トゥルッフ・トゥルウィス

トゥルッフ・トゥルウィス
トゥルッフ・トゥルウィスら三頭のイノシシの塑像。トニー・ウッドマン作。
Tony Woodman 作トゥルッフ・トゥルウィスたちの塑像
子供 7頭
  • 銀毛のグリギン(Grugyn Gwrych Ereint)
  • 殺し屋スルウィドウグ (Llwydawg Govynnyad)
  • トゥルッフ・スラウィンTwrch Llawin
  • グウィス Gwys
  • バヌー Banw
  • ベンウィグ Bennwig
  • 無記名の一頭
タレッズ・ウレディク(Taredd Wledig)
テンプレートを表示

トゥルッフ・トゥルウィスウェールズ語発音: [tuːɾχ tɾʊɨθ])は、アーサー王伝説のおける怪物級ので、ウェールズ語で書かれた『マビノギオン』(1100年頃)の枝篇のひとつ『キルッフとオルウェン』では、アーサー王やその一族郎党や、他に加えられた特殊能力者、猟犬、道具などを得てのち、初めてその狩猟に挑み必須アイテムの取得を果たし、王の縁者キルッフの婚姻探求を助太刀する。

Twrch trwythの発音音声ファイル

アーサー王猟犬はウェールズ語の物語ではカヴァスウェールズ語: Cafall)だが、その伝承はより古く、ラテン語の史書『ブリトン人の歴史』(9世紀)にも王が猟犬カバル(ラテン語: Cabal[注 1]を伴わせてトロイントラテン語: Troynt[注 2][1]を狩ったという故事が記載される。

また7世紀の古哀歌「Gwarchan Cynfelyn[2] キンヴェリンの詩歌)」(仮訳題名)[注 3]にもこの猪名(単語)が言及されており、これが文献上の初出である[3][7]。他にも、中期ウェールズ語時代の数編に言及されている[8]

ウェールズ語で「猪トゥルウィス」の意と解すことが出来、かつてはアイルランド神話における猪トリアス(Triath)よりの派生語か同根語との論説も提唱されたが、近年では関連性に否定的見解がみられる( § 語源参照)。

ブリトン人の歴史[編集]

アーサー王が猪トロイント(≈トゥルッフ・トゥルウィス)を、猟犬カバル(≈カヴァス)を用いて狩ったという故事は、古くは伝ネンニウス著『ブリトン人の歴史』(9世紀)写本の多くに付帯する「ブリタニアの奇蹟」(De Mirabilibus Britanniae)と呼ばれる部分にみつかる[9][10][11]。(全文[12]ブリトン人の歴史 § アーサーの犬カバルの引用を参照)。猪トロイントの名は、正しくはトロイトの異読みを取るべきだともされる[13]

キルッフとオルウェン[編集]

中世ウェールズの物語集『マビノギオン』の枝篇「キルッフとオルウェン」[14][15]によれば、トゥルッフ・トゥルウィスは、タレッズ公(タレッズ・ウレディク[16])の息子で[17]、元は王族だったがその罪ゆえに神によって豚類(hwch)に変身させられた[18][19]。毒のしたたる剛毛をもち[20][21]、耳の間に[注 4]剃刀を隠し持つ[23]

このキルフッフ求婚譚[24](花嫁探しの旅[25])では、主人公キルフッフは、継母の呪いによって、イスバザデン・ペンカウル[注 5]の娘オルウェンのみしか妻に娶ることはできない運命となる[26]

課題[編集]

その探求(花嫁と婚姻)を成就するには、イスバザデンが課する39の課題(anoeth、複数形anoetheu[注 6]を達成せねばならない。

トゥルッフ・トゥルウィスの耳のあいだの櫛・鋏・剃刀はそのうちの最大難関である[28]。当初言及されない剃刀は、後のくだりで追加されている[29][30]。 この猪より得た理髪用アイテムも含め、課題のほとんど多くは、新婦の父たるイスバザデンの髪や髭を整えるためのものである[31][注 7]

付帯する課題[編集]

イスバザデンは、トゥルッフ・トゥルウィスを狩れるのはエリの息子グライト[注 8] 飼っている犬ドゥルトウィン[注 9] のみで、さらにその犬用の繋ぎ紐(リーシュ[注 10]、首輪、鎖が要り、その犬を使い慣らせる英語版唯一の猟犬使いモドロンの息子マボン英語版[注 11]を勧誘しなければならない[注 12][40]

しかしこれ以外にも、この猪狩りには犬が必要である(詳細はカヴァス § 犬のリスト)。リムヒの二匹の仔狼が要るとされるが[41]、これらが得られたという記述に欠ける[42]。しかし、本来はその二匹のためのリーシュは、髯男ディシスの髭を引っこ抜いて作られる[43][44][注 13][注 14]。この二匹も扱い手が指名されていた[48]。更には、アネト[注 15]とアイスレム[注 16]という犬たちは[49]、ついにトゥルッフ・トゥルウィスがコーンウォールから海へと追われた結末後も、泳ぎ追い続けたという[50]

他にも、特定の人員や、馬・装備など、結局はアーサー王(アルスル)と、お抱えの狩人たちどもも[51]が要求されている:

巨人ウルナッハ(Wrnach Gawr)の剣(cledyf[35])は、この猪を殺しうる唯一の武器という触れ込みだったが[64][65][注 22]、アーサーの手の者が巨人を斃すのに使ったものの、猪には果たして試されなかった[66]

狩猟の経緯[編集]

トゥルウィス猪の狩猟は、作品後半の大部分を占める゙[31]、その追跡の様子は、地理的な行程、動員される人海を含め詳細に描写される。キルッフ自身も参加するが、アーサーと郎党が活躍する。

トゥルッフ・トゥルウィスとその七匹の子猪は、アイルランドまで遠征してアーサー軍が見つけ出した。そこからウェールズまで追いたて、けっきょくコーンウォールで追い詰めた[67]メヌー英語版は、鳥の姿を借り空飛ぶ斥候となってアイルランドを探索、目的の櫛・鋏を持った猪と七匹の子猪を発見。急下降して宝を掠め取ろうとするが、銀色の剛毛[68]一本のみをついばみ、毒がつたわって不随となる[69]

アーサー勢の戦いの末、猪はアーサーの本国に移動し、ユーヤスとタウィーの間(y rwng Tawy ac Euyas; "Tawy and Ewyas"、不詳だがウェールズ南東部あたり[70])を侵した。アーサーは、セヴァーン河口英語版ウェールズ語: Aber Hafren)に諸々の軍勢を終結させ、特にコーンウォルとデヴォンの者たちに、なんとしても猪をその河口付近に足止めさせろ、と命じた[注 23]。結局は封じこめにに失敗して突破されるが、セヴァーン川に押さえつけているうちに剃刀・鋏そして櫛を奪取するに成功した。猪は川底に足がかりをつけた拍子に飛び出してしまったが、コーンウォルの端まで追い詰め、海に転落させた。どこに行ったか行方知れずだが、いまだにアネトとアイスレムの2匹が追いつづける、と伝わる[50][71]

ちなみにもう一頭、猪の長エスキスエルウィン英語版[注 24]の狩猟も、イスバザデンの理髪には必要であった[72]

語源[編集]

ウェールズ語twrchは「猪、豚」の意であり[注 25][73]、トゥルッフ・トゥルウィスは「猪・トゥルウィス」を意味する。アイルランド伝承の猪王トリアス(Triath ri torcraide[注 26]と同源の可能性は提示されたが、疑問視もされる[75]。ジョン・リースは、古アイルランド語の言葉が中世ウェールズに移入された可能性を是としたが[76]レイチェル・ブロムウィッチ英語版は、そのような文化交流が必ずしもあったと結論付けるには至らない、とした[77]

ブロムウィッチによれば、"Trwyth" の綴りは書写生の誤記に由来するもので、元来の語形はtrwydだとしている。一方、このtrwyd の語尾子音 -d と -t の混同により、ラテン語文書ではTroyntTroitの名称が生じたとする[78]。古い形がTrwydであることは、既述の古歌「キンヴェリンの詩歌」(仮訳名)の出例でも確認できる[注 27][79]

フランス文学への派生[編集]

トゥルッフ・トゥルウィスは、フランス文学のアーサー物語で、人間や他の猪に姿を変えて再登場させられている、という考察がある。

クレティアン・ド・トロワ作の『エレックとエニード英語版』に登場する円卓騎士 アレスの息子トール(Tor le fils Arés, アリエスの子トー卿)が、そのような再登場だという説は、イドリス・レウェリン・フォスター英語版が提唱した[80]。さらには、この「アレス」こそが、じつは正しく伝承された、本来の父親の名前に近いのだ、という意見すらある[81]

また、トゥルッフ・トゥルウィスのキャラクターは、円卓騎士カラドックの物語のなかで、その数奇な兄弟として再登場させられた、という説がある。これは『ペルスヴァル第一続編』の一部、いわゆる「カラドックの書」で展開される。カラドックは、自分が由緒正しい貴族の父親ではなかったと知って激怒し、母を寝取った相手の間男(すなわち実父)である魔術師エリアヴル(Eliavres)に強制的に、牝馬、牝犬[注 28]、雌豚と交尾させ、その獣からそれぞれカラドックの兄弟たちが生まれた。雌豚の子は猪でトルタン(Tortain)と名付けられており、これがウェールズの猪トゥルウィス伝承に由来する、とガストン・パリスが提唱した[82]

注釈[編集]

  1. ^ ラテン語: Cabal(定本/H本), ラテン語: caball(K本), ラテン語: caballus(D1本), ラテン語: caballus(D2本・G・本)
  2. ^ ラテン語: Troynt(定本/HK本), Troit (C1DGQ本),Terit (C2L本 )
  3. ^ 《アネイリンの書》英語版所収
  4. ^ 中野 (1999), p. 124に"櫛とはさみ(剃刀もふくまれることがある)"とある。中期ウェールズ語:gwelleu; 現代形 gwellau, gwellaif、古語guillihimで、「鋏」、特に羊刈り用バサミの含みがあるとも指摘[22]
  5. ^ 森野 (1992), p. 89では"アスバザデン"、中野 (1999), p. 124では"イスバズァデン"
  6. ^ "課題"は中野 (1999), p. 124による。[27]では、「アノイス」とウェールズ語の仮名表記で解説している(p. 102)。また、最終目的の花嫁が「探求」なので、数多くの「課題」を「探求」と称するのは避けた。
  7. ^ 課題の約半分はトゥルッフ・トゥルウィスイノシシ狩りのため(あるいは間接的にその要因や犬の必要品も含む)。課題#21~39(Dehghani (2006–2007), pp. 293–294の39課題表、Edel (1983), pp. 263–264の39課題リスト参照)
  8. ^ 中野 (1999), p. 125 の表記が"ドルドウィン(Greit mab Eri)"。Greid とも。
  9. ^ 中野 (1999), p. 125 の表記は"ドルドウィン(Drutwyn)"。Drudwynとも。
  10. ^ 中野訳は"革紐"だが、中野 (1999), p. 125 は"繋ぐ紐"とある。英訳は "leash"、中期ウェールズ語は"cynllyuan/kyn(n)llyuan(n)"だが[32][33]、現代辞書には"cynllyfan"と載り、材質は特に皮革だとしていない[34]
  11. ^ "モドロンの息子マボン( Mabon fab Modron ))"[35] 。マボン・アプ・モドロン(Mabon ap Modron, map Modron)の表記もある。
  12. ^ マボン用の馬と、マボンを見つけ出すための者も、それぞれ一個の課題。馬はグウィン・メグドゥン(Guyn Mygtwn[36]/Gwynn Mygdwn[37] 'White Dun-Mane' [37] であり、「暗白色のたてがみを持つグウィン」[36]の解説もあるが、ウェールズ語 mwng "mane たてがみ" + ddwn "wikt:russet/dun 赤茶色" と追って解析されている[38]。また、三行詩だと Myngrwn 'Arched/Hacked Mane'の異読みもある[39]
  13. ^ しかし中野 (1999), p. 125では"髭男ディスィス(Diilus〔ママ〕)の髭"は、犬ドルドウィンのためとしている。
  14. ^ なお、その"髭を引きながら引っこ抜く"(tynnu[45]ための道具は、木製ピンセットであり(原文直訳だと「木製ナイフ」と読めるが[46])、複合語"cyllebren"は辞書に、おそらく「木製ピンセット」のような道具である、と記載される[47]
  15. ^ Aned
  16. ^ Aethlem
  17. ^ 中村訳では"イウェルゾンびとガルセリト"と表記するが、ここでは"ゲール人/ゴイデル人" Wyddel に言換えた。いずれにしろアイルランド(イウェルゾン)の人を意味する。
  18. ^ グウィン・アプ・ニッズとも[55]
  19. ^ ウィリアム征服王のことだとされるが、物語上、トゥルウィス猪により落命する[58][59]
  20. ^ ここでは名は不詳だが、アリン・ダヴェドの息子デヴェルの名で「ロナブイの夢」や「エルビンの息子ゲライント」には登場するBromwich & Evans (1992), p. 72。
  21. ^ 色々な親族のみならず、三人の武器、孫の三匹の犬グラス、グレイシック、グレイサット(カヴァス § 犬のリスト参照)や、三頭の馬カス、クアス、カヴァス(Call, Cuall, Cavall)もついてくる
  22. ^ 再現原型 *Gwrnach はジョン・リース英語版T・F・オラヒリー英語版が提唱したがBromwich & Evans (1992), p. 138では否定的である。
  23. ^ コーンウォルへの侵入を死守せよと。
  24. ^ 森野訳:アスギスルウィン・ペンバエズ
  25. ^ ウィリアム・オーウェン・ピュー英語版の辞書の解説をによれば、さらには堀穴をつくる者、特に四つん這いになった猪、沢が地に沈下した地形もこう呼ばれるとする。
  26. ^ コルマクの語彙集英語版』に Orc tréith 「トリアス猪」、『アイルランド来寇の書』にも Orc tréith とみえる[74]
  27. ^ ブロムウィッチの古例はGwarchan Cynfelyn : "Gweilging torch trychdrwyt / trychinfwrch trychethin"(斜体は彼女による)と"-t"の語末である。次例は Cynddelw: "Keffitor ymdwr am drwyd hevelyt/ Twrch teryt y ar uwyd"。3例目はGruffudd ap Maredudd: "milwr torch trin mal aerdwrch trwyt"。 4例目はIolo Goch, Syr Hywel y Fwyal: "A gŵr gwynllwyd, Twrch Trwyd trin,/ Nawswyllt yn rhoi farneiswin".
  28. ^ 厳密にはサイトハウンドフランス語版(≈グレイハウンド)。

出典[編集]

脚注
  1. ^ Mommsen 1898 p. 217, note to line 18
  2. ^ The Lay of Cynfelyn, at the Celtic Literature Collective of the Mary Jones website
  3. ^ Roberts (1962), p. 91.
  4. ^ Guest ed., tr. (1849), pp. 356–357 (Notes to "Twrch Trwyth" -- page 286)
  5. ^ Bromwich, Rachel (1996), The Mabinogion and Lady Charlotte Guest”, in Sullivan, ((C. W., III)), The Mabinogi: A Book of Essays, New York: Garland, p. 13, ISBN 9780815314820, https://books.google.com/books?id=5IWflKkhVuAC&pg=PA13 
  6. ^ Rhys, John (1883–1885). “Notes on the Language of Old Welsh Poetry”. Revue celtique 6: 37–38. https://books.google.com/books?id=AoANAAAAQAAJ&pg=PA37. 
  7. ^ この古詩に言及があることは、既にシャーロット・ゲストが編本注(1849年)で指摘する[4][5]。 のちにジョン・リース英語版は1885年論文でダニエル・シルヴァン・エヴァンス英語版が言及に着目したとしており、ウィリアム・フォーブス・スキーン英語版編訳『'Four Ancient Books』第1巻の当詩の英訳もサリヴァンに拠るとする[6]
  8. ^ Bromwich & Evans (1992), pp. lxv, 131. 版本、行、作家/作品、抜粋引用(当該の猪名は斜体)が p. lxv にみえるが、後述する注釈にてこれらを列挙しておく
  9. ^ 森野 (1991), pp. 87–88.
  10. ^ Guest ed., tr. (1849), pp. 358–360.
  11. ^ Higham, Nicholas J. (2018). King Arthur: The Making of the Legend. Yale University Press. pp. 204–207. ISBN 9780300240863. https://books.google.com/books?id=dn11DwAAQBAJ&pg=PA204 
  12. ^ 英訳:ウィキソース出典  (英語) Wonders of Britain, Ch. 73, ウィキソースより閲覧, "There is another marvel in the region which is called Buelt.." 及びGuest ed., tr. (1849), p. 359
  13. ^ Robert Huntington Fletcher, The Arthurian material in the chronicles, p.320: "Two names in the Mirabilia should be replaced by better variant readings, Troynt by Troit, and Anir by Amr".
  14. ^ 中野訳 (2000)。以下、固有名詞等のカナ表記は、原則、この訳のものにしたがう。
  15. ^ 中野 (1999), p. 124では「キルーフとオルウェン」と表記。森野 (1992)では「キルフッフ」とするが、森野訳 (2019)では 「キルフーフがオルウェンを手に入れたる次第」と題する。
  16. ^ Jones & Jones trr. (1993), p. 98.
  17. ^ Guest ed., tr. (1849), p. 286では"son of Prince Tared"
  18. ^ Guest ed., tr. (1849), pp. 241, 309.
  19. ^ Jones & Jones trr. (1993), p. 109 apud Robichaud (2007), p. 82
  20. ^ Guest ed., tr. (1849), pp. 239, 307.
  21. ^ Robichaud (2007), p. 81.
  22. ^ Falileyev, Alexander (2000). "guillihim". Etymological Glossary of Old Welsh. Tübingen: Max Niemeyer. p. 68. ISBN 978-3-484-42918-5
  23. ^ Guest ed., tr. (1849), pp. 242, 310.
  24. ^ 森野 (1992), p. 90.
  25. ^ 森野 (1992), p. 97.
  26. ^ 森野 (1992), p. 89.
  27. ^ 森野 (1992).
  28. ^ 中野 (1999), p. 124.
  29. ^ Sheehan (2005), p. 24, n54.
  30. ^ Sturzer (2005), p. 160, n76.
  31. ^ a b Sheehan (2005), p. 6.
  32. ^ Guest ed., tr. (1849), p. 225, "namyn kynllyuan kwrs cant ewin", p. 286, "except the leash of Cwrs Cant Ewin"
  33. ^ Bromwich & Evans (1992), pp. 131, 192.
  34. ^ Evans, Daniel Silvan [in 英語] (1893). "cynllyfan". A Dictionary of the Welsh Language: C-Cyw. W. Spurrell. p. 1192.
  35. ^ a b 森野 (1992), p. 88.
  36. ^ a b c 中野節子「『マビノギオン』の「馬」のイメージを追って : 物語と民話の中から」『大妻女子大学紀要. 文系』第43巻、2011年、239–238頁。 
  37. ^ a b Bromwich (2014), p. lxxxiv.
  38. ^ Bromwich (2014), p. 128.
  39. ^ Bromwich (2014), pp. lxxxiv, 128.
  40. ^ 課題の#22 ドルドウィン、#23 百の爪持つコルス(Cors Cant Ewin)の皮紐、#24 百の手をもつカンハスティ(Canhastyr Can Llaw)の首輪(紐に繫ぐため)、#25 百の繋ぎ持つキリッズ(Cilydd Canhastyr)の鎖(紐・首輪をつなぎとめるため)、#26 モロドンの息子マボン(Mabon ap/fab Modron)が犬を操る、#27 マボン用の馬、グウィン・メグドゥン (Guyn Mygtwn[36])、#28 アエルの息子エイドエル(Eidoel mab Aer)は、マボンを探し出すのに必要。前述Dehghani (2006–2007), pp. 293–294の表、Edel (1983), pp. 263–264 のリスト、および#40に至るBromwich & Evans (1992), pp. xlvii–xlviiiのリスト参照。
  41. ^ #30 "two pups of the bitch Rhymhi" が挿入され全40まであるBromwich & Evans (1992), pp. xlvii–xlviiiのリスト。
  42. ^ Sheehan (2005), p. 7.
  43. ^ #30 "a leash of the beard of Dillus Farfawg ("the Bearded") to hold the two pups "
  44. ^ Roberts, Brynley F. (1991). “Tales and Romances”. In Jarman, A. O. H.. A Guide to Welsh Literature. 1. Swansea: C. Davies. p. 218. https://books.google.com/books?id=CChXAAAAYAAJ&q=Dillus 
  45. ^ 中野 (1999), p. 125.
  46. ^ Guest ed., tr. (1849), p. 236, "[a]chyllell prenneu", p. 302 "wooden tweezers"
  47. ^ Evans (1893). "cyllellbren", 'probably two flat pieces of wood.. in the form of tweezers'.
  48. ^ #31 野生児キネディル (Cynedyr Cyledyr Wyllt) ' the Wild ' が(#30の)仔狼の二匹を操るため
  49. ^ #36、前述 Edel (1983), pp. 263–264、Dehghani (2006–2007), pp. 293–294; #36、Bromwich & Evans (1992), pp. xlvii–xlviii.
  50. ^ a b Kibler, William W.; Palmer, R. Barton, eds (2014). “Arthur in Early Wales/Culhwch and Owen. Medieval Arthurian Epic and Romance: Eight New Translations. Jefferson, NC: McFarland. p. 97. ISBN 978-0-7864-4779-4. https://books.google.com/books?id=MFmDBAAAQBAJ&pg=PA97 
  51. ^ #37(出典同上)。
  52. ^ Evans (1893). "cynydd", huntsman.
  53. ^ #29 Garselyd Wyddel (出典同上)。Guest ed., tr. (1849), p. 226, "Garselit wydel pennkynyd iwrddon yw", p. 286, "except the leash of Cwrs Cant Ewin"
  54. ^ #32(出典同上)。
  55. ^ 森野 (1992), p. 107.
  56. ^ #33(出典同上)。
  57. ^ #34、Dehghani (2006–2007), pp. 293–294の表に"Gwilenhin, king of France, to hunt Twrch Trwth"と、原文訳Guest ed., tr. (1849), p. 290:"Until Gilennhin the king of France shall come, the Twrch Trwyth cannot be hunted"とトゥルウィス猪狩りの要員だと明記される。
  58. ^ 中野節子「『マビノギオン』の女性像をめぐって(2) : 民話とロマンスの中から」『大妻女子大学紀要. 文系』第34巻、2002年、239–238。 
  59. ^ Edel, p. 259, n1.
  60. ^ #35(出典同上)。
  61. ^ #35 "Alun Dyfed's son to act as unleasher" (出典同上)。Guest ed., tr. (1849), p. 226, "mab alun dyuet. gellyngwr da yw hwnnw", p. 286, "son of Alun Dyved; he is well skilled in letting loose the dogs". 現代語に訂正するとgollyngwr: gollwng+gollyngwr「放つ者、解放者」.
  62. ^ Guest ed., tr. (1849), pp. 211, 267.
  63. ^ #38 "Bwlch, Cyfwlch, Syfwlch, and company to hunt" (出典同上)。三名はクレディフ・ディヴルッフ(Cleddyf Difwlch)の孫ら[62]
  64. ^ 最終#39(出典同上)。
  65. ^ Guest tr. (1877), p. 239, "Cledyf wrnach gawr. ny/ledir vyth namyn ac ef"; p. 291: "The sword of Gwrnach the Giant; he will never be slain except therewith".
  66. ^ Sheehan (2005), pp. 8–9, 13, 15.
  67. ^ Sims-Williams (2011), p. 141.
  68. ^ Guest ed., tr. (1849), p. 310.
  69. ^ Guest ed., tr. (1849), pp. 306–307.
  70. ^ Wilhelm, James J.; Gross, Laila Zamuelis, eds (1984). “The Tale of Culhwch and Olwen”. The Romance of Arthur. 1. New York: Garland. p. 97. ISBN 9780824090982. https://books.google.com/books?id=bvbzda8Plc4C&q=Ewyas 
  71. ^ Sheehan (2005), p. 15: "retains the glamour of the titan who could yet return", citing John Hines who "compares Twrch Trwyth to Arthur", at: Hines, John (2000). “Welsh and English: mutual origins in post-Roman Britain?”. Studia Celtica 34: 82–83. https://books.google.com/books?id=D1hiAAAAMAAJ&q=Trwyth. 
  72. ^ #15および付帯の#16, 17(出典同上)。
  73. ^ Pughe, w. Owen [in 英語] (1832). "twrch". A Dictionary of the Welsh language. Vol. 2 (2 ed.). Denbigh: Thomas Gee. p. 592.
  74. ^ Macalister ed., tr., LGE 1st Red. ¶ 317, LGE 2nd Red. ¶344, 3rd Red. ¶369)
  75. ^ Bromwich & Evans (1992), p. 131.
  76. ^ Rhys (1901), pp. 520–522; cf. Sims-Williams (2011), pp. 39–41
  77. ^ Bromwich & Evans (1992), pp. lxix–lxx apud Sims-Williams (2011), p. 41 and n71
  78. ^ Bromwich & Evans (1992), p. lxvi
  79. ^ Bromwich & Evans (1992), pp. lxv, 131; Sims-Williams (2011), pp. 40–41も参照。
  80. ^ Foster, Idris Llewelyn (1959) "Arthurian Literature in the middle ages", cited by Roberts (1962), p. 94
  81. ^ Péron, Goulven (October 2009). “Un géant nommé Spézet”. Cahiers du Centre généalogique et historique du Poher (26): 48–52. 
  82. ^ Roberts (1962), p. 93.
参照文献
(編本・訳本)
(Texts of the Mirabilia of Historia Brittonum)
(研究書)

関連記事[編集]

外部リンク[編集]