ジップライン

ZIP-LINE

ジップライン(ZIP-LINE)とは、鉄骨の軌条、ワイヤーロープ、スチールケーブルなどをに吊り下がり自重で滑走するもの[1][2]。中国の怒江地域などでは移動手段として用いられている[1]。また、遊園地やアスレッチック施設で遊戯施設として設置される[2]Flying foxともいう[3]

移動手段[編集]

ロープを使用して人間が移動する様子は、紀元前250年の中国華南の毛筆の絵に見られる[4]。中国では、溜索(古代の名称では、[5])と呼ばれる。インドや中国などの険しい山岳部やサルウィン川など河を渡ったり物資を輸送する手段として何千年もの間使用された。[要出典]

中国の怒江地域ではリス族が竹や籐(これらを薄く加工した竹篾、竹籐篾)、スチールケーブルのジップラインを利用してきたが、に置き換わることが多くなり、技術や文化の継承が課題になっている[1]

遊戯施設[編集]

形式[編集]

遊戯施設としては遊園地やアスレッチック施設に設置され、鉄骨の軌条を滑走するものと、ワイヤーロープを滑走するものがある[2]

また、滑走する形式も、ベルトハーネスを乗客の体に固定して自重で滑走するようにしたものと、ターザンロープのように軌条やワイヤロープに綱(ロープ)を取り付けて自重で滑走するようにしたものがある[2]

一部は高所まで電動機で引き上げてから自重落下させる形式のものもある[2]。なお、滑走後、起点に座席を戻すために電動機を使用する施設もある[2]

安全基準[編集]

ヨーロッパ・イギリスにおける安全基準
  • EN1176 Playground equipment standard
  • EN1177 Impact attenuating playground surfacing - Methods of test for determination of impact attenuation
チャレンジコース技術協会、アメリカ規格協会
  • ANSI/ACCT 03-2019 Standards
Professional Ropes Course Association、アメリカ規格協会

事故[編集]

おもに落下と衝突事故が起きる。

1997-2012年でのアメリカでの事故件数は、推定16,850件起きており、11.7%の患者は入院を必要とした[6]

公式に数えられた事故数はないが、2006年から2017年までにアメリカにおいて12件以上の死亡事故が報告されている[7]

日本では、2023年11月岐阜県冒険の森ツリートップアドベンチャーで落下事故が発生した[8]

出典[編集]

  1. ^ a b c 王羽堅、諸錫斌、蘇琦恵「人と自然との対抗と共生:中国雲南省怒江リス族のジップラインに関する研究」 板橋区、2023年3月
  2. ^ a b c d e f 遊戯施設の構造基準に係る見直し検討 国土交通省、2020年4月
  3. ^ FLYING FOX - 意味, Cambridge 英語辞書での定義”. Cambridge Unibersity Press. 2024年3月25日閲覧。
  4. ^ Recent Developments in Cable-Drawn Urban Transport Systems”. mas.rs. 2015年11月17日閲覧。
  5. ^ ·曹学佺 《蜀中广记》
  6. ^ Zipline-related injuries treated in US EDs, 1997-2012. American Journal of Emergency Medicine. 2015 Dec;33(12):1745-9 doi:10.1016/j.ajem.2015.08.022. Epub 2015 Aug 15.
  7. ^ Borell, Brendan (2017年2月28日). “Just how dangerous are zip lines?”. Outside. 2017年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月24日閲覧。
  8. ^ ジップラインから落下、40代女性が負傷 岐阜のアスレチック施設”. 産経新聞. 2023年11月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]