サクラプレジデント

サクラプレジデント
2005年9月24日撮影(レックススタッド)
欧字表記 Sakura President[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2000年4月11日[1]
死没 2024年3月15日(24歳没)
抹消日 2004年11月25日[2]
サンデーサイレンス[1]
セダンフォーエバー[1]
母の父 マルゼンスキー[1]
生国 日本の旗 日本北海道静内町[1]
生産者 谷岡牧場[3]
馬主 (株)さくらコマース[1]
調教師 小島太美浦[1]
競走成績
生涯成績 12戦4勝[1]
獲得賞金 2億8626万5000円[1]
勝ち鞍
GII 札幌記念 2003年
GII 中山記念 2004年
GIII 札幌2歳S 2002年
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サクラプレジデント(欧字名:Sakura President2000年4月11日 - 2024年3月15日)は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍に2002年札幌2歳ステークス2003年札幌記念2004年中山記念

戦績[編集]

2002年(2歳)[編集]

デビューは2002年の8月。札幌競馬場1200メートル新馬戦に出走し勝利を挙げた。騎手を務めたのは田中勝春。続く札幌2歳ステークスにて重賞初制覇を達成する。

その後朝日杯フューチュリティステークスへ直行し、単勝1番人気に支持された[4]。ところがレースのスタート直後に飛び跳ねてしまい、大きく出遅れた。最後の直線では内から鋭く伸び追い上げたが、粘るエイシンチャンプクビ差まで迫ったところがゴールで2着に敗れた[4]。勝ちタイムの1分33秒5は当時グラスワンダーが保持していたレースレコードを上回るものであった[4]

2003年(3歳)[編集]

2003年の初戦はスプリングステークスで、田中が騎乗停止期間中であったため武幸四郎を鞍上に迎えての出走となった[5]。1番人気に支持されたが、後方から伸びを見せたネオユニヴァースに1馬身4分の1離された2着に終わる。皐月賞では騎手が田中に戻り、ネオユニヴァースと差のない2番人気での出走となった。道中は中団に位置取り、最後の直線で外から鋭い脚で伸び、コースの内を回って抜けてきたネオユニヴァースと馬体を併せて2頭で他馬を突き放したが、ネオユニヴァースの鞍上・ミルコ・デムーロと田中の激しい叩き合いの末にアタマ差敗れて[6]皐月賞の戴冠を逃した。その後東京優駿(日本ダービー)へと駒を進めるが、スタート後から折り合いがつかず7着に敗れた。

夏に札幌記念への出走が決まり古馬に挑むことになった。このときから武豊を鞍上に迎えることとなる。レースでは折り合いがつき、後方から上がり3ハロン33秒7の末脚を使い、エアエミネムとの競り合いの末にクビ差勝利した[7]

神戸新聞杯ではネオユニヴァース、ゼンノロブロイザッツザプレンティリンカーンといった春の実績馬との再戦となった。道中は後方を進み、第4コーナー手前で一気に外からまくり先頭に立つ大胆な競馬をしたが、最後の直線半ばでゼンノロブロイに交わされ、3馬身2分の1差の2着に敗れた[8]。陣営は雪辱を誓い、当初予定していた天皇賞(秋)ではなく菊花賞への出走を決断する。しかし長距離特有のスローペースに折り合いが付かず、最後の直線では内にもたれてまともに追えないなどちぐはぐな競馬になってしまい9着に敗れる。ジャパンカップでは重馬場で前残りの展開のなか、後方のまま14着と惨敗する。

2004年(4歳)[編集]

休養を経て2004年の初戦は中山記念であったが、最後の直線で鋭く伸び、2着サイドワインダーに2馬身2分の1差をつけ、1分44秒9のコースレコードタイムで重賞3勝目を挙げた[9][3]

中山記念のあとは安田記念を目標にしていたが、体調不良のため[10]長期休養に入り、天皇賞(秋)で復帰[10]したものの14着と敗れ、11月になって左前脚に浅屈腱炎を発症したことから引退が決まった[11][12]

競走成績[編集]

以下の内容はnetkeiba.comの情報[13]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2002.08.11 札幌 2歳新馬 芝1200m(良) 16 5 9 006.40(3人) 01着 R1:10.8(36.3) -0.6 0田中勝春 53 (マイジョーカー) 490
0000.09.28 札幌 札幌2歳S GIII 芝1800m(良) 9 1 1 002.90(2人) 01着 R1:51.7(35.3) -0.1 0田中勝春 54 (テイエムリキサン) 474
0000.12.08 中山 朝日杯FS GI 芝1600m(稍) 15 1 2 003.40(1人) 02着 R1:33.5(35.3) 0.0 0田中勝春 55 エイシンチャンプ 488
2003.03.23 中山 スプリングS GII 芝1800m(良) 16 3 5 001.70(1人) 02着 R1:48.4(35.1) 0.2 0武幸四郎 56 ネオユニヴァース 488
0000.04.20 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 3 6 004.30(2人) 02着 R2:01.2(34.3) 0.0 0田中勝春 57 ネオユニヴァース 486
0000.06.01 東京 東京優駿 GI 芝2400m(重) 18 1 1 003.60(2人) 07着 R2:29.6(36.4) 1.1 0田中勝春 57 ネオユニヴァース 486
0000.08.24 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 9 8 8 002.40(2人) 01着 R2:00.3(33.7) -0.0 0武豊 53 エアエミネム 480
0000.09.28 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2000m(良) 13 6 9 002.40(1人) 02着 R2:00.1(35.0) 0.6 0武豊 56 ゼンノロブロイ 478
0000.10.26 京都 菊花賞 GI 芝3000m(良) 18 5 10 006.10(3人) 09着 R3.06.0(35.9) 1.2 0武豊 56 ザッツザプレンティ 488
0000.11.30 東京 ジャパンカップ GI 芝2400m(重) 18 2 3 021.1(10人) 14着 R2:31.4(37.7) 1.1 0武豊 55 タップダンスシチー 480
2004.02.29 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 14 1 1 002.10(1人) 01着 R1:44.9(34.5) -0.4 0武豊 57 サイドワインダー 492
0000.10.31 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(稍) 17 5 9 023.9(11人) 14着 R2:00.8(36.5) 1.9 0松永幹夫 58 ゼンノロブロイ 490
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

種牡馬時代[編集]

2005年よりレックススタッドで種牡馬として繋養され[14][15]、供用初年度から106頭の繁殖牝馬種付けを行い[16]、その後も3年続けて100頭以上に種付けを行った[15]

初年度産駒は69頭が血統登録された[17]。そのうちの一頭であるサクラシャイニーが2008年5月6日に札幌競馬場で行われたホッカイドウ競馬フレッシュチャレンジを制した[17]が、この勝利はサクラプレジデント産駒および2008年の日本における新種牡馬産駒の初勝利となった[17]

2018年に新和牧場に移動後、2019年に種牡馬を引退した[18]

2020年に引退名馬繋養展示事業の助成対象馬となった。なお、同年1月には産駒初勝利馬のサクラシャイニーが14歳で準重賞(初夢特別)を勝って引退している[19]

2024年3月15日、繋養先の新和牧場で死去。24歳没。同月19日にジャパン・スタッドブック・インターナショナルで訃報が発表された[20]

主な産駒[編集]

血統表[編集]

サクラプレジデント血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛 アメリカ
父の父
Halo
1969 黒鹿毛 アメリカ
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛 アメリカ
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

セダンフォーエバー
1987 鹿毛
マルゼンスキー
1974 鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
*シル Buckpasser
Quill
母の母
サクラセダン
1972 鹿毛
*セダン Prince Bio
Staffa
*スワンズウッドグローヴ Grey Sovereign
Fakhry
母系(F-No.) スワンズウッドグローヴ系(FN:16-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Mahmoud5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[23]およびnetkeiba.com[24]
  2. ^ 前者は競馬ラボ[25]、後者はnetkeiba.com[24]
  3. ^ JBISサーチ[23]
  4. ^ JBISサーチ[23]およびnetkeiba.com[24]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n サクラプレジデント”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年12月20日閲覧。
  2. ^ サクラプレジデントが登録を抹消、種牡馬へ”. ラジオNIKKEI. 2022年4月16日閲覧。
  3. ^ a b c d 2004年02月29日 中山記念 G2”. 重賞ウイナーレポート. 競走馬のふるさと案内所 (2004年). 2011年11月14日閲覧。
  4. ^ a b c エイシンチャンプ、朝日杯FS制覇!!”. netkeiba.com (2002年12月8日). 2011年11月14日閲覧。
  5. ^ 競馬ネットmagazine 第974号”. 週刊Gallop (2003年3月18日). 2006年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月27日閲覧。 “サクラプレジデントに武幸騎手”
  6. ^ ネオユニヴァース VS サクラプレジデント 巡り合った“夢の馬””. 心に残る名勝負・名場面. 日本中央競馬会 (2007年4月14日). 2008年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月22日閲覧。
  7. ^ プレジデント競り勝つ 競馬の札幌記念”. 共同ニュース. 47NEWS (2003年8月24日). 2011年11月14日閲覧。
  8. ^ 神戸新聞杯、ゼンノロブロイが快勝”. netkeiba.com (2003年9月28日). 2011年11月14日閲覧。
  9. ^ 中山記念、サクラプレジデントが制す”. netkeiba.com (2004年2月29日). 2011年11月14日閲覧。
  10. ^ a b 競馬ネットmagazine 第1298号”. 週刊Gallop (2004年9月24日). 2006年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月27日閲覧。 “サクラプレジデントぶっつけで天皇賞へ”
  11. ^ サクラプレジデント、屈腱炎で現役引退”. netkeiba.com (2004年11月19日). 2011年11月14日閲覧。
  12. ^ 競馬ネットmagazine 第1333号”. 週刊Gallop (2004年11月23日). 2006年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月27日閲覧。 “サクラプレジデント引退 屈腱炎…種牡馬入り”
  13. ^ サクラプレジデント”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年7月21日閲覧。
  14. ^ サクラプレジデント、レックススタッドへ”. netkeiba.com (2004年12月3日). 2011年11月14日閲覧。
  15. ^ a b c d サクラプレジデントを訪ねて〜レックススタッド”. 名馬を訪ねて. 競走馬のふるさと案内所 (2011年8月18日). 2011年11月14日閲覧。
  16. ^ アグネスデジタルが189頭に種付け”. netkeiba.com (2005年8月15日). 2011年11月14日閲覧。
  17. ^ a b c d 新種牡馬サクラプレジデント産駒が圧勝デビュー”. netkeiba.com (2008年5月6日). 2011年11月14日閲覧。
  18. ^ 「「風のたより」サクラプレジデント」『週刊ギャロップ2024年2月25日号』産業経済新聞社、2024年2月19日、151頁。 
  19. ^ 【高知】14歳サクラシャイニー有終の美”. netkeiba.com (2020年1月1日). 2020年3月1日閲覧。
  20. ^ 重賞3勝サクラプレジデント繋養先で死亡、24歳 皐月賞惜敗時はカッチーがポカリとたたかれる - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com (2024年3月19日). 2024年3月19日閲覧。
  21. ^ ベストマイヒーローが5連勝/岩手ダービーダイヤモンドC”. netkeiba.com (2011年6月13日). 2011年11月14日閲覧。
  22. ^ 2010年度 岩手競馬年度代表馬決定!満場一致でロックハンドスターを選出!!”. 岩手県競馬組合 (2011年3月4日). 2011年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月28日閲覧。
  23. ^ a b c 血統情報:5代血統表|サクラプレジデント”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年6月10日閲覧。
  24. ^ a b c サクラプレジデントの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2017年6月10日閲覧。
  25. ^ サクラプレジデントの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 株式会社ドゥイノベーション. 2020年7月4日閲覧。

外部リンク[編集]