サンホ・ラシィナ

サンフォ・ラシィナ
Sanfo Lassina
高知ファイティングドッグス #34
基本情報
国籍 ブルキナファソの旗 ブルキナファソ
出身地 ワガドゥグー
生年月日 (1997-12-31) 1997年12月31日(26歳)
身長
体重
175 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 内野手外野手
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ブルキナファソ

サンホ・ラシィナSanfo Lassina , 1997年12月31日 - )は、ブルキナファソワガドゥグー出身のプロ野球選手内野手外野手)。

経歴[編集]

西アフリカに位置するブルキナファソの首都ワガドゥグー出身[1]

青年海外協力隊員の指導で2008年から野球を始め[2][3]、2013年6月に来日。同月30日から日本プロ野球独立リーグ四国アイランドリーグplus高知ファイティングドッグスの練習に参加[4]7月30日からトライアウトが行われ[5]、遠投90メートル、50メートル走が6秒17と身体能力の高さを見せつけるも[2]、打撃で結果を残せずいったんは不合格となるが、12月4日に球団が練習生として契約を発表した。2014年3月4日再び来日[2]

2015年8月25日、契約選手への昇格を審査するテストに合格[6]、8月29日に選手登録され[7]、ブルキナファソで初めてプロリーグに所属する野球選手となった。9月2日高知市野球場で行われた愛媛マンダリンパイレーツとの公式戦で8回に代打で初出場を果たした[8]

選手登録2年目の2016年前期には、23試合(うち先発16試合)に出場し、打率.233を記録した[9]。ポジションは主に二塁手だった。コーチの吉田豊彦は、2016年7月の新聞記事で「身体能力を考えれば伸びる要素は大きい。野球勘を磨けばもっと良くなる。たった2年半で、この成長は驚きです」と評している[9]。しかし、2016年9月10日付で練習生に降格となり[10]、最終的には出場39試合、打率.247であった[11]

2017年は49試合に出場、打率.162で5打点、6盗塁を記録した。

2018年開幕時点では、外野手登録となっている[12]

2019年には、高知に在籍しながら野球ブルキナファソ代表選手として2020年東京オリンピックの予選に出場した[13]。野球ブルキナファソ代表は西アフリカ予選1位の結果を残した[14]。2019年シーズンより、従来は「ラシィナ」だった高知での登録名を「サンフォ」としている[15]

2020年は30打点を記録して、リーグの最多打点のタイトルを獲得し[16]、外野手部門のベストナインにも選出された[17]

2021年はチームのキャプテンを務め[18]、打撃タイトルこそ獲得できなかったものの、高知入団以来初の打率3割 (.318)を記録してリーグ4位となり[19]、2年連続で外野手部門のベストナインに選出された[20]。キャプテンへの指名は、監督となった吉田豊彦が、ラシィナの「チームで誰よりも周りをよく見ているし、気配りもできる」性格を買うとともに、リーダーシップの経験を積ませる目的でおこなったという[14]2022年も2年連続でキャプテンを務め、そのシーズンにチームは13年ぶりのリーグ優勝を達成した[14]

2024年に、3度目となるキャプテンに指名された[21]

プレースタイル・人物[編集]

遠投90メートル、50メートル走が6秒17と身体能力の高さが持ち味。

最初の来日後に札幌ドームを訪れており、「ブルキナファソ野球を応援する会」(出合祐太代表、富良野市在住)を通じて同国野球連盟へ野球用具が日本ハム鶴岡慎也から寄贈された[22]

高知ではオフに球団が取り組んでいる農業活動にも参加、日本語は2016年時点で通訳を介さずに取材を受けられるレベルまで上達した[23]。2023年時点では「流暢な日本語でコミュニケーションが取ることができ」るレベルと評されている[14]

キャプテン時代には年次などに分け隔てなく話せる環境作りを意識し、ミーティングを活性化させた[14]

将来プレーを希望するNPB球団はという質問に対しては、どこでもよいが好きな球団は福岡ソフトバンクホークスだと答えている[23]。2023年には、もしNPBに入団できれば帰化しても構わないと述べた[14]

高知で得た給料のうち、生活費以外はすべて母国の家族に送っている[14]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

出典はリーグウェブサイトの過去シーズン個人記録[24]、リーグ公式サイトよりリンクされる「一球速報」(2022年まで)[25]、およびリーグデータサイト(2023年)[26]による。













































2015 高知 .000 4 5 5 0 0 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 .000 .000 0 0
2016 .247 39 100 93 12 23 1 2 1 11 38 6 0 1 0 1 .333 .292 0 6
2017 .162 49 80 68 14 11 2 0 0 5 31 8 2 1 1 6 .191 .265 0 0
2018 .250 32 19 16 5 4 0 0 0 2 7 1 1 1 0 12 .250 .333 0 1
2019 .188 48 91 80 13 15 2 0 0 6 29 5 3 3 0 12 .213 .261 0 4
2020 .257 70 219 179 29 46 10 8 2 30 60 21 11 8 0 6 .436 .370 1 3
2021 .318 61 226 192 27 61 9 4 0 23 54 20 12 0 2 17 .406 .412 5 3
2022 .213 58 229 207 28 44 1 6 0 19 65 15 3 2 2 16 .178 .238 6 -
2023 .247 57 208 186 27 46 4 4 6 23 64 13 4 2 3 15 .409 .306 4 2
通算:9年 .244 418 1177 1026 155 250 29 24 9 119 352 89 36 18 8 85 .345 .324 16 -
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号[編集]

  • 34 (2014年 - )

脚注[編集]

  1. ^ “アフリカの練習生来高 ブルキナファソのラシィナさん「野球の全て学ぶ」”. 高知新聞. (2013年7月1日). http://www.kochinews.co.jp/il/13il/130701news02.htm 2014年5月18日閲覧。 
  2. ^ a b c “高知)ブルキナファソのラシィナ君、プロ野球目指し来日”. 朝日新聞. (2014年3月7日). http://www.asahi.com/articles/ASG354J8NG35PLPB00L.html 2014年5月18日閲覧。 
  3. ^ 野球を教えたうちの一人が、後述の「ブルキナファソ野球を応援する会」代表で、北海道ベースボールリーグ設立者の出合祐太である(参考:発起人は人気パン屋店主 選手はワケありOK「北海道ベースボールリーグ」の勝機とは - テレビ東京(2020年5月19日)2020年5月20日閲覧)。
  4. ^ “ブルキナファソからの練習生「サンホ・ラシィナくん」”. 高知ファイティングドッグス. (2013年6月30日). http://www.fighting-dogs.jp/topics/event000107.htm 2014年5月18日閲覧。 
  5. ^ “[西アフリカ・ブルキナファソ] サンホ・ラシィナ トライアウトのお知らせ”. 高知ファイティングドッグス. http://www.fighting-dogs.jp/topics/team000085.htm 2014年5月18日閲覧。 
  6. ^ “ラシィナ選手とFDが契約 ブルキナ出身者初めてプロ昇格”. 高知新聞. (2015年8月26日). http://www.kochinews.co.jp/il/15il/150826news02.htm 2015年8月29日閲覧。 
  7. ^ 8月29日選手登録・練習生公示 - 四国アイランドリーグplus(2015年8月29日)
  8. ^ “野球で夢つかんだ17歳アフリカ少年”. デイリースポーツ. (2015年9月7日). https://www.daily.co.jp/newsflash/baseball/2015/09/07/0008373612.shtml 2015年9月7日閲覧。 
  9. ^ a b “高知FDのラシィナ選手が急成長 前期23試合出場し初本塁打”. 高知新聞. (2016年7月1日). http://www.kochinews.co.jp/article/32201 2016年7月6日閲覧。 
  10. ^ 9月10日 選手登録、抹消公示 - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2016年9月10日)
  11. ^ 選手成績 高知ファイティングドッグス - 四国アイランドリーグplus(2016年9月24日閲覧)
  12. ^ 2018シーズン選手登録・練習生のお知らせ (PDF) - 四国アイランドリーグplus(2018年3月29日)
  13. ^ “高知FDのラシィナが五輪予選挑む 4番で「仲間引っ張る」 ブルキナ代表で1次出場へ”. 高知新聞. (2019年3月22日). https://www.kochinews.co.jp/article/detail/263186 2019年3月22日閲覧。 
  14. ^ a b c d e f g 会津泰成 (2023年5月1日). “アフリカ最貧国から高知へ。NPB目指す「ブルキナファソ初のプロ野球選手」を吉田豊彦監督がキャプテンに指名した理由”. 週プレNEWS. 2024年3月9日閲覧。
  15. ^ 2019年度四国アイランドリーグplus 選手登録・練習生一覧(2019年3月28日現在 (PDF) - 四国アイランドリーグplus(2019年3月28日)
  16. ^ 四国アイランドリーグplus2020個人タイトル確定 - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2020年10月25日)
  17. ^ 2020年 ベストナイン確定 - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2020年10月29日)2021年10月16日閲覧。
  18. ^ 2021年 チームキャプテン決定のお知らせ - 高知ファイティングドッグス(2021年1月31日)2021年10月16日閲覧。
  19. ^ 四国IL2021ランキング - 一球.com(2021年10月16日閲覧)
  20. ^ 2021年 ベストナイン確定・最優秀審判 - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2021年10月14日)2021年10月16日閲覧。
  21. ^ 2024年シーズン キャプテン・副キャプテン決定! - 高知ファイティングドッグス(2024年2月1日)2024年3月9日閲覧。
  22. ^ “ファイターズ選手会がブルキナファソへ野球用具を寄贈”. 北海道日本ハムファイターズ. (2013年6月13日). http://www.fighters.co.jp/news/detail/3652.html 2014年5月18日閲覧。 
  23. ^ a b “日本で夢を掴んだブルキナ初のプロ野球選手 試合後は農作業”. Newsポストセブン. (2016年2月7日). https://www.news-postseven.com/archives/20160207_382547.html?DETAIL 2018年3月31日閲覧。 
  24. ^ 記録 - 四国アイランドリーグplus
  25. ^ 高知ファイティングドッグス個人打撃成績(2020年12月9日閲覧)
  26. ^ 打撃成績 - 四国アイランドリーグplusデータサイト

関連項目[編集]

外部リンク[編集]