ガブリエル・イノア

ガブリエル・イノーア
Gabriel Ynoa
プエブラ・パロッツ #26
ボルチモア・オリオールズ時代
(2019年6月30日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 ラ・ベガ州コンセプシオン・デ・ラ・ベガ
生年月日 (1993-05-26) 1993年5月26日(30歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2016年8月13日
NPB / 2020年6月23日
CPBL / 2021年3月13日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ガブリエル・イノア・ゴメスGabriel Ynoa Gómez, 1993年5月26日 - )は、ドミニカ共和国ラ・ベガ州コンセプシオン・デ・ラ・ベガ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。メキシカンリーグプエブラ・パロッツ所属。

NPBでの登録名は「ガブリエル・イノーア」。CPBLでの登録名は「加百利」。

経歴[編集]

プロ入りとメッツ時代[編集]

2009年ニューヨーク・メッツと契約してプロ入り。

2010年に傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・メッツ2でプロデビューし、14試合(先発12試合)に登板して5勝3敗、防御率1.99、35奪三振を記録した。

2011年アパラチアンリーグのルーキー級キングスポート・メッツとルーキー級ガルフ・コーストリーグ・メッツでプレーし、2球団合計で12試合(先発7試合)に登板して2勝3敗1セーブ、防御率3.21、27奪三振を記録した。

2012年はA-級ブルックリン・サイクロンズでプレーし、13試合に先発登板して5勝2敗、防御率2.23、64奪三振を記録した。

2013年はA級サバンナ・サンドナッツでプレーし、22試合に先発登板して15勝4敗、防御率2.72、106奪三振を記録し、サウス・アトランティックリーグの最優秀投手に選ばれた。

2014年はA+級セントルーシー・メッツとAA級ビンガムトン・メッツでプレーし、2球団合計で25試合に先発登板して11勝4敗、防御率4.07、106奪三振の成績を残した。オフの11月20日に40人枠入りした[1]

2015年はAA級ビンガムトンでプレーし、25試合(先発24試合)に登板して9勝9敗、防御率3.90、82奪三振を記録した。

ニューヨーク・メッツ時代
(2016年9月25日)

2016年は開幕をAAA級ラスベガス・フィフティワンズで迎えた。8月13日にメジャー初昇格を果たした[2]。メジャーデビューとなった同日のサンディエゴ・パドレス戦では延長11回表から登板して無失点に抑え、裏の攻撃でサヨナラ勝ちしたため、初登板で初勝利を挙げた[3]。この年メジャーでは10試合(先発3試合)に登板して1勝0敗、防御率6.38、17奪三振を記録した。

オリオールズ時代[編集]

2017年2月10日に金銭トレードで、ボルチモア・オリオールズへ移籍した[4]。開幕は傘下のAAA級ノーフォーク・タイズで迎えた。5月4日に昇格すると、翌5日のシカゴ・ホワイトソックス戦で先発のウェイド・マイリーが二度の打球直撃で1回途中に降板した後に緊急登板して6回を無失点で投げ抜き、移籍後初勝利を挙げた[5]

2018年は右脛のストレス反応でシーズン全休となる。10月31日にマイナー契約で再契約した。

2019年は開幕をAAA級ノーフォークで迎え、4月21日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[6]。この年は36試合(先発13試合)に登板して1勝10敗、防御率5.61、67奪三振を記録した。オフの11月4日にマイナー契約でAAA級ノーフォークへ配属され、同日中にFAとなった[7]

ヤクルト時代[編集]

2019年12月6日に東京ヤクルトスワローズが獲得を発表した[8]

2020年は投手力不足が深刻なチーム状況の中で先発要員として期待されたものの、4度の登板で1回もクオリティスタートを記録せず、5度目の登板で2回7失点を喫し降板、登録抹消される[9]。抑えとして起用された6度目の登板でもたった6球でジェリー・サンズにサヨナラソロホームランを打たれ敗戦投手になった[10]。10月12日に退団が発表された[11]。この時点で既にドミニカ共和国に帰国していた[12]

中信兄弟時代[編集]

2020年12月28日、CPBL中信兄弟と契約した[13][14]

2021年3月13日の統一ライオンズ戦でCPBL初登板を果たし、1回1失点で[15]CPBL初ホールドを記録した[16]。同月18日の味全ドラゴンズ戦でCPBL初先発登板を果たすも[17]、4回1失点(自責点0)で勝敗がつかなかった[18]。5月4日の味全ドラゴンズ戦では8回無失点でCPBL初勝利を挙げた[19]。しかしその後は先発で結果を残すことができず、9月以降は中継ぎに回った[20]。10月4日、家庭の事情により帰国を余儀なくされ、退団することが発表された[21]。最終的には24試合(先発登板12)に登板し3勝3敗、防御率4.01を記録した[22]

メキシカンリーグ時代[編集]

2022年3月30日にメキシカンリーグプエブラ・パロッツと契約を結んだ[1]

投球データ[編集]

2019年の投球データ[24]
球種 配分
%
平均球速
mph (km/h)
水平運動
in
鉛直運動
in
スライダー 30 84 (135) 2 -0
シンカー 29 94 (151) -10 4
フォーシーム 28 94 (151) -7 6
チェンジアップ 13 86 (139) -10 4

公式戦中の速球の最速球速は、2019年8月に記録した96.6mph (155.5km/h)[23]

人物[編集]

トレードマークは長く伸びたひげ。19歳から生やし続け、ドミニカから持参したひげ専用の保湿クリームを塗って整えている。切る時もひげ専用のバリカンで、場所によって長さを変えるなどこだわっている[25]

ヤクルト時代のチームメイトであるスコット・マクガフとは、2017年にオリオールズ傘下のAAA級ノーフォーク・タイズで共にプレーしたことがあり親交がある[26]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2016 NYM 10 3 0 0 0 1 0 0 0 1.000 88 18.1 26 0 7 0 1 17 0 0 13 13 6.38 1.80
2017 BAL 9 4 0 0 0 2 3 0 0 .400 147 34.2 39 5 8 0 1 26 0 0 17 16 4.15 1.36
2019 36 13 0 0 0 1 10 0 0 .091 480 110.2 126 29 26 1 3 67 4 1 77 69 5.61 1.37
2020 ヤクルト 9 6 0 0 0 0 3 0 0 .000 125 24.0 45 8 10 0 0 15 2 0 29 27 10.13 2.29
2021 兄弟 24 12 0 0 0 3 3 1 3 .500 363 83.0 93 8 16 0 6 61 3 1 41 37 4.01 1.31
MLB:3年 55 20 0 0 0 4 13 0 0 .235 715 163.2 191 34 41 1 5 110 4 1 107 98 5.39 1.42
NPB:1年 9 6 0 0 0 0 3 0 0 .000 125 24.0 45 8 10 0 0 15 2 0 29 27 10.13 2.29
CPBL:1年 24 12 0 0 0 3 3 1 3 .500 363 83.0 93 8 16 0 6 61 3 1 41 37 4.01 1.31
  • 2020年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手(P)












2016 NYM 10 3 1 0 0 1.000
2017 BAL 9 6 6 0 3 1.000
2019 36 7 8 2 0 .882
2020 ヤクルト 9 1 5 0 2 1.000
MLB 55 16 15 2 3 .939
NPB 9 1 5 0 2 1.000
  • 2020年度シーズン終了時

記録[編集]

NPB投手記録
NPB打撃記録
CPBL投手記録

背番号[編集]

  • 63 (2016年)
  • 49 (2017年)
  • 64 (2019年)
  • 25 (2020年)
  • 55 (2021年)

登場曲[編集]

  • 「Dale Zoom Ñao ñao(El Viejo Liopo, La Ñata)」Ceky Viciny(2020年)
  • 「Stax of soul」Network Music Ensemble(2020年)

脚注[編集]

  1. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2022年5月18日閲覧。
  2. ^ http://www.nj.com/mets/index.ssf/2016/08/mets_activate_jose_reyes_from_disabled_list_promot.html
  3. ^ “Mets blow lead, win in 11” (英語). Times Herald-Record. Associated Press. (2016年8月13日). http://www.recordonline.com/article/20160813/SPORTS/160819712 2017年1月9日閲覧。 
  4. ^ Brittany Ghiroli (2017年2月10日). “O's acquire righty Ynoa from Mets for cash” (英語). MLB.com. 2017年2月12日閲覧。
  5. ^ Brittany Ghiroli; Josh Needelman (2017年5月6日). “Davis, Ynoa boost Orioles over White Sox” (英語). MLB.com. http://m.mlb.com/news/article/228503120/orioles-use-strong-relief-to-defeat-white-sox/ 2017年5月6日閲覧。 
  6. ^ Joe Trezza (2019年4月21日). “Orioles designate Wright, recall Ynoa” (英語). MLB.com. 2019年4月22日閲覧。
  7. ^ Orioles Outright Gabriel Ynoa” (英語). MLB Trade Rumors (2019年11月4日). 2019年11月6日閲覧。
  8. ^ ヤクルトにメジャー右腕イノーア!今季オリオールズで36戦登板、奥川とV奪回ローテだ”. SANSPO.COM(サンスポ) (2019年12月6日). 2020年2月24日閲覧。
  9. ^ 高津監督大敗「反省して検証」先発イノーア2回降板”. www.nikkansports.com. 日刊スポーツ (2020年7月28日). 2020年9月2日閲覧。
  10. ^ 阪神サンズがサヨナラ弾 ヤクルト・イノーア3敗目”. www.nikkansports.com. 日刊スポーツ (2020年9月1日). 2020年9月2日閲覧。
  11. ^ ヤクルト・イノーアが退団「感謝」今季9試合登板 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2021年1月16日閲覧。
  12. ^ ヤクルト・イノーアが退団「感謝いたします」すでに帰国”. www.sanspo.com. サンスポ (2020年10月12日). 2020年10月14日閲覧。
  13. ^ https://twitter.com/gocpbl/status/1343281411847933952?s=21
  14. ^ 燕退団のイノーアが台湾の中信兄弟に加入 林威助監督&元虎ガルシアと共闘へ”. ベースボールキング (2020年12月28日). 2020年12月28日閲覧。
  15. ^ 自由時報電子報 (2021年3月13日). “中職Live》獅代打姚雨翔敲適時安 象 6:4 獅 - 自由體育”. 自由時報電子報. 2021年3月13日閲覧。
  16. ^ 【中職開幕戰】新洋投加百利初登板拿中繼點 助總:第1場算是OK | 蘋果新聞網 | 蘋果日報” (中国語). 蘋果新聞網. 2021年3月13日閲覧。
  17. ^ 自由時報電子報 (2021年3月18日). “中職》兄弟加百利先發求勝 味全林子昱生涯一軍首戰 - 自由體育”. 自由時報電子報. 2021年3月18日閲覧。
  18. ^ 聯合新聞網 (20210319T011506Z). “中職/最殺壽星!林明杰單場5助殺 | 聯合新聞網:最懂你的新聞網站” (中国語). 聯合新聞網. 2021年3月19日閲覧。
  19. ^ 中信兄弟打線強力支援 加百利終取來臺首勝 - 中職 - 棒球” (中国語). 運動視界 Sports Vision. 2021年5月4日閲覧。
  20. ^ 中繼13.1局無失分後可能轉先發 加百利:隨時都可以” (中国語). tw.news.yahoo.com. 2021年9月28日閲覧。
  21. ^ https://sports.ltn.com.tw/amp/news/breakingnews/3693228?__twitter_impression=true
  22. ^ 聯合新聞網 (20211005T184805Z). “中職/明年想待整季 加百利離台最想念隊友和蝦仁炒飯 | 聯合新聞網:最懂你的新聞網站” (中国語). 聯合新聞網. 2021年10月5日閲覧。
  23. ^ a b BrooksBaseball.net Player Card: Gabriel Ynoa”. www.brooksbaseball.net. 2020年5月25日閲覧。
  24. ^ RS: 13先発・23救援・110.2回。Brooksbaseball.netに基づく[23]
  25. ^ 『ひげ男』ヤクルト・イノーアに高津監督「力はある」
  26. ^ ヤクルト獲得イノーア先発期待「バリントンのよう」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]