナー:石井精一、中田州彦、井上俊哉
- 音楽:光吉猛修
- 効果音:高木保浩
- ハードウェア・デザイナー:にしかわしょうじ、やすいけいすけ
- 機械効果技師:松野雅樹
- 電気技師:いとうふとし
- プログラム・サポート:たにぐちいくお、しょうじやすひと、ほそださとし
- メガドライブ版
- ディレクター:永田浩一
- チーフ・プログラマー:服部隆一
- SVPプログラマー:堀修
- チーフ・デザイナー:松浦稔
- プログラマー:戸谷弘一、堀田栄治
- 音楽:中林亨、河村知之
- ハードウェア・デザイナー:寺島淳一、つちやこうじ
- プログラマー:柴崎英哉、西野裕、杉本哲也
- スペシャル・サンクス:光吉猛修、浅古芳尚
- スーパー32X版
- プロデューサー:永田浩一
- チーフ・プログラマー:服部隆一
- SHプログラマー:堀修
- プログラマー:戸谷弘一、堀田栄治、横尾健一
- チーフ・デザイナー:松浦稔
- デザイナー:真鍋林檎、久保雅資
- 企画:さいとうゆうじ
- 音楽:幡谷尚史
- サウンド・ディレクター:幸崎達哉
- サウンド・プログラマー:香嶋良昭
- アドバイザー:小林正英
- スペシャル・サンクス:梅田浩二、安保秀樹、長谷川亮一、山路和紀、ソエジマヤスフミ、関根紀裕、八日市屋英樹、佐々木朋子、光吉猛修、中川輝彦、宮澤敦務
評価[編集]
評価 | ||||||||||||||||||||||||||
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- アーケード版
- ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第6回ゲーメスト大賞」(1992年度)において、ベストアクション賞で8位、ベスト演出賞で10位、ベストグラフィック賞で2位を獲得した[30]。また、「第7回ゲーメスト大賞」(1993年度)において、プレイヤー人気で9位、年間ヒットゲームで8位を獲得した[1]。
- 1998年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われたゲーメスト読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「処理速度の速さでその時点で間違いなくドライブゲームの頂点に立った作品」と本作を当時のドライブゲームとして最高峰であったと位置付けており、「コースは初級、中級、上級の3コースで、どれも変化に富んだ完成度の高いコースレイアウトで、飽きを感じさせなかった」、「VRボタンを搭載し、4つの視点を選べ、臨場感あふれる近い視点から、ライン取りをしやすい遠い視点まで、プレイヤーの快適な環境を作り出した」、「ドライブゲームでは初の『タイヤの摩耗』を再現し、周回を重ねるごとに車体のグリップが変化していったのも衝撃的だった」とゲーム性、画面構成、再現度などを絶賛し、「ポリゴンのピットクルーや、レースクイーンなどのモデリングは、後の名作『バーチャファイター』の基礎になったことは有名な話だ」と後の作品に大きな影響を与えた事なども含め肯定的に評価している[36]。
- メガドライブ版
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では8・9・8・8の合計33点(満40点)でゴールド殿堂入りを獲得[15]、レビュアーの意見としては「メガドライブでここまで達成させているってことだけで、拍手を贈りたい」、「超極端に言えば、オールージュをフルスロットルで駆け上がっていくF1ドライバーの気持ちがほんの1ミリわかった気持ちになるゲーム」、「アーケード版よりもクルマが軽い印象」、「アーケード版にはさすがにかなわないけど、十分以上に楽しめる出来」などと評されている[37]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.7 | 3.6 | 3.7 | 4.1 | 4.3 | 4.2 | 23.6 |
- ゲームライターの渡辺浩弐は当時の雑誌記事で「すっかり気に入ってしまった」と述べており、画面がショボくなったことで逆に操作感覚や動きのリアルさという重点が強調され、独特の「味」が醸し出されたと論じた[38]。
- スーパー32X版
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では5・7・7・7の合計26点(満40点)となっている[16]。
- 『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、23.1点(満30点)となっている[22]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.8 | 3.8 | 3.7 | 4.1 | 4.1 | 3.5 | 23.1 |
- ゲーム本『メガドライブ大全』(2004年、太田出版)では、「少なくともグラフィックについてはアーケード版になんら遜色なし。コースも見やすく、視点変更も実用的に使えるようになり、リプレイも鑑賞に耐える」と移植度に関して肯定的に評価している[29]。
- セガサターン版
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・7・7・7の合計28点(満40点)となっている[17]。
- 『SATURN FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.5点(満30点)となっている[23]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.2 | 3.1 | 2.9 | 3.1 | 3.1 | 3.1 | 18.5 |
脚注[編集]
- ^ a b c d 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 12 - 13頁、 ISBN 9784881994290。
- ^ ayasuke2 (2008-04-15), V.R. バーチャレーシングMD 2019年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f “「SEGA AGES バーチャレーシング」インタビュー”. Game Watch(株式会社インプレス) (2019年4月25日). 2019年4月25日閲覧。
- ^ “「SEGA AGES」開発チームトークショウレポート”. Game Watch(株式会社インプレス) (2018年9月22日). 2018年9月26日閲覧。
- ^ a b 「~関係者の証言で編む名作たちの物語~ セガエイジスサーガ」『Nintendo DREAM』2019年5月号、アンビット、2019年3月20日、 65頁、 雑誌07113-05。
- ^ NHK「仮想現実遊戯大全 2」
- ^ クリエイターズ・インタビュー 光吉猛修【後編】セガ・インタラクティブ
- ^ “「ターボアウトラン」-「バーチャレーシング」と接戦の末のアンケート1位!「バーチャファイター」も当初は予想に”. GAME Watch (2016年12月22日). 2017年1月6日閲覧。
- ^ Computer and Video Games, issue 149 (April 1994), page 86
- ^ Computer and Video Games, issue 152, pages 107-111
- ^ Computer and Video Games, issue 157, pages 132-134
- ^ Electronic Gaming Monthly, issue 40 (November 1992), page 54
- ^ “Review Crew: Virtua Racing”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (59): 33. (June 1994).
- ^ “Saturn Virtua Racing (Sega Saturn) by Time Warner Int.”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (75): 124. (October 1995).
- ^ a b “バーチャレーシング まとめ[メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年4月23日閲覧。
- ^ a b “バーチャレーシング デラックス まとめ[メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年4月23日閲覧。
- ^ a b “バーチャレーシング セガサターン まとめ[セガサターン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年4月23日閲覧。
- ^ a b Diehard GameFan, volume 2, issue 7 (June 1994), page 24
- ^ “ProReview: Virtua Racing”. GamePro (IDG) (69): 36–38. (June 1994).
- ^ “ProReview: Virtua Racing Deluxe”. GamePro (IDG) (76): 60–61. (January 1995).
- ^ “ProReview: Virtua Racing”. GamePro (IDG) (85): 50. (October 1995).
- ^ a b c d 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、 870頁、 雑誌26556-4/15。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、 779頁、 雑誌26556-4/15。
- ^ Electronic Games, issue 57 (August 1994), page 84
- ^ “Maximum Reviews: Virtua Racing”. Maximum: The Video Game Magazine (Emap International Limited) (3): 145. (January 1996).
- ^ Mega rating, issue 19, page 25, April 1994
- ^ Leadbetter, Richard (January 1996). “Review: Virtua Racing”. Sega Saturn Magazine (Emap International Limited) (3): 88–89.
- ^ a b 「Chapter 02 1989年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』太田出版、2004年9月29日、219頁。ISBN 9784872338805。
- ^ a b 「Chapter 02 1989年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』太田出版、2004年9月29日、254頁。ISBN 9784872338805。
- ^ a b c d 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 14 - 15頁、 ISBN 9784881994290。
- ^ “CES Showstoppers”. GamePro (IDG) (67): 74–81. (April 1994).
- ^ GameFan, volume 3, issue 1 (January 1995), pages 68-75
- ^ Mega, issue 26 (November 1994), page 74
- ^ Top 100 Games of All Time, Next Generation, 1996
- ^ http://ign.com/articles/2015/04/03/the-top-10-most-influential-racing-games-ever?page=2
- ^ 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 124頁、 ISBN 9784881994290。
- ^ 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、 29頁。
- ^ 「渡辺浩弐のGAME2(ゲームノジジョウ)連載第二回『V.R.バーチャレーシング』」、月刊ソフマップワールド(1994年6月号)、p52。
外部リンク[編集]
- SEGA AGES バーチャレーシング ※ Switch版公式サイト>作品情報ページ
- SEGA AGES 2500シリーズ - かつてはココからPS2版の個別ページにアクセスできたが、現在は削除されている。
- Virtua Racing - MobyGames(英語)
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