ジジ抜き

ジジ抜きジジぬき爺抜き)は、複数人で遊ぶトランプゲームである。ババ抜きのバリエーションルールのひとつ。

遊び方[編集]

『遊びの大事典』で紹介されている「ジジ抜き」のルール[1]

  1. ジョーカーを除いたトランプ52枚を用意する。
  2. 52枚から、プレイヤー全員に内容が判らないように1枚を除く。
  3. 残った51枚をプレイヤーの手札として配る。以降のルールはババ抜きと同じ。

除かれたカードと同位のカードは3枚しかなく、1組が捨てられると残りの1枚は捨てられなくなる。この余った1枚が「ジジ」となり、これを最後まで持っていたプレイヤーが敗者となる。そのためババ抜きと違い、ある程度ゲームが進まなければどのカードが「ジジ」か分からないのがジジ抜きの特徴といえる。

また、ババ抜きの原型とも言える「Old Maid」では4枚のクイーンから1枚を除外した51枚でプレイするが、これを4枚のキングから1枚を除外して遊ぶ方法を「ジジ抜き」と呼ぶこともある[2]

1907年発行の『世界遊戯法大全』では「お爺抜き(英語: old bachelor)」として、このキング1枚を除外するルールが紹介されている[3]

ドイツでは4枚のジャックから1枚を抜いたバリエーションを「兵士抜き」「黒いピーター(ドイツ語: Schwarzer Peter)」と呼んでおり、「敗者の顔を黒く塗る」という罰則もあった[3]

ローカルルール[編集]

  • 続けてゲームを行う場合、第2ゲーム以降は前回のゲームで最初に上がった者が、最初に抜く1枚を選べる。
  • ジョーカーが2枚以上含まれるトランプを使用する場合に、最初に用意するトランプにジョーカーを偶数枚(例えば2枚)含めた状態にする。
  • ジョーカーも他のカードと同じ様に扱われ、2枚揃えば捨てる事ができる。

変形ジジ抜き[編集]

以下に「変形ジジ抜き」のルールを示す[3]

  1. ジョーカー1枚を加えたトランプ53枚を用意する。
  2. 53枚をプレイヤーに配る。
  3. ジョーカーは任意の1枚とペアにできる。
  4. ペアのカードを捨てるときは、カードを裏返しにして内容が判らないようにして捨てる。

どのカードが最後の1枚になるかは、ジョーカーを手札にしたプレイヤーの任意となる。

ジジババ抜き[編集]

以下に「ジジババ抜き」のルールを示す[4]

  1. ジョーカー1枚とトランプ52枚を用意する。
  2. 52枚から、プレイヤー全員に内容が判らないように1枚を除外する。
  3. 51枚にジョーカー1枚を加えて52枚とし、プレイヤーに配る。
  4. 以後のルールはババ抜きと同じだが、勝利条件が異なる。

最大の違いは、最後まで手札(ジョーカーまたは抜いた1枚に対応するカード)を持っていた者が勝ちという点にある。勝利条件となる札が2枚あるため、勝者は1人(手札2枚)のときもあれば、2人のときもある。

参考書籍[編集]

  • 日本レクリエーション協会監修『遊びの大事典』東京書籍、1989年。ISBN 4487731461 

出典[編集]

  1. ^ 遊びの大事典, p. [要ページ番号].
  2. ^ 上野千鶴子『ニュー・フェミニズム・レビュー』 第4巻、学陽書房、1992年、35頁。ISBN 978-4313840447 
  3. ^ a b c 藤井秀樹 (2014年10月30日). “ランプのジョーカー~どうして「ババ」と呼ぶように?”. 朝日新聞デジタル. 2018年4月16日閲覧。
  4. ^ 「遊びのタネ・ネタ」(机上編)” (PDF). 神奈川県立青少年センター. 2018年4月26日閲覧。

関連項目[編集]