シラビーム方言

シラビーム方言(しらびーむほうげん)とは日本語の方言のうち、モーラ(拍)の独立性が弱く、音節の長さを測る単位となる方言をいう。

概要[編集]

東北北部や九州南部では、促音・撥音・長音をアクセントの単位として独立して数えず、モーラ(拍)ではなく音節を単位とし、例えば「学校新聞」は「ガッ・コー・シン・ブン」と4つの単位に区切られる。

このような方言は柴田武により、シラブル(syllable)とフォニム(phoneme)からシラビーム方言と命名された。

一方で、モーラ方言に属する共通語では促音(ッ)・撥音(ン)・長音(ー)をアクセントの単位として独立して数え、モーラ(拍)を単位とし、例えば「学校新聞」は「ガ・ッ・コ・ー・シ・ン・ブ・ン」の8拍として捉えられる。

音節モーラ方言(拍)、シラビーム方言(音節音素)比較の例
単語 音節区切り

(音声学上の単位)

モーラ(拍)方言での区切り

(いわゆる東京弁。現代の俳句短歌での「七五調五七調」の数え方)

シラビーム(音節音素)方言での区切り

東北方言などに見られる)

さる(猿) サ|ル サ|ル サ|ル
かっぱ(河童) カッ|パ カ|ッ|パ カッ|パ
チョコレート チョ|コ|レー|ト チョ|コ|レ|ー|ト チョ|コ|レー|ト
がっこうしんぶん(学校新聞) ガッ|コー|シン|ブン ガ|ッ|コ|ー|シ|ン|ブ|ン ガッ|コー|シン|ブン
がっきゅうしんぶん(学級新聞) ガッ|キュー|シン|ブン ガ|ッ|キュ|シ|ン|ブ|ン ガッ|キュー|シン|ブン
かんそく(観測) カン|ソ|ク カ|ン|ソ|ク カン|ソ|ク
かあさん(母さん) カー|サン カ|ー|サ|ン カー|サン
にいさん(兄さん) ニー|サン ニ|ー|サ|ン ニー|サン

シラビーム方言の例[編集]