ネオ・ジオ

ネオ・ジオ
坂本龍一スタジオ・アルバム
リリース
レーベル CBS/SONY
プロデュース ビル・ラズウェル
坂本龍一
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 8位(オリコン、LPチャート)[1]
  • 坂本龍一 アルバム 年表
    未来派野郎
    1986年
    ネオ・ジオ
    1987年
    ビューティ
    1989年
    『ネオ・ジオ』収録のシングル
    1. RISKY
      リリース: 1987年7月1日
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    ネオ・ジオNeo Geo)とは、1987年7月1日に発表された坂本龍一の7作目のオリジナル・アルバム。または、このアルバムに収録された曲。

    解説[編集]

    海外各国での発売を前提にCBS/SONYのTERRAPINレーベルから発表された。坂本のアルバムが世界発売を前提に作られたのは初のことであった。87年当時はMIDIレーベルとの契約を継続しており、本作リリース前後にもMIDIから作品を発表している。

    使用機材はフェアライトCMIや、EmulatorIIヤマハDX7II-Dが挙げられる。

    ビル・ラズウェルとの共同制作[編集]

    共同プロデューサーとして、元マテリアルビル・ラズウェルが迎えられた。アルバムのテーマが前作の『未来派野郎』に引き続いて「ドライブ」であったため、ハービー・ハンコックの『Rockit』をプロデュースしたビル・ラズウェルの力を借りている。坂本は前年の1986年、同じくラズウェルのプロデュースしたパブリック・イメージ・リミテッドのアルバム『Album / Compact Disc / Cassette』のセッションにも参加している。

    アルバムのタイトル[編集]

    “NEO GEO”とはNeo Geographyの略で「新しい地図」の意。国や民族などどこにも属さない、浮遊する大地であり、そこでは世界のすべてを受容し、互いに認め合い、尊重しあう世界を、まずは音で試みている。

    “NEO GEO”の読み方について坂本龍一は、一般に「ネオ・ジオ」と発音されていることを容認しつつ、自身は「ニオ・ジオ」と発音しているとラジオ番組で語ったことがある。

    収録曲[編集]

    1. BEFORE LONG
      • 作曲:坂本龍一
      アルバム冒頭を飾る、ピアノシンセサイザーによる小曲。ビル・ラズウェルから「前奏曲のようなものを」と注文されて作成された。後にアルバム『1996』でピアノ三重奏アレンジで再演。
    2. NEO GEO
      • 翻訳・作曲:坂本龍一、ビル・ラズウェル
      ゴーゴーロック沖縄民謡民族音楽ケチャ)をミックスした、以前の坂本の作風にはなかった楽曲。ベースブーツィー・コリンズ。ケチャは坂本がバリ島で録音してきたものを使用している。沖縄民謡は「耳切り坊主(みみちりぼーず)」。坂本は「ヨーロッパ音楽は実は、ヨーロッパ音楽ではない、ということを証明したかった」と語っている[2]
    3. RISKY
      • 作詞:イギー・ポップ / 作曲:イギー・ポップ、坂本龍一、ビル・ラズウェル
      ヴォーカルはイギー・ポップ。メロディーラインは坂本・ビルが作ったバックトラックにのせて、イギーが勝手に歌った。シングルカットされ、7インチ、12インチ盤が発売されている(12インチはExtended version)。アルバム『ネオ・ジオ』が発売される直前の1987年6月19日にフルモデルチェンジされた日産セドリック(Y31前期型)のCM曲として使用され、坂本自身もセドリックのCMイメージキャラクターとしてCM出演した。
    4. FREE TRADING
      おしゃれテレビのアルバム『おしゃれテレビ』収録の「アジアの恋」を、坂本が「自分で作った曲より坂本っぽい」といたく気に入りカヴァーした。メロディにはいろんな音色が重ね合わされている。シンバルレガートトニー・ウィリアムスの演奏をフェアライトCMI IIIで編集したもの。ベースにはスティックを使用。
    5. SHOGUNADE
      • 作曲:坂本龍一、ビル・ラズウェル
      4度音程のリフとギターのカッティングが特徴的。
    6. PARATA
      • 作曲:坂本龍一
      非機能的和声進行(特に低音部の増4度音程進行)の上で滑らかなメロディーラインが奏でられる。
    7. OKINAWA SONG - CHIN NUKU JUUSHII
      原曲は1968年フォーシスターズが歌ったヒット曲。"ちんぬくじゅうしい"とは里芋ごはんの事。ドラムスライ・ダンバー
    8. AFTER ALL
      • 作曲:坂本龍一
      坂本による複数のピアノの即興を、コンピュータに取り込み編集した楽曲。シンバルレガートはトニー・ウィリアムス。

    参加ミュージシャン[編集]

    出典[編集]

    1. ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、150頁。ISBN 4871310256
    2. ^ 『キーボードスペシャル』(立東社)より

    外部リンク[編集]