クーパー・ベーン

クーパー・ベーン (: Cooper vane)は、旅客機の装置のひとつ。ボーイング727DC-9といった後部エアステアのある機種において、飛行中にステアが開かないようにするために装着された。

概要[編集]

後部エアステアを展開したボーイング727

名前は1971年に発生したD.B.クーパー事件に由来する[1]。これは『ダン・クーパー』と名乗る男がボーイング727ハイジャックした後、飛行中に機体後部のエアステアから身代金とともにパラシュート降下して逃走した事件である(2020年5月現在、未解決)。これ以降も模倣犯による事件が相次ぎ、1972年にアメリカ連邦航空局は、すべてのボーイング727に飛行中の後部エアステア展開を防ぐための改修を義務付けた[2]。この際に取り付けられたのがクーパー・ベーンである。

現代の旅客機では、機内は与圧されており、飛行中にドアを開くことはできない[1]

仕組み[編集]

クーパー・ベーンの写真。左側の進行方向から来る風を受けて、右に90度回転し、ドアが開くのを防ぐ。

クーパー・ベーンは、二枚の金属プレートを垂直に接合させた作りになっている。飛行中、一方のプレートが風圧を受けると、もう一方のプレートが回転して、エアステアのドアを開けないようにする。着陸後、プレートはバネの力で押し戻されて、ふたたびエアステアは開けるようになる。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b What is the Cooper Vane? The SECRET tool to prevent your plane from being hijacked”. デイリー・エクスプレス. 2019年11月12日閲覧。
  2. ^ Shirlee Smith Matheson. Amazing Flights and Flyers. Frontenac House. p. 112. ISBN 978-1897181294