ティム・コリンズ (野球)

ティム・コリンズ
Tim Collins
コロラド・ロッキーズ (マイナー)
ワシントン・ナショナルズ時代
(2018年7月3日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 マサチューセッツ州ウースター
生年月日 (1989-08-21) 1989年8月21日(34歳)
身長
体重
5' 7" =約170.2 cm
170 lb =約77.1 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2007年 アマチュアFA
初出場 2011年3月31日 ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム
年俸 $1,475,000(2016年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2013年

ティモシー・"ティム"・コリンズTimothy "Tim" Collins, 1989年8月21日 - )は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウースター出身のプロ野球選手投手)。左投左打。MLBコロラド・ロッキーズ傘下所属。

身長は公称5フィート7インチ(約170.2cm)で、2012年のメジャーリーグで最も背が低い投手であった[2]。実際の身長は5フィート5インチ(約165.1cm)程度だとも言われている[3]

2014年現在、メジャーリーグでヒューストン・アストロズホセ・アルトゥーベに次ぐ2番目に身長が低い選手である。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

ウースター・テクニカル高等学校英語版時代の最終学年には1試合平均16個の奪三振を記録し、地区大会の決勝ではノーヒット・ノーランも達成したが、低身長が嫌われ[4]2007年MLBドラフトではどの球団からも指名されなかった。

プロ入りとブルージェイズ傘下時代[編集]

高校卒業後はNCAAディビジョンⅠの大学からも声が掛からず、コミュニティカレッジ・オブ・ロードアイランド英語版へ進学することが決まったが、同年夏、トロント・ブルージェイズJ・P・リッチアーディGM(当時)が他の選手の視察に訪れていた試合で4イニングを投げたコリンズは、打者12人を全て三振に打ち取る快投を見せた。これがリッチアーディの目に留まり、コリンズはアマチュア・フリーエージェントとして念願のプロ入りを果たした。契約金は僅か1万ドルであった[5]。プロ入り後は全てリリーフとして登板している。

A級ランシング時代のコリンズ(2008年)

2008年はA級ランシング・ラグナッツで39試合に登板して防御率1.58を記録した。

2009年はA+級ダニーデン・ブルージェイズで40試合に登板して防御率2.37という成績を残し、シーズン終盤には19歳でのAA級昇格を果たした。

2010年はAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツ防御率2.51、奪三振率は驚異の15.28を記録した。

ブレーブス傘下時代[編集]

2010年7月14日にユネル・エスコバージョジョ・レイエスとのトレードで、アレックス・ゴンザレスタイラー・パストルニッキーと共にアトランタ・ブレーブスへ移籍した[6]。AA級ミシシッピ・ブレーブスで6試合に登板した。

ロイヤルズ時代[編集]

2010年7月31日にリック・アンキールカイル・ファーンズワースとの交換要員の1人としてカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した[7]。ロイヤルズ移籍後はAAA級オマハ・ロイヤルズで15試合に登板し、防御率1.33という成績を残した。

2011年は開幕ロースターに入り、開幕戦のロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム戦でメジャー初登板。貴重な左の中継ぎとしてフル回転し、ルーキーながら68試合に登板した。

カンザスシティ・ロイヤルズ時代
(2012年5月27日)

2012年は72試合に登板。前年よりも四球率が低下し、奪三振率は12を超えた。

2013年開幕前の2月27日に第3回WBCアメリカ合衆国代表に選出されたことが発表され[8]、代表入りしている[9]。シーズンでは66試合に登板して3勝6敗、防御率3.54、52奪三振を記録した。

2014年1月16日にロイヤルズと1年契約を結んだ[10]。4月7日に左肘の故障で15日間の故障者リスト入りした。

2015年5月11日にトミー・ジョン手術を受け、1試合も登板することなくシーズンを終了した[11]。オフに147万5000ドルの1年契約を結んだ[12]

2016年もメジャー・マイナーともに投げる機会はなかった。オフの11月18日にFAとなった[13]

ナショナルズ時代[編集]

2016年12月13日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結び、2017年スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[14]

2017年はマイナーで3年ぶりに公式戦登板を果たした。傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ナショナルズ、A+級ポトマック・ナショナルズ、AA級ハリスバーグ・セネターズでプレーし、3球団合計で18試合(先発2試合)に登板して1勝2敗、防御率7.79、23奪三振を記録した。オフの11月6日にFAとなったが、12月29日にマイナー契約で再契約した。

2018年は開幕をAAA級シラキュース・チーフスで迎え、5月21日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[15]。7月4日にDFAとなり[16]、同日中にマイナー契約でAAA級シラキュースへ配属された[13]。8月14日に再びメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[17]。この年は38試合に登板して防御率4.37、21奪三振を記録した。オフの10月29日にFAとなった[13]

カブス時代[編集]

2019年2月6日にミネソタ・ツインズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[18]が、3月24日にシカゴ・カブスとメジャー契約を結んだ[19]。6月20日にDFAとなり、22日にマイナー契約で傘下のAAA級アイオワ・カブスへ配属された。7月23日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[20]。7月26日にDFAとなり[21]、27日にマイナー契約でAAA級アイオワへ配属された。7月30日にFAとなった[13]

レッズ傘下時代[編集]

2019年8月4日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、傘下のAAA級ルイビル・バッツへ配属された。11月4日にFAとなった [13]

ロッキーズ傘下時代[編集]

2020年1月9日にコロラド・ロッキーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[13]

投球スタイル[編集]

非常に小柄な体格ながら、変則的なオーバースローから常時92~94mph(約148~151km/h)、最速97mph(約156km/h)のフォーシームと切れ味鋭いカーブパームボールの握りでチェンジアップなどを繰り出し、三振の山を築く[22][5][23]。マイナーでの奪三振率は13.3という高い数値を残している。マイナー時代はコントロールも良いとされていたが、メジャー昇格後は与四球率が上昇している。

投球スタイルが似ていることから、フィラデルフィア・フィリーズなどでクローザーとして活躍したミッチ・ウィリアムズと比較する声もある[5]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2011 KC 68 0 0 0 0 4 4 0 11 .500 295 67.0 52 5 48 2 2 60 3 0 28 27 3.63 1.49
2012 72 0 0 0 0 5 4 0 11 .556 295 69.2 55 8 34 8 2 93 3 0 29 26 3.36 1.28
2013 66 0 0 0 0 3 6 0 21 .333 233 53.1 49 3 28 1 0 52 0 0 26 21 3.54 1.44
2014 22 0 0 0 0 0 3 0 1 .000 90 21.0 18 2 11 0 2 15 1 0 9 9 3.86 1.38
2018 WSH 38 0 0 0 0 0 0 0 4 ---- 99 22.2 23 5 12 0 0 21 1 0 11 11 4.37 1.54
2019 CHC 9 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 38 8.2 9 1 3 0 0 4 0 0 3 3 3.12 1.38
MLB:6年 275 0 0 0 0 12 17 0 48 .414 1050 242.1 206 24 136 11 6 245 8 0 106 97 3.60 1.41
  • 2019年度シーズン終了時

背番号[編集]

  • 55(2011年 - 2014年、2018年)
  • 37(2019年)

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Tim Collins Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2016年11月24日閲覧。
  2. ^ 身長5フィート7インチ以下の投手は、過去50年でコリンズが10人目である
  3. ^ Hill, Will(2009-08-19). Jays prospect Collins a surprising strikeout machine. TSN.ca(英語). 2011年6月8日閲覧
  4. ^ Jarvey, Paul(2007-06-11). Standing tall. telegram.com(英語). 2011年6月8日閲覧
  5. ^ a b c For a 5-Foot-7 Royals Pitcher, a Bar Raised Low. New York Times(英語). 2011年6月8日閲覧
  6. ^ "Braves and Blue Jays announce five-player trade" (Press release) (英語). MLB.com (Atlanta Braves). 14 July 2010. 2014年1月17日閲覧
  7. ^ "Royals acquire pitchers Collins and Chavez and outfielder Blanco from Braves" (Press release) (英語). MLB.com (Kansas City Royals). 31 July 2010. 2014年1月17日閲覧
  8. ^ Team USA final roster for WBC announced Archived 2016年3月5日, at the Wayback Machine. USABaseball.com (2013年2月22日) 2015年3月27日閲覧
  9. ^ 2013 Tournament Roster” (英語). The official site of World Baseball Classic. 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月25日閲覧。
  10. ^ "Royals agree to terms with Tim Collins on one-year contract for 2014" (Press release) (英語). MLB.com (Kansas City Royals). 16 January 2014. 2016年11月24日閲覧
  11. ^ After second opinion, Collins has Tommy John surgery”. MLB.com. 2015年12月5日閲覧。
  12. ^ Royals agree to one-year $1.475 million contract with reliever Tim Collins”. MLB.com. 2015年12月5日閲覧。
  13. ^ a b c d e f MLB公式プロフィール参照。2020年3月10日閲覧。
  14. ^ Jamal Collier (2016年12月13日). “Burriss among 4 to get spring invite from Nats”. MLB.com. http://m.nationals.mlb.com/news/article/211082078/nationals-sign-4-with-spring-training-invites/ 2017年2月1日閲覧。 
  15. ^ Jamal Collier (2018年5月21日). “Collins returns to Majors for first time since '14” (英語). MLB.com. https://www.mlb.com/news/tim-collins-called-up-in-place-of-ryan-madson/c-277704334 2018年5月22日閲覧。 
  16. ^ Jamal Collier (2018年7月4日). “Adams off DL, to platoon with Reynolds at 1B” (英語). MLB.com. 2018年7月5日閲覧。
  17. ^ Jamal Collier (2018年8月14日). “Madson placed on DL; Solis optioned to Triple-A” (英語). MLB.com. https://www.mlb.com/news/ryan-madson-placed-on-disabled-list/c-290321548 2018年8月16日閲覧。 
  18. ^ Steve Adams (2019年2月6日). “Twins Sign Tim Collins, Justin Nicolino To Minor League Deals” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年3月18日閲覧。
  19. ^ Jordan Bastian (2019年3月24日). “Cubs add lefty Collins, designate Duensing” (英語). MLB.com. https://www.mlb.com/news/cubs-add-tim-collins-cut-brian-duensing 2019年4月11日閲覧。 
  20. ^ Chris Haft (2019年7月23日). “Cubs bolster bullpen with lefty Collins” (英語). MLB.com. 2019年7月24日閲覧。
  21. ^ Jordan Bastian (2019年7月26日). “Cubs acquire lefty Holland for bullpen matchups” (英語). MLB.com. 2019年7月27日閲覧。
  22. ^ Pitch Type”. Fangraphs.com. 2016年5月17日閲覧。
  23. ^ Jeff Passan(2011年4月7日). Collins brings new meaning to short relief. sports.yahoo.com(英語). 2011年6月19日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]