ケロロ小隊

ケロロ小隊(ケロロしょうたい)は、吉崎観音原作の漫画ケロロ軍曹』および、それを原作とするアニメ版などの作品に登場する架空の小隊である。本稿ではアニメ版に登場したケロロ小隊のコピーロボットについても記述する。

概要[編集]

ケロロ小隊は、この物語の主人公であるケロロ軍曹を隊長とし、タママ二等兵ギロロ伍長クルル曹長ドロロ兵長の隊員で構成される、ケロン星の軍隊「ケロン軍」の小隊の一つである(地球の陸軍の小隊とは異なり分隊もしくはそれより小さい組に相当する規模だが、編制が異なる)。

ケロン軍内の「第三宇宙侵略軍」に所属している(原作第137話・アニメ第243話)。正式な名前は「ガマ星雲第58番惑星 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊」であるが、アニメ第51話においてケロロ上司が「宇宙侵攻軍特殊工作部隊」と言っており「先行隊」などとも呼ばれる。ケロン軍におけるランクは「F級」である(原作第123話・アニメ第180話)。ケロン軍本部では「K-66X5-2301V3小隊」と呼ばれている。

隊員のうちケロロ・ギロロ・ドロロは幼馴染で(別名・元祖ケロロ小隊)、タママとクルルは部隊編成時に合流した(クルルはケロロ・ギロロ・ドロロの幼少時代に出会っている。このエピソードは『ちびケロ ケロボールの秘密!?』で明かされた)。なお現在アンゴル=モアオペレーター的な位置づけにあり、ケロン軍本部にも存在が認識されているものの、正規隊員ではない。

隊長であるケロロには毎月内職として造花・傘貼り・袋貼りのノルマが課せられており、締め切りに遅れると3倍増しになるという(アニメ第85話Aパート)。また、夏と冬に宿題があり、これも締め切りに遅れると本部より恐怖のペナルティが課せられる。

日向家の地下に前線基地を設けている。各隊員は全員誰かの家に居候しており、居候先はケロロ・ギロロ・クルルが日向家、タママが西澤家、ドロロが東谷小雪宅である。地球侵略が目的であり、小隊の戦闘能力、総じて個々隊員の戦闘能力は(ケロロも含めて)極めて優秀である。

しかし、理由や状況はどうあれ敵性種族はもちろん同軍であるガルル小隊やゲリリ少佐の侵略活動を阻止しており、実質的には地球を護る立場となってしまっている。

なお、ケロロ小隊はケロン星で知らない人がいないほど非常に有名な小隊であり、ケロン星での活躍報道・小隊への応援の手紙・本星でのケロロ小隊のグッズ販売など多岐にわたり地球征服を期待されており、現状に配慮してか大部分侵略が進んでいるような報道の捏造が行われてそれに拍車をかけている模様である。ガルル小隊との対戦後、タルルが軍内で「強くてかっこよい」という評判を流し、より過度な期待が向けられておりケロン軍幼年訓練所の子供たちも隊長であるケロロを憧れの目で見ている。

しかし一方でアニメ版のダソヌ☆マソ・ダソヌ☆マリ・月神散世からは「お笑い芸人」と認識されている。

年齢順
ケロロ・ギロロ・ドロロ(10500歳)→クルル(6000歳)→タママ(3000歳)
アニメ192話Bパートでタママ二等兵がケロロを「40代のおっさん」と認識し、クルルがタママから「先輩」、ギロロの事を「先輩」「おっさん」などと言っている事から上記の順番であると思われる。
階級順
クルル(曹長)→ケロロ(軍曹)→ギロロ(伍長)→ドロロ(兵長)→タママ(二等兵
階級はクルルが一番上だが、あくまで技術士官であることや「隊長の素質」を持っているのがケロロである為に、隊長は軍曹のケロロである。なお、この「隊長の素質」は、腕利きのガルル中尉すら持ち得ない稀有な性質であるらしく、階級を超えて尊重される。

地球侵略[編集]

ケロロ小隊の目的は、前述のように地球侵略である。当初、彼らは先行工作部隊であったが、彼らを残し軍本隊が撤退したため、実質的に地球侵略はケロロ小隊にのみ任されている。なお原作第226話で侵略開始の3年前に、偵察機「バトラコス」を地球に送り込んでの偵察任務を行うなど、先行工作部隊の名に恥じない行動も行っている。

隊員の5人はしばらくばらばらの状態であったが、徐々にケロロの元へ合流、日向家に築いた地下秘密基地を拠点に活動を開始する。しかし侵略活動は遅々として進まず、それどころか地球人の側に立って活動することもしばしばである。

侵略が進まない原因としては、隊員ごとに侵略に対する見解が異なることや、地球文化や特定の地球人に対する思い入れが強く介在することで、思い切った行動に踏み切れない実態があり、さらにはそれらをまとめることのできない隊長・ケロロの統率力の無さが挙げられる。

また、地球が特殊な環境下にあることも大きな理由のひとつである。辺境とはいいながら、地球は古来より宇宙人が少なからず訪れるも決して過度の干渉を行わずその発達を見守ってきた星であり、現在では様々な目的を持った宇宙人が多数共存している。その中にはケロン人に対抗し地球侵略を目論む敵性種族や、それらの侵略行為から地球を守ろうとするヒーローも含まれているため、ケロン軍がいかに強大であろうと、こと地球においては絶対的な優位を持っている訳ではない(原作102話他)。

また、地球における宇宙人の動向には、強い権力を持つ宇宙警察が目を光らせている。また、侵略行為は宇宙法の規定により細かく規制されており、これに触れれば厳しい処分を課せられるため、強引な武力制圧も困難な状況にある(原作145話他)。

要は、地球侵略を成功させるためには、地球の社会や環境を壊さず、他の宇宙人をうまく出し抜き、なおかつ宇宙法にも抵触しない作戦が求められ、さらには日向家及びその四方の風といった強力な地球人をも制する必要があり、いかに優秀な人材を集めたとはいえ、小隊の規模ではいささか荷が重過ぎるきらいもある。

ケロン軍本部は、ケロロ小隊に活を入れるため、侵略ノルマを設定したり、課題を提出させたり、ガルル小隊を派遣し更迭を匂わせる(原作第81話 - 第84話・アニメ第100話 - 第103話)などして梃入れを試みていたが、その記録で目の当たりにした夏美の戦闘力と冬樹の知略に恐れをなしたらしく、当分はケロロ小隊に地球侵略を任せるつもりでいる(原作第115話・アニメ第183話)。

なお、同本部はアニメ版において、ケロロ達の行った「勝手な慰安旅行」を引き金に175日を期限とする侵略カウンターを設置(第104話)し、期限内に侵略が完了しなければケロロ小隊を撤退させ、カウンターに内蔵されたキルルに地球を滅亡させるという強硬な処置をとったことがある(原作では、キルルは宇宙法が厳しくなって兵器として使用できなくなっている(原作137話))。ただしこの処置は、ある偶然の重なりによってうやむやになり(第129話)、結局ケロロ小隊が引き続き地球侵略の任に当たることになったようである(第183話)。

その後、原作184話で侵略本隊であるケロロ第弐小隊として新ケロロが地球に配属された。

隊員[編集]

ケロロ軍曹
隊長。詳細はケロロを参照。
タママ二等兵
突撃兵。詳細はタママを参照。
ギロロ伍長
機動歩兵。詳細はギロロを参照。
クルル曹長
作戦通信参謀。詳細はクルルを参照。
ドロロ兵長
暗殺兵(アサシン)。現在の名前は地球に来てからケロロ達と合流するまでに変えたもので、それまでは「ゼロロ」という名だった(階級は当時から兵長だった)。詳細はドロロを参照。

一時的な隊員[編集]

プルル看護長
看護兵(看護師なので階級なし)。詳細はプルル看護長を参照。
アニメ第157話で、小隊の健康管理のため一時的に編入。その後、秘密基地に設けてあった保健室のような病室を仕事場とし、さらには寝室までもらったようである[1]。また、時々旅行に出かけていることから、ケロロ小隊としては非常勤務だと思われる。
ジョリリ
詳細はジョリリを参照。
アニメ第271話Aパートで一時的にケロロ小隊に配属。ジョリリがラーメン屋の行列と間違えてケロン軍入隊希望者の行列に並んでしまい、ケロン軍に登録されてしまったことによる。軍でこの間違いが判明し、除隊された。ちなみにこのとき,タママの部下として配属されたことから階級は新兵。
ゲリリ少佐
アニメ284話でケロロに代わり隊長となったが、自分の利益だけを考え小隊メンバーを物のように扱う台詞をクルルが録音、それが本部にて問題となり更迭され、ケロロに指揮権が戻る。

隊員同士の合体[編集]

ケロギロフォーム以外は、アニメ295話Aパートで、初登場。『仮面ライダーW』などのパロディとなっている。 因みに一人称と喋り方、語尾が隣と入れ替わることがある。

ケロタマフォーム
ケロロとタママが合体した姿。スーパータママインパクトを放ち、結果的に夏美のハンバーグ調理を手伝ってしまう。
ケロギロフォーム
ケロロとギロロが合体した姿。風と炎を使い、またもハンバーグ調理を手伝ってしまう。原作第28話・アニメ第15話Bパートでも偶発的に誕生。
ケロクルフォーム
ケロロとクルルが合体した姿。カレーにハンバーグをプラスし、カレーハンバーグにする。
ケロドロフォーム
ケロロとドロロが合体した姿。多重影分身の術を使い、家事を行う。
タマギロフォーム
タママとギロロが合体した姿。二人の嫉妬のパワーにより、スーパー嫉妬玉を使用する。
クルドロフォーム
クルルとドロロが合体した姿。トラウマと陰湿の力で、陰鬱な雰囲気を醸し出す。
最強合体ケロン人
タマギロフォームとクルドロフォームだけが合体するはずが、合体中にケロロが飛び込んだため、足だけケロロとなってしまう。

関連するグループ[編集]

ケロロ小隊特別臨時遊撃隊
冬樹とケロロ小隊がアリサに連れて行かれたときに臨時で結成した、タママとモア(アニメではサブロー夏美を追加)からなるグループ。
原作ではヤミ属性であるタママはネブラにとって無敵であるため実質意味はなかったが、モアのハルマゲドン未遂によりケロロ小隊は救出された。
アニメではタママとモアが捕えられた後、冬樹の機転によりアリサの石化能力を鏡で跳ね返したことにより救出されたため、このグループ自体は実質的な成果が得られなかった。
クルル小隊
原作第110話で、ケロロに隊の秩序を乱したという理由で「除隊もやむなし」と通告されたクルルが突如離反を表明して結成した現地(地球)人部隊。
部隊員は夏美・冬樹・桃華小雪の4人であり、全員メイド服を着用し小雪と夏美は銀盆を武器の一つとしている。なお、彼らは腰に付けられたバッジによって操られており、それを破壊すれば洗脳は解ける。
もともと高い戦闘力(冬樹の場合は知略)を持っているメンバーで構成されている為、対戦したケロロたちは苦戦させられてしまう。だが、この反逆には別の目的が隠されていた(詳細はこちらを参照)。
66小隊
P-0K0PEN INVETに登場する小隊。
セミ小隊
アニメ281話で登場。クルルが開発したセミコンバーターによってセミの姿になったケロロ小隊。サナギの状態から成虫へ「キャストオフ」「チョーリキショーライ」の掛け声で羽化する。

ケロロ小隊のコピーロボット[編集]

コピーロボットには3種類ある。いずれもアニメ版のみに登場する。

アニメ第57話のコピーロボット[編集]

ケロロが侵略会議をサボって遊園地に『超精神ジャバライザー』のショーを見に行くためにクルルに作ってもらったコピーロボット。ゆえにケロロのバージョンしか存在しない。額の星が赤色ではなく青色であるので判別可能である。「それはただいまレポート作成中であります」と何度も言ったためギロロに怒られて投げ飛ばされた結果壊れてしまった(あるいは同じ台詞を何度も繰り返していた時点で壊れていたともいえる)。

アニメ3rdシーズン以降のコピーロボット[編集]

初登場は第104話Aパート。このコピーロボットは明らかに本物と違うのだが、ケロロ小隊とナレーター以外は誰も気づかない(第104話B パートではナレーションも気づいていない)。

本物との相違点[編集]

  • ケロロ小隊の5人は全員、足のつま先と目の形状が異なる(これはにせウルトラマンと同じ相違点である)。
  • 目の形状はコピーロボットは四角く(ギロロは三角)、本物は丸い(ギロロは半円)。
  • 共鳴が異なる(音階が定まらないうえ、不協和音になっている)。
  • ケロロのコピーロボットは鳴き声が「ゲロゲロ…」ではなく「ケロケロ…」である。
  • タママのコピーロボットは語尾が「ですぅ」ではなく「でしぃ」である。
  • ギロロのコピーロボットは語尾に「だぜ」が付く。
  • クルルのコピーロボットは帽子の形状が異なる。さらに、笑い方も「ク〜ックックックッ」ではなく「クク〜ックックッ」である(太字部分はアクセント)。
  • ドロロのコピーロボットはトラウマを一切感じない(第130話ではトラウマモードが存在する)。さらに、第130話では語尾が「ござる」ではなく「ごじゃる」または「ごじゃります」になっている。
  • 冬樹のコピーロボットはアホ毛が2本になっている。
  • 夏美のコピーロボットはツインテール縦ロールになっている。
  • モアのコピーロボットは髪の分け目が左右逆になっている。

劇中での経緯[編集]

第104話Aパートでは侵略モード・家事モード・休憩モードの3つのモードがあった。ケロロたちが慰安旅行に行く際、コピーロボットを家事モードにして留守番役をさせるつもりだったのだが、間違えて侵略モードにセッティングしたため暴走していた。

第130話Aパートではクルルが侵略モードを削除し家事手伝いモードに最適化を図ったものの、コピーロボットたちが強い自我を持つようになり全く融通がきかなくなりやはり自己暴走し始めた。更に同話Bパートではガルル小隊と死闘を繰り広げたが、ガルル小隊もまたコピーロボットを本物のケロロ小隊だと最後まで勘違いしていた。しかし戦闘後のガルル小隊を見ると、ガルルだけはケロロ達がコピーロボットと気付いていた様子だが、「勝って兜の尾を締めよ」を部下達に学ばせる為に黙殺した。さらにコピーロボットが非常に強かったためガルル小隊は自分たちがおごり高ぶっていたと自覚し、ケロロ小隊のもとへ行って自分たちに活を入れてくれたことを感謝するという事態が起こった。もちろん当のケロロ小隊には身に覚えがないため、ガルル小隊が自分達に会いに来た理由が全くわからなかった。因みに130話から初登場したプルル看護長はケロロのコピーロボットと戦った。

第182話Bパートで3度目の登場をした。ケロロ小隊は「相手そっくりに化けて本物と入れ替わる」という侵略作戦を立てたが、ロボットの暴走によりタママ以外の本物は全員基地に閉じ込められてしまう。この回では冬樹・夏美・モアのコピーロボットも登場し、さらに全コピーロボットが相違点を排して本物とまったく同じ姿で登場している。タママのもののみ初めは以前と同じような外見で登場したが、能力比べに勝った後はタママと完全に同じ外見になり、背中のスイッチすらも見えない状態になった(ただし、語尾のみは変わっていない)。

第193話Aパートではクルルのコピーロボットのみ登場。クルルが初詣に行くことを面倒がり、代わりに「初詣モード」に設定したコピーロボットに行かせた。なお、この回では他に「昼寝モード」というモードが存在していたが詳細は不明。

第260話Bパート[2]ではケロロ小隊のうちタママ以外の4人のコピーロボットが登場。地球侵略前のパレードにケロロ・ギロロ・ゼロロ(当時)がいなかったと知り、クルルが自身のコピーロボットとケロロら3人のコピーロボットを用意し、パレードに参加させた(クルル自身はパレードを面倒だと言って放棄していた)。

第346話Bパートではケロロのコピーロボットのみ登場。超空間ゲートの事故によりケロロの肉体が形を失い、魂のみの状態になってしまった(この状態でも自由に移動でき、軽い物体ならば動かせる)。ケロロはこれを利用し、とある経緯により自分の心が蹂躙されたことに対する復讐として夏美を精神的に追い詰めた。コピーロボットは、夏美を不憫に思ったギロロが「ケロロが肉体を失ったというのは作り話であった」という嘘を作り上げる目的で、ケロロ小隊のメンバーとともに用意したものとして登場した。

アニメ217話Aパートのコピーロボット[編集]

正確にはケロロ小隊の所有するロボットではなく、ケロロ達が訓練所時代に使ったものである。ゼロロが父親に買ってもらった市販品で、スイッチである鼻が緑色になっており、本物との差異はその鼻と体色が少し濃いことだけである。また、人工知能のレベルが低いため、単純な作業しかできない。

脚注[編集]

  1. ^ アニメ262話・Aパートより
  2. ^ この話はケロロ小隊が合流したときの話であるため、時系列を考えるとこの回の登場が最初となる。

関連項目[編集]