サーブ・9-5

9-5(ナイン・ファイブ)は、スウェーデン自動車会社サーブが1997年から2011年にかけて製造販売していた乗用車である。

初代 YS3E (1997-2010年)[編集]

9-5
前期型
後期型
9-5 エステート後期型
概要
販売期間 1997-2010年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアワゴン
駆動方式 FF
プラットフォーム GM2900プラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1.9 直4 TD JTD
2.0 直4 B205
2.2 直4 TD D223
2.3L 直4 B235
3.0L V6 B308
3.0L V6 TD いすゞ6DE1
変速機 5MT FM55B03
4AT 50-42LE
5AT アイシンAW AF33
前後:マクファーソン・ストラット
前後:マクファーソン・ストラット
車両寸法
ホイールベース 2,705mm
全長 セダン:
4,805mm (97-00)
4,825mm (01-05)
4,835mm (06-10)
ワゴン:
4,810mm (98-00)
4,830mm (01-05)
4,840mm (06-10)
全幅 セダン:
1,795mm (97-00)
1,790mm (01-10)
ワゴン:
1,790mm
全高 セダン:
1,450mm (97-05)
1,455mm (06-10)
ワゴン:
1,495mm (98-00)
1,450mm (01-05)
1,465mm (06-10)
系譜
先代 サーブ・9000
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1987年にデビューしたサーブの最高級車種の9000の後継として、ゼネラルモーターズ傘下に入った後の1997年の秋に発表された。日本アメリカ市場には1998年から導入された。

2002年2006年にフロントグリルやリアランプ周りのデザインを中心にマイナーチェンジが行われた。

なお、2009年12月に中華人民共和国北京汽車との間で第1世代「9-5」の知的財産権とパワートレイン技術、生産設備一式を売却することで基本合意している。

ボディタイプ[編集]

ゼネラルモーターズ傘下のオペルとの共通プラットフォームが使用され、エンジンもオペルと共通のものが一部グレードで使用されていた。ボディタイプは4ドアセダン型、ステーションワゴン型の「エステート」の2種類がある。

エンジンタイプ[編集]

エンジンは2.0Lの直列4気筒ターボ、2.3Lの直列4気筒ターボ、3.0LのV型6気筒ガソリンエンジン、さらにはいすゞ自動車製のV型6気筒ディーゼルエンジンなどがある。年式・グレードにより出力などが変更されている。

装備[編集]

前席シートヒーターが全グレードに標準装備されるほか、ドアハンドルや各操作系が、手袋をつけたままでも操作しやすいデザインとなっている。また、フロントスクリーン用のウォッシャータンクが大容量のものとされている。ヘッドランプのワイパーもオプション(上級モデルには標準装備)で用意された。

サイドエアバッグABSESCなどの安全装備が用意される他、トランクスルーや数ヶ国語での表示が可能なインフォメーションシステム、トリップコンピュータも標準装備された。イグニッションキーの位置は、サーブの伝統を踏襲してセンターコンソールに置かれている。

ルーフのフィンタイプアンテナ(シャークアンテナ・ドルフィンアンテナとも言われる)をいち早く採用した。

日本での販売[編集]

輸入はヤナセにより1998年より開始された。後にGMアジア・パシフィック・ジャパンに移行している。エンジンは2.3Lの直列4気筒ターボと、3.0LのV型6気筒ガソリンエンジンを搭載したモデルが販売されている。前席シートヒーターのほか、サイドエアバッグABSESCなどの安全装備が標準装備された。

2002年2006年にフロントグリルやリアランプ周りのデザインを中心にマイナーチェンジが行われ、グレードも「リニア」、「アーク」、「ヴェクター」、「エアロ」と分けられた。

2009年にはセダンの輸入が終了し、日本に輸入されるモデルは第一世代のエステート(グレードは「リニア」に相当する2.3Lターボ)の、1車種1グレードのみとなった。

2代目 YS3G (2010-2011年)[編集]

9-5
フロント
リア
概要
販売期間 2010-2012年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FF
4WD
プラットフォーム GMイプシロン・プラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1.6/2.0L I4
2.8L V6
最高出力 2.0L 220PS/5,300rpm
3.0L 300PS/5,500rpm
最大トルク 2.0L 350Nm/2,500rpm
3.0L 400Nm/2,000rpm
変速機 6MT
6AT AWTF-80 SC
前:マクファーソン・ストラット
後:トーションビーム式サスペンション
前:マクファーソン・ストラット
後:トーションビーム式サスペンション
車両寸法
ホイールベース 2,835mm
全長 5,010mm
全幅 1,870mm
全高 1,465mm
車両重量 1,750-1,970kg
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2009年フランクフルト・モーターショーで試作モデルが発表された。第1世代と同様にゼネラルモーターズのプラットフォームが使用されるものの、ボディサイズは全長が5mを超えるなど大型化された。

エンジンは、直列4気筒の1.6Lターボ、1.8Lターボ、2.0Lターボのほか、V型6気筒の2.8Lも用意されている。また、トランスミッションは6速ATと6速MTが用意されている。

2010年より販売されることが発表されたものの、ゼネラルモーターズの経営危機による傘下離脱と経営権のスパイカー・カーズへの譲渡の決定を受けた後に生産が開始された。

ボディは4ドアセダンのみ。ワゴンボディの「スポーツコンビ」はパイロットモデルが試作されたものの、2011年末にサーブが経営破綻したことで量産はされなかった。

スポーツコンビ

日本での販売[編集]

2011年3月18日に発売された。エンジンは2.0Lの直列4気筒ターボと2.8LのV型6気筒ターボを搭載している。グレードは「ヴェクター」(FF及びXWD)、「エアロ」(XWDのみ)の2グレード3モデルで、9-5としては初めてXWDモデルが投入された。2011年末、サーブの経営破綻に伴い販売終了。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]