テイラー・スコット

テイラー・スコット
Tayler Scott
ヒューストン・アストロズ #50
シアトル・マリナーズ時代
(2019年6月8日)
基本情報
国籍 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
出身地 ハウテン州ヨハネスブルグ
生年月日 (1992-06-01) 1992年6月1日(31歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
185 lb =約83.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト5巡目
初出場 MLB / 2019年6月8日
NPB / 2020年6月20日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

テイラー・ジェームズ・スコットTayler James Scott, 1992年6月1日 - )は、 南アフリカ共和国ハウテン州ヨハネスブルグ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBヒューストン・アストロズ所属。

メジャーリーグベースボール(MLB)初のアフリカ大陸出身の投手、日本野球機構(NPB)初のアフリカ大陸出身選手[1]

経歴[編集]

プロ入りとカブス傘下時代[編集]

南アフリカ共和国のヨハネスブルグで生まれ育ったが[1]、アメリカ合衆国の高校へ野球留学した[2]ため、ドラフト対象選手となり、2011年MLBドラフト5巡目(全体159位)でシカゴ・カブスから指名され、8月15日に契約を結びプロ入り[3]。契約後、8月25日に傘下のルーキー級アリゾナリーグ・カブスに配属され[3]、プロデビューし、2試合に登板した[3]

2012年はA-級ボイシ・ホークスでプレーし、15試合に先発登板して5勝1敗、防御率2.52、43奪三振を記録した。

2013年はA級ケーンカウンティ・クーガーズでプレーし、24試合に先発登板して6勝8敗、防御率4.22、67奪三振を記録した。

2014年はA+級デイトナ・カブスでプレーし、26試合に先発登板して8勝8敗、防御率4.34、79奪三振を記録した。

2015年はA+級マートルビーチ・ペリカンズ[注 1]とAA級テネシー・スモーキーズでプレーし、2球団合計で26試合(先発1試合)に登板して6勝3敗3セーブ、防御率4.17、48奪三振を記録した。

2016年3月30日に自由契約となった[3]

独立リーグ時代[編集]

2016年4月21日に独立リーグであるアメリカン・アソシエーションスーシティ・エクスプローラーズと契約した[4]。同球団では17試合に登板して1勝0敗、防御率1.88、32奪三振を記録した。

ブルワーズ傘下時代[編集]

2016年7月5日にミルウォーキー・ブルワーズとマイナー契約を結んだ[5]。移籍後は傘下のAA級ビロクシ・シャッカーズでプレーし、24試合に登板して3勝2敗1セーブ、防御率4.39、21奪三振を記録した。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、ソルトリバー・ラフターズ英語版に所属した。

2017年もAA級ビロクシでプレーした。

レンジャーズ傘下時代[編集]

2017年7月31日にジェレミー・ジェフレスとのトレードで、テキサス・レンジャーズへ移籍した[6]。移籍後は傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスでプレーし、移籍前を含めた2球団合計で54試合に登板して4勝7敗3セーブ、防御率3.25、76奪三振を記録した。

2018年はAAA級ラウンドロックでプレーし、44試合に登板して5勝5敗1セーブ、防御率3.26、52奪三振を記録した。オフの11月2日にFAとなった[3]

マリナーズ時代[編集]

2019年1月24日にシアトル・マリナーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[3]。開幕は傘下のAAA級タコマ・レイニアーズで迎え、6月7日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[7]。6月8日のロサンゼルス・エンゼルス戦でメジャーデビューを果たし、ギフト・ンゴエペに次ぐ2人目(投手として初)のアフリカ大陸出身のMLB選手となった[1]

オリオールズ時代[編集]

2019年6月25日にウェイバー公示を経てボルチモア・オリオールズへ移籍した[8]。レギュラーシーズン終了後の10月30日にマイナー契約で傘下のAAA級ノーフォーク・タイズへ配属された[9]

広島時代[編集]

2019年12月1日にNPB広島東洋カープと契約合意した[10]。NPB初のアフリカ大陸出身の野球選手となる[1]。契約当初から守護神としての起用が見込まれていた。

2020年6月20日の横浜DeNAベイスターズ戦にてNPB初登板を果たし、1回1失点の内容(点差が開いており勝敗は付かず)。翌6月21日の同カードにも登板したが、打ち込まれた末に宮崎敏郎にサヨナラ打を打たれ救援に失敗、これによりルーキー森下暢仁のプロ初登板初先発初勝利を消滅させた。7月2日の東京ヤクルトスワローズ戦で再度登板したが村上宗隆にサヨナラ満塁弾を打たれまたも救援失敗。7月18日のヤクルト戦でも1回3失点と打ち込まれ、防御率が22.50まで膨れ上がり、7月20日に登録を抹消された[11]。再昇格後は先発にも挑戦したが(10月1日の巨人戦)、4回4失点と敗戦投手となった[12]。オフの11月26日、前年の半分以下となる年俸20万ドル(推定)で2021年の契約を更新した[13]

2021年は、3月10日の阪神タイガースとのオープン戦でルーキーの佐藤輝明に2点本塁打を打たれるなど1回5失点と振るわず[14]、開幕は二軍で迎えることになった。二軍では7試合に登板して2勝1敗、防御率1.96を記録していたが[15]、6月30日の阪神タイガース戦を最後にコンディション不良のためリハビリを続けていた[16]。同年中の復帰が難しくなったため[15]、一軍登板のないまま9月20日に帰国[17]。11月1日に退団することが決まった[18]。オフの12月2日に自由契約公示された[19]

パドレス時代[編集]

2022年3月7日にサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結んだ[20]。7月3日メジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし、5日のシアトル・マリナーズ戦で3年ぶりのメジャー登板を果たした。9月11日にDFAとなった[3]

フィリーズ傘下時代[編集]

2022年9月14日にウェイバー公示を経てフィラデルフィア・フィリーズに移籍した[3]。オフの12月23日にFAとなった[3]

ドジャース時代[編集]

2023年1月3日にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだ。開幕はAAA級オクラホマシティ・ドジャースで迎え、16試合に登板して1勝0敗、防御率1.08と好成績を残し、5月22日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[21]。6月17日にブライアン・ハドソン英語版のメジャー昇格に伴い、DFAとなった[22]

レッドソックス時代[編集]

2023年6月22日にボストン・レッドソックスへ金銭トレードで移籍した[23]。4試合に登板したが、7月16日にDFAとなった[3]

アスレチックス時代[編集]

2023年7月19日にウェイバー公示を経てオークランド・アスレチックスに移籍した[3]。移籍後は8試合に登板し、防御率3.38を記録した。オフの11月6日に40人枠から外され、同日中にFAとなった[3]

アストロズ時代[編集]

2023年12月20日にヒューストン・アストロズとマイナー契約を結んだ[24]2024年3月28日に開幕ロースターに選出された[25]

投球データ[編集]

2019年の投球データ[注 2]
球種 配分
%
平均球速
mph (km/h)
水平運動
in
鉛直運動
in
シンカー 50 95 (152) -10 4
スライダー 43 89 (144) 2 -0
フォーシーム 7 95 (153) -7 7

公式戦中の速球の最速球速は、2019年8月に記録した97.1mph(156km/h)[26]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2019 SEA 5 2 0 0 0 0 0 0 0 ---- 41 7.2 11 1 6 0 2 7 0 0 10 8 9.39 2.22
BAL 8 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 52 8.2 20 5 5 0 2 7 2 0 18 18 18.69 2.88
'19計 13 2 0 0 0 0 0 0 0 ---- 93 16.1 31 6 11 0 4 14 2 0 28 26 14.33 2.57
2020 広島 7 1 0 0 0 0 3 0 0 .000 49 8.0 17 1 8 1 1 7 0 0 14 14 15.75 3.13
2022 SD 8 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 59 12.0 19 1 6 0 0 13 0 0 10 9 6.75 2.08
MLB:2年 21 2 0 0 0 0 1 0 0 .000 152 28.1 50 7 17 0 4 27 2 0 38 35 11.12 2.37
NPB:1年 7 1 0 0 0 0 3 0 0 .000 49 8.0 17 1 8 1 1 7 0 0 14 14 15.75 3.13
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手(P)












2019 SEA 5 1 0 1 0 .500
BAL 8 2 2 0 1 1.000
'19計 13 3 2 1 1 .833
2020 広島 7 0 4 0 0 1.000
2022 SD 8 0 1 0 0 1.000
MLB 21 3 3 1 1 .857
NPB 7 0 4 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時

記録[編集]

NPB[編集]

初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2020年10月1日、対読売ジャイアンツ18回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、3回裏にエンジェル・サンチェスから投前犠打

背番号[編集]

  • 61(2019年 - 同年6月24日、2023年)
  • 63(2019年7月13日 - 同年終了)
  • 70(2020年 - 2021年)
  • 62(2022年)
  • 50(2024年 - )

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2015年よりカブス傘下
  2. ^ RS: 2オープナー・11救援・16.1回。Brooksbaseball.netに基づく[26]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 阿佐智 (2019年12月6日). “NPB初、「アフリカ人選手」誕生。「野球不毛の地」、アフリカと野球の浅からぬ縁”. Yahoo. 2023年6月24日閲覧。
  2. ^ Scott becomes MLB's 1st South African pitcher”. MLB.com (2019年6月9日). 2021年9月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l MLB公式プロフィール参照。2023年12月31日閲覧。
  4. ^ 2016 Transactions”. American Association of Professional Baseball. 2021年9月19日閲覧。
  5. ^ Sioux City Explorers Tayler Scott Headed to Brewers” (英語). Our Sports Central.com (2016年7月5日). 2019年4月25日閲覧。
  6. ^ Adam McCalvy (2017年7月31日). “Crew re-acquires Jeffress from Texas” (英語). MLB.com. 2019年4月25日閲覧。
  7. ^ Greg Johns (2019年6月7日). “Haniger to injured list after fouling ball off himself” (英語). MLB.com. 2019年6月8日閲覧。
  8. ^ Steve Adams (2019年6月25日). “Orioles Claim Tayler Scott, Designate Sean Gilmartin” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年6月26日閲覧。
  9. ^ Joe Trezza (2019年10月30日). “INF Valaika claimed as O's start roster shuffle” (英語). MLB.com. 2019年11月2日閲覧。
  10. ^ テイラー・スコット選手、選手契約合意!”. 広島東洋カープ公式サイト (2019年12月1日). 2019年12月6日閲覧。
  11. ^ 広島 新助っ人スコットの登録を再び抹消 1軍復帰も1回3失点、防御率は22・50に”. スポーツニッポン. Sponichi Annex (2020年7月20日). 2020年9月1日閲覧。
  12. ^ 広島 元守護神スコット、来日初先発も4回4失点降板 防御率は試合前の22・50から15・75に”. スポーツニッポン (2020年10月1日). 2021年9月19日閲覧。
  13. ^ 広島が救援左腕バードの獲得を発表 ジョンソンとピレラは退団、スコットは1年契約で残留”. サンスポ (2020年11月26日). 2024年1月3日閲覧。
  14. ^ 広島スコット佐藤輝に被弾5失点、夫人出産前に炎上”. 日刊スポーツ (2021年3月10日). 2021年9月19日閲覧。
  15. ^ a b 【広島】スコットが帰国へ…今季中の復帰困難 来日2年目コンディション不良で1軍登板なし”. スポーツ報知 (2021年9月18日). 2021年9月19日閲覧。
  16. ^ 広島スコットが離日 今季1軍登板なし、コンディション不良理由に実戦離れ”. 日刊スポーツ (2021年9月18日). 2021年9月19日閲覧。
  17. ^ 広島・スコットが帰国へ 今季は1軍登板なし 昨季は開幕守護神も結果残せず”. デイリースポーツ (2021年9月18日). 2021年9月19日閲覧。
  18. ^ 広島クロンら外国人3選手が今季限り退団 フランスア&コルニエル契約更新”. 日刊スポーツ (2021年11月2日). 2021年11月2日閲覧。
  19. ^ 2021年度 自由契約選手 公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2021年8月10日). 2022年3月13日閲覧。
  20. ^ パドレスが7人目のNPB出身者を獲得 元オリ右腕&元広島右腕とマイナー契約”. Full-Count (2022年3月10日). 2022年7月5日閲覧。
  21. ^ Dodgers recall Gavin Stone, select Tayler Scott”. MLB.com (2023年5月23日). 2023年5月24日閲覧。
  22. ^ DODGERS SELECT BRYAN HUDSON” (英語). MLB.com (2023年6月17日). 2023年6月23日閲覧。
  23. ^ Red Sox acquire right-handed pitcher Tayler Scott from Los Angeles Dodgers” (英語). MLB.com (2023年6月22日). 2023年6月23日閲覧。
  24. ^ Astros' Tayler Scott: Inks MiLB pact with Houston”. CBSSports.com (2023年12月20日). 2023年12月31日閲覧。
  25. ^ Astros' Tayler Scott: Joins big-league roster” (英語). CBSSports.com (2024年3月28日). 2024年4月2日閲覧。
  26. ^ a b BrooksBaseball.net Player Card: Taylor Scott”. www.brooksbaseball.net. 2020年6月21日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]