シボレー・トレイルブレイザー

トレイルブレイザーTrailBlazerTrailblazer )は、GMが製造、シボレーブランドで販売しているスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)である。

ブレイザートリムライン(1999年)[編集]

1999–2001 シボレー・ブレイザー トレイルブレイザー

トレイルブレイザーの名前は、コンパクトSUVシボレー・S-10ブレイザーの高級限定車として1999年に登場した。

初代(2001年–2008年)[編集]

シボレー・トレイルブレイザー(初代)
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ロシアの旗 ロシア
ベネズエラの旗 ベネズエラ
販売期間 2001年 - 2008年(生産終了)
デザイン ビル・デイビス
ボディ
プラットフォーム GMT360
パワートレイン
エンジン 4.2L LL8 I6
5.3L LM4 V8
5.3L LH6 V8
6.0L LS2 V8
車両寸法
ホイールベース スタンダード:2,870 mm
EXT:3,277 mm
全長 スタンダード:4,872 mm
EXT:5,278 mm
全幅 1,897 mm
全高 スタンダード:1,892 mm(2002–2003); 1,842 mm(2004–2009)
EXT:1,958 mm; 1,918 mm
系譜
後継 シボレー・トラバース(北米)
テンプレートを表示

上記の通り、元々はS-10ブレイザーの1グレードでしかなかったトレイルブレイザーだが、2001年に車名に昇格する形で採用される。

外寸は標準ボディ車で前身のブレイザーとタホの中間サイズであり、当時の日本市場における海外製SUVの中では一回り小さい存在であったが、日本の道路事情などからそのサイズは根強い人気があった。

プラットフォームはGMT360系を採用し、GMC・エンボイオールズモビル・ブラバダビュイック・レイニアいすゞ・アセンダーサーブ・9-7Xとは姉妹車の関係であった。

トレイルブレイザーには3列シート7人乗りのEXTバージョンも用意されており、標準ボディより全長およびホイールベースが410 mm拡大され[1]、また3列目にも楽に乗れるようにハイルーフ化されていた。ロングボディ車は姉妹車のGMC・エンボイおよびいすゞ・アセンダーにもまた設定されていた。

トレイルブレイザーなどの製造はGMT360(標準ボディ車)がオハイオ州のモレーン工場、GMT370(ロングボディ車)がオクラホマ州オクラホマシティ組立工場にて行われていたが、後者については2006年2月20日の工場閉鎖により、2006年モデルイヤー限りで廃止された。

終焉[編集]

次期トレイルブレイザーはGMT360の改良版となるGMT361プラットフォームを用いて作られ、2007年春に世に出る計画であったが、2006年1月にGMは現行のプラットフォームを刷新することに決めた。しかしながら2006年6月、GMはこのGMT360NG計画を巨額の投資が必要になるという理由でまたしても撤回した。GMはトレイルブレイザーを2009年モデルイヤーまで存続させることにした(メキシコでは2008年)。

GMはオハイオ州モレーン工場を2008年12月23日に閉鎖し、全てのGMT360車種の製造を終了した[2]。工場閉鎖の1週間前の2008年12月16日に最後のトレイルブレイザーがラインオフされた。モレーン工場の閉鎖についてはHBOのドキュメンタリー“The Last Truck: Closing of a G.M. Plant”(2009年)で取り上げられた[3]

日本での販売[編集]

日本での販売グレードは、LT・LTZ、ロングホイールベースで7人乗りのEXT LT・EXT LTZの4車種で構成される。米国でのSSなどのグレードは並行輸入や光岡自動車(BUBU)でしか手に入れることが出来ない。輸入はスズキによって行われていたが、シボレー車の輸入権の移管に伴い、2007年1月1日からゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパンGMAPJ) による輸入に切り替えられた。販売店はスズキアリーナ店(2006年まで)、GMシボレー店ヤナセ

米国では2006モデルでフェイスリフトが行われたが、日本の正規輸入はフェイスリフトが行われないまま2008年モデルを最後に輸入が終了した。

2代目(2012年-)[編集]

シボレー・トレイルブレイザー(2代目)
フェイスリフト前
フェイスリフト後
概要
別名 ホールデン・コロラド7(オーストラリア及びニュージーランド、2012年-2016年)
ホールデン・トレイルブレイザー(オーストラリア及びニュージーランド、2016年-2020年)
製造国 タイ王国の旗 タイ
ブラジルの旗 ブラジル
インドの旗 インド
販売期間 2012年 –(ブラジル)
2012年 – 2020年(タイ)
ボディ
乗車定員 7名[4]
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン位置 フロント[4]
駆動方式 全輪駆動[4]
プラットフォーム GMT31XX
パワートレイン
エンジン 3.6L LFX V6
2.5L Duramax I4-T
2.8L Duramax I4-T
最高出力 2.8L Duramax
132 kW (179 PS) / 3,800 rpm[4]
最大トルク 2.8L Duramax
470N・m / 2,000 rpm[4]
変速機 6速MT
6速AT
車両寸法
ホイールベース 2,845 mm
全長 4,887–4,952 mm
全幅 2,132 mm
全高 1,848-1,852 mm
テンプレートを表示

2011年11月のドバイ国際モーターショーで先行コンセプトが公開され[5]、市販モデルは2012年3月の第33回バンコク国際モーターショーにて正式発表された[6]。6月7日からGMタイランドのラヨーン工場で生産が開始され[7]、同月からタイ国内で発売を開始した。今後はアジア、中東、南米など世界各国に順次投入される予定である。ただし、アメリカ市場には導入されない[8]

2代目トレイルブレイザーは2代目コロラドピックアップをベースとするボディオンフレーム型のSUVであり、プラットフォームが共通している[4]。コロラドと並行してGM・ド・ブラジルにて開発された。エクステリアはサンパウロ州サン・カエタノ・ド・スルにあるGMサウスアメリカ・デザインセンターにてデザインされ、フロントノーズなどがコロラドと共通となる。パワートレーンもコロラドと同様である。2WDと4WDがラインナップされ、エンジンは新開発の「デュラマックス」ディーゼル2種類(直列4気筒2.5Lと2.8L)、トランスミッションは5速MTおよび6速ATが設定される。

オセアニア向けのホールデン版は車名が「コロラド7」となり、コロラドピックアップの派生車種であることが強調されている。外観上の相違点はエンブレム程度である。コロラド7は2012年10月18日からシドニーで開催されたオーストラリア国際モーターショーで発表され[9]11月27日から発売が開始された[10]

脚注[編集]

  1. ^ シボレー・トレイルブレイザーEXT LT(4AT)【短評】”. Web CG (2003年3月4日). 2010年4月6日閲覧。
  2. ^ GM to shut Ohio SUV plant 2 years ahead of plan
  3. ^ “The Days the Plant Died” (英語). The New York Times. (2009年9月6日). http://www.nytimes.com/2009/09/07/arts/television/07truck.html 
  4. ^ a b c d e f 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、2020年8月8日、186頁。ISBN 978-4-7796-4170-1 
  5. ^ Chevrolet’s All-New TrailBlazer SUV Breaks Cover in Dubai”. GM Media Online (2011年11月10日). 2012年3月21日閲覧。
  6. ^ Chevrolet’s All-New Trailblazer SUV Makes World Debut in Thailand”. GM Media Online (2012年3月21日). 2012年3月21日閲覧。
  7. ^ First All-New Chevrolet Trailblazer SUV Built in Thailand”. GM Media Online (2012年6月27日). 2012年8月3日閲覧。
  8. ^ Official: The New 2013 Chevrolet Trailblazer won't be Sold in the States [New Pics]”. Carscoop (2012年3月21日). 2012年3月21日閲覧。
  9. ^ Holden's Colorado 7 Off-Roader Makes Aussie Debut”. GM Media Online (2012年10月18日). 2013年7月7日閲覧。
  10. ^ Holden Heads Off-Road With The New Heavy Duty Colorado 7 SUV”. GM Media Online (2012年11月27日). 2013年7月7日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]