トロンハイム市電

トロンハイム市電
セントオラヴ門電停に停車するクラス8電車
セントオラヴ門電停に停車するクラス8電車
基本情報
 ノルウェー
所在地 トロンハイム
種類 路面電車
開業 1901年12月2日(路面電車の開業日)
1924年7月17日(現有路線の開業日)
所有者 トロンハイム市
運営者 ボレアールバーネ(Boreal Bane
詳細情報
総延長距離 8.8km
路線数 1系統
停留所数 21
軌間 1,000mm
電化方式 直流600V
路線図
路線図
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トロンハイム市電(トロンハイムしでん、ノルウェー語: Trikken i Trondheim)は、ノルウェートロンハイムに存在する路面電車。ロシアアルハンゲリスク市電が2004年に廃止されて以降、世界で最も北に位置する路面電車路線である[1]

概要[編集]

1901年に最初の路線が開通し、最盛期の1958年~1968年にはトロンハイム市内に4路線を有していたがそれ以降は路線の廃止が進み、1988年以降はセントオラヴ門(St. Olavs gate)電停~リアン(Lian)電停間を結ぶグラカル線Gråkallbanen)のみが運行している。1980年代には市電を全廃する動きもあったが、市電存続派の市長が選挙で勝利した事もあって残された路線を存続する方向となり[2]、1990年以降市電の旅客運送は民間企業(現:ボレアールバーネ)へと移管している。

Munkvoll電停に併設している車庫には市電博物館Sporveismuseet i Trondheim)が存在し、過去に活躍した車両が保存されている他、一部の車両は走行可能な状態が維持されている[3]

車両[編集]

クラス8電車[編集]

それまで使用していたクラス7などの旧型電車を置き換えるために導入された2車体連接車。リンケ・ホフマンが製造を担当した。トロンハイム市電は起終点にループ線がある構造になっているため運転台はシングルアーム式パンタグラフが搭載されている車体のみに設置され、扉も片側のみに存在する。

11編成が製造されたが、1997年の事故[4]により2編成が廃車されている。

画像 形式名 製造年 総数 全長 全高 全幅 自重 最高速度 出力 歯車比 定員 軌間 備考
クラス8 1984-1985 11両 19,900mm 2,600mm 27.1t 65km/h 300kw 143人
(座席53人)
1,000mm

クラス7電車[編集]

1956年10月10日、トロンハイム市電のDalsenget車庫で火災が発生し、当時導入されていた大型電車(クラス5クラス6)を含む43両の車両が焼失した[5]。その事態を受けて導入が行われたのがクラス7である。ノルウェーの鉄道車両メーカーであるストレンメンが製造を担当した。
電動車28両と付随車15両が導入され、1956年から運転を開始した。そのうち電動車5両については、焼失した電車の部品を再利用している。

路線廃止による規模の縮小や老朽化によりクラス8に置き換えられ、1984年までに定期運用から引退した。その後は電動車4両と付随車1両が市電博物館で保存されている[6]

画像 形式名 製造年 総数 全長 全高 全幅 自重 最高速度 出力 歯車比 定員 軌間 備考
クラス7 1956-1957 28両(電動車)
15両(付随車)
13,200mm 2,600mm 15.1t(電動車) 172kw(電動車) 143人
(座席53人)
1,000mm

脚注[編集]

  1. ^ 宇都宮浄人「海外LRT事情 北欧のLRT」『路面電車EX vol.11』、イカロス出版、2018年5月、121頁、ISBN 9784802205108 
  2. ^ Kjenstad, Rune 2005, p. 321-329.
  3. ^ Leie veterantrikk 2018年7月7日閲覧
  4. ^ Trondheim Trams Gråkallbanen - Page 1 2018年7月7日閲覧
  5. ^ Aspenberg, Nils Carl 1995, p. 13.
  6. ^ Aspenberg, Nils Carl 1994, p. 355-358.

参考文献[編集]

  • Aspenberg, Nils Carl (1994). På skinner i Bymarka. Baneforlaget. ISBN 82-91448-01-9 
  • Aspenberg, Nils Carl (1995). På meterspor i Nidaros. Oslo: Baneforlaget 
  • Kjenstad, Rune (2005). Trikken i Trondheim 100 år. Tapir Akademisk Forlag. ISBN 82-519-1895-2 

外部サイト[編集]

  • Gråkallbanen Tram Sightseeingn”. 2018年7月7日閲覧。 トロンハイム市による紹介ページ(英語)
  • Gråkallbanen”. 2018年7月7日閲覧。 ボレアールバーネの公式ページ(ノルウェー語)