ドイツの地方行政区分

ドイツの地方行政区分(ドイツのちほうぎょうせいくぶん)

ドイツ連邦共和国は、16 の州 (Land) から構成される連邦国家であり、各州は、単に法人格を持つ地方公共団体ではなく、それぞれが主権を持ち、独自の州憲法、州議会、州政府および州裁判所を有する国家 (Staat) である[1]。州こそがドイツ地方行政の要である。今日の Land は、ヴァイマル共和国時代から第二次世界大戦終結前(1920年から1945年)の間、Bundesstaat と呼ばれていたためか正式名称とは別に Bundesland連邦州)と呼ばれることもある。

地方行政のピラミッド[編集]

地方行政のピラミッド

州政府の行政組織は州首相府、財務省、内務省、法務省、環境・自然保護・農業・消費者保護省ほか総数で10数省があり、各省の監督下にRegierungsbezirk (「行政管区」あるいは「」とも訳される)、その下位のLandkreis (「郡」)、郡から独立した Kreisfreie Stadt (「独立市」)、郡の下位の Gemeinde (「市町村」)の階層毎に州行政が執行される。

首都ベルリンや中世以来の自由都市を起源とするハンブルクは各々単独で州としての行政権限が認められ、また同じく自由都市を起源とするブレーメンはその外港ブレーマーハーフェンと併せて一つの州として認められている。この3市は都市州 (Stadtstaat) とも呼ばれ、下位の行政区分として Stadtbezirk(「区」)がある。

都市州以外の州は以下の行政区分に細分される。

連邦州の一覧[編集]

以下に16 ある連邦州の基本情報を示す。数字は地図の番号。

州名 面積
(km2)
人口 人口密度
(人/km2)
州都
01 バーデン=ヴュルテンベルク州 35,751.65 10,717,419 299 シュトゥットガルト
02 バイエルン自由州 70,549.19 12,443,893 177 ミュンヘン
03 ベルリン 891.75 3,387,828 3,812
04 ブランデンブルク州 29,478.63 2,567,704 87 ポツダム
05 自由ハンザ都市ブレーメン 404.23 663,213 1,642 ブレーメン
06 自由ハンザ都市ハンブルク 755.16 1,734,830 2,310
07 ヘッセン州 21,114.72 6,097,765 289 ヴィースバーデン
08 メクレンブルク=フォアポンメルン州 23,174.17 1,719,653 74 シュヴェリーン
09 ニーダーザクセン州 47,624.22 8,000,909 168 ハノーファー
10 ノルトライン=ヴェストファーレン州 34,083.52 18,075,352 530 デュッセルドルフ
11 ラインラント=プファルツ州 19,847.39 4,061,105 209 マインツ
12 ザールラント州 2,568.65 1,056,417 412 ザールブリュッケン
13 ザクセン自由州 18,414.82 4,296,284 233 ドレスデン
14 ザクセン=アンハルト州 20,445.26 2,494,437 121 マクデブルク
15 シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州 15,763.18 2,828,760 179 キール
16 テューリンゲン自由州 16,172.14 2,355,280 145 エアフルト
  • 人口は、2005年12月31日現在のもの。
ドイツの連邦州

州旗[編集]

数字は地図の番号。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ バイエルン州には州旗が2種ある: 横二色型のバイエルン州旗

出典[編集]

  1. ^ 『ドイツの地方自治』(財)自治体国際化協会、2003年

参考文献[編集]

  • 大西健夫(編)、『ドイツの政治;連邦制国家の構造と機能』、早稲田大学出版部、1992年、ISBN 4-657-92311-0
  • 木佐茂男(著)、『 豊かさを生む地方自治;ドイツを歩いて考える』、日本評論社、1996年、ISBN 4-535-51068-7
  • 大西健夫、U・リンス(編)、『ドイツの統合;分断国家から普通の国へ』、早稲田大学出版部、1999年、ISBN 4-657-99310-0
  • 片木淳(著)、『地方主権の国;ドイツ』、ぎょうせい、2003年、ISBN 4-324-07082-2
  • (財)自治体国際化協会(編)、『ドイツの地方自治』(PDF版)、(財)自治体国際化協会、2003年

関連項目[編集]