ティレル・DG016

ティレル・DG016
カテゴリー F1
コンストラクター ティレル
デザイナー モーリス・フィリップ英語版
ブライアン・リスルズ
先代 ティレル・015
後継 ティレル・017
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバー モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
エンジン コスワース DFZ, 3,494 cc (213.2 cu in), 90度 V8, NA, ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ティレル / ヒューランド製 5速 MT
燃料 エルフ
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム データゼネラル チーム・ティレル
ドライバー 3. イギリスの旗 ジョナサン・パーマー
4. フランスの旗 フィリップ・ストレイフ
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1987年ブラジルグランプリ
出走優勝ポールFラップ
16000
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ティレル・DG016 (Tyrrell DG016) は、ティレル1987年のF1世界選手権参戦用に開発したF1マシン。設計はブライアン・ライルスモーリス・フィリップ英語版。最高成績は4位。

概要[編集]

1987年シーズンに自然吸気 (NA)エンジンを使用した5つのチームのうちのひとつであるティレルが開発したマシン。エンジンは前年のルノー・EF15ターボから、コスワース・DFZにスイッチした。メインスポンサーは前年から引き続きデータゼネラルと、アメリカの炭素繊維素材を扱う大手企業・コートールズ英語版を迎えた。

ティレルのそれまでの車両名は3桁の数字のみであったが[注釈 1]、このモデルではスポンサーのデータゼネラル(Data General)の頭文字[2]"DG"が付与された。

開発[編集]

設計はメインスポンサーであるデータゼネラルのコンピュータをフル活用して行われた。当時のデータゼネラルの広告では「このF1マシンがサーキットを1周する時間で、このコンピュータはF1マシンの設計を完了してしまいます」とのキャッチコピーが付けられていた。

コクピットはウィリアムズ・FW11風の丸みのあるノーズスタイルとなり、素材はカーボン/ケブラーのハニカムコンポジットが用いられた。012以降015まで続いた段差のあるコクピット前の造形は姿を消した[3]。オーナー監督であるケン・ティレルは標準をターボ完全禁止となる1989年へと合わせており、この年創設された自然吸気部門のタイトル獲得を目標とした。

1987年シーズン[編集]

DG016には目だった速さこそ無かったものの、マシントラブルの発生は少なかった。ジョナサン・パーマーフィリップ・ストレイフは堅実に完走を重ね、第8戦西ドイツGPではストレイフ4位、パーマー5位とターボ有利の高速コースながらダブル入賞を果たす。パーマーは最終戦オーストラリアGPでも4位に入るなど、DG016は計11ポイントを獲得。ティレルとしては久しぶりに成功と言えるシーズンとなり、チームランキング6位に輝いた。

1987年シーズンには、ターボ勢と自然吸気勢の性能差があまりに大きい(NA勢の600馬力弱に対し、ターボエンジンは軒並み1000馬力近いパワーだった)ために自然吸気限定のチャンピオンシップ、「コーリン・チャップマントロフィー」(コンストラクター部門)、「ジム・クラークトロフィー」(ドライバー部門)がFIAにより設けられ、ティレルは自然吸気勢のライバルであるマーチラルース・カルメルAGSらを下し、その両タイトルを獲得。ドライバー部門はパーマーが制した。


タイヤ No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント ランキング
1987 DG016 G BRA
ブラジルの旗
SMR
サンマリノの旗
BEL
ベルギーの旗
MON
モナコの旗
USA
アメリカ合衆国の旗
FRA
フランスの旗
GBR
イギリスの旗
GER
ドイツの旗
HUN
ハンガリーの旗
AUT
オーストリアの旗
ITA
イタリアの旗
POR
ポルトガルの旗
ESP
スペインの旗
MEX
メキシコの旗
JPN
日本の旗
AUS
オーストラリアの旗
11 6位
3 イギリスの旗 パーマー 10 Ret Ret 5 11 7 8 5 7 14 14 10 Ret 7 8 4
4 フランスの旗 ストレイフ 11 8 9 Ret Ret 6 Ret 4 9 12 12 12 7 8 12 Ret

スペック[編集]

シャーシ[編集]

エンジン[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 例外にP34がある

出典[編集]

  1. ^ STATS F1 - Tyrrell DG016”. Statsf1.com. 2010年8月23日閲覧。
  2. ^ Maurice Hamilton, ed (1987) (英語). Autocourse 1987-88. Hazleton Publishing. pp. p.58. ISBN 0-905138-47-3 
  3. ^ Team & Driver ティレル・フォード FUJI TVオフィシャルF1ハンドブック 58-59頁 フジテレビ出版/扶桑社 1987年7月6日発行