ジャック=アンドレ・ボワファール

ジャック=アンドレ・ボワファール(Jacques-André Boiffard、1902年-1961年)は、フランスのシュルレアリスム系統の写真家。「ジャック=アンドレ・ボワッファール」と表記されることもある。

来歴[編集]

パリ郊外のエベルノンに生まれた。彼は、当初医学を学んでいたが、アンドレ・ブルトンに出会い、シュルレアリスム運動に向かう。『シュルレアリスム宣言』にも署名。その後、1924年から1920年代末にかけて、マン・レイのアシスタントをする。

シュルレアリスム関係の雑誌やアンドレ・ブルトンの「ナジャ」(1928年刊行)に写真作品が掲載される。彼の写真は、視点やスケールを操作し、明るく照らされた被写体を、暗い背景と対比させる作品に特徴があった[1]。また、彼は映画も製作した。

1930年には、パリエリ・ロタールと写真スタジオ(スタジオ・ユニ)を設立し、ロタールの写真にも影響を与える。1930年代後半には写真を離れ、医学の途に戻り、のちに放射線技師となった。

1961年にパリで死去した。

日本での展覧会および出品作品[編集]

  • 「写真のエコール・ド・パリ」展(目黒区美術館、三重県立美術館、北海道立近代美術館、河口湖美術館、静岡県立美術館、ひろしま美術館、1991年~1992年)
    • 出品作品
      • No.33: title unknown、題名不詳、modern print by P. Gassmann, 22.7x18.3
      • No.34: title unknown、題名不詳、modern print by P. Gassmann, 28.5x22.0
      • No.35: title unknown、題名不詳、modern print by P. Gassmann, 28.7x24.1
      • No.36: title unknown (Illustration pour la revue Documents dirigée par Georges Bataille)、題名不詳(ジョルジュ・バタイユ監修の雑誌『ドキュマン』のための写真)、modern print by P. Gassmann, 28.4x21.7
      • No.37: title unknown (Illustration pour la revue Documents dirigée par Georges Bataille)、題名不詳(ジョルジュ・バタイユ監修の雑誌『ドキュマン』のための写真)、modern print by P. Gassmann, 28.2x21.9
      • No.38: title unknown (Illustration pour la revue Documents dirigée par Georges Bataille)、題名不詳(ジョルジュ・バタイユ監修の雑誌『ドキュマン』のための写真)、modern print by P. Gassmann, 28.3x22.2
      • No.39: title unknown (Illustration pour la revue Documents dirigée par Georges Bataille)、題名不詳(ジョルジュ・バタイユ監修の雑誌『ドキュマン』のための写真)、modern print by P. Gassmann, 28.4x27.1
      • No.40: Alberto Giacometti、アルベルト・ジャコメッティ、modern print by P. Gassmann, 21.3x28.2
      • No.41: title unknown、題名不詳、modern print by P. Gassmann, 21.9x28.2
      • No.42: title unknown、題名不詳、modern print by P. Gassmann, 22.7x18.7
  • 横浜美術館コレクション展 第3期(2004年11月24日(水)~2005年3月23日(水))
    • 写真展示室「シュルレアリスムと写真 実験的な技法と表現(Surrealism and Photography: Innovative Technique and Expression)」のタイトルのもと7点が出品
    • [2]
    • [3]
    • 出品作品
      • アルベルト・ジャコメッティ、撮影年不詳(後年のプリント)、ゼラチン・シルバー・プリント
  • 「シュルレアリスムと写真 痙攣する美」展(東京都写真美術館、2008年)
    • 出品作品
      • No.52、無題、Sans titre、1926-28年、ゼラチン・シルヴァー・プリント、横浜美術館蔵
      • No.53、無題、Sans titre、1928年、ゼラチン・シルヴァー・プリント、横浜美術館蔵
      • No.54、無題、Sans titre、1926-28年、ゼラチン・シルヴァー・プリント、横浜美術館蔵
      • No.247、無題、Sans titre、1929年、ゼラチン・シルヴァー・プリント、横浜美術館蔵
      • No.249、無題、Sans titre、1930年、ゼラチン・シルヴァー・プリント、横浜美術館蔵
      • No.250、無題、Sans titre、1930年、ゼラチン・シルヴァー・プリント、横浜美術館蔵
  • 「シュルレアリスム」展(国立新美術館、2011年)
    • 出品作品
      • No.72、折れ曲がったスポーク、1932-1933年頃、ゼラチン・シルバー・プリント、22.6x18.4cm、Les Rayons brisés, Vers 1932-1933, Épreuve gélatin-argentique
        • タイトルの通り、10本の足を伸ばしている自転車タイヤの(?)スポークの10本の足の先がことごとくひん曲がっている
      • No.73、無題、1932-1933年頃、フォトグラム、ゼラチン・シルバー・プリント、29.9x23.9cm、Sans titre, Vers 1932-1933, Photogramme, Épreuve gélatin-argentique
        • 抽象的なフォトグラム
      • No.105、無題、1932-1933年頃、ゼラチン・シルバー・プリント、15.2x19.8cm、Sans titre, Vers 1932-1933, Épreuve gélatin-argentique
        • 筒の短いピストルの前半分(引き金も見える)のアップと注射器用(?)のモルヒネ(アルファベットで「Morphine」と書いた文字が見える)のアンプル(バイアルではない)数本
      • No.106、無題、1932-1933年頃、ゼラチン・シルバー・プリント、27.0x21.0cm、Sans titre, Vers 1932-1933, Épreuve gélatin-argentique
        • 女性の胸より上のヌードの前に、白い紐か細い針金で蜘蛛の巣状のものを配置し、上から光をあてて女性の首から胸の上に、蜘蛛の巣のような影を落としている

資料[編集]

  • 上記「写真のエコール・ド・パリ」展および「シュルレアリスム」展の展覧会カタログ
  • The Oxford Companion to the Photograph, edited by Robin Lenman, Oxford University Press, 2005

脚注[編集]

  1. ^ A Surrealist Fact”. ObjectPhoto. The Museum of Modern Art. 2016年6月10日閲覧。
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]

関連項目[編集]