ココシニク

19世紀末~20世紀初頭頃、「ココシニクを着た少女」ソフィア・イワノヴナ・クラムスカヤ英語版
シンプルなコートココシニクのタチアナ・ニコラエヴナ王女。 1904年頃。

ココシニクロシア語: коко́шник, ラテン文字転写: Kokoshnik)は、ロシアの女性の伝統的な頭頂部につける装飾品(頭飾り)である。

概要[編集]

ロシア帝国以前(ルーシ時代)、既婚女性が帽子の代わりにココシニクを着用した。多様な形状がある。

18世紀に貴族階級の着用が禁じられたが、19世紀から20世紀初頭にかけては、女性の宮廷服に取り入れられた。さらに、英国王室との姻戚関係から、ティアラの意匠として、他地域にも影響を与えた。1888年に、英国王太子アルバートと妃アレクサンドラ[注釈 1]の結婚25周年の祝いに、「ココシニク・ティアラ」が献上された。

1903年2月に、ロシア宮廷でロマノフ朝開闢290年[注釈 2]を祝した壮麗な仮装舞踏会英語版冬宮殿で催され、皇帝ニコライ2世をはじめ皇族、貴族らが17世紀の扮装をした写真資料が多数記録されている。この舞踏会の様子は、後世、トランプや『スター・ウォーズシリーズ』の衣装に影響を与えた[1]

ギャラリー[編集]

伝統衣装として[編集]

宮廷服として[編集]

1903年、ロマノフ家の仮装舞踏会[編集]

ココシニク・ティアラ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ アレクサンドラの妹は、ロシア皇帝アレクサンドル3世の后マリア・フョードロヴナであった。
  2. ^ 1613年、ミハイル・ロマノフ皇帝ツァーリ)即位から起算。

出典[編集]

  1. ^ ロシア・ビヨンド、2016年3月06日 「ロマノフ家、最後の大舞踏会」[1]

関連項目[編集]

ウィキメディア・コモンズには、ロマノフ家の仮装舞踏会に関するカテゴリがあります。
ウィキメディア・コモンズには、ココシニク・ティアラに関するカテゴリがあります。