エルネスト・ブーランジェ

エルネスト・ブーランジェ
Ernest Boulanger
1872年頃
基本情報
生誕 1815年9月16日
フランス王国 パリ
死没 (1900-04-14) 1900年4月14日(84歳没)
フランスの旗 フランス共和国 パリ
ジャンル クラシック
職業 作曲家指揮者

エルネスト・アンリ・アレクサンドル・ブーランジェ(Ernest Henri Alexandre Boulanger 1815年9月16日 - 1900年4月14日)は、フランスコミック・オペラ作曲家指揮者。合唱音楽の作曲家、合唱団の支配人、声楽教師、声楽コンクールの審査員としてよりよく記憶に留められている[1]

生涯[編集]

ブーランジェはパリの音楽一家に生まれた。父のフレデリック・ブーランジェはチェリスト、パリ音楽院の歌唱の教授であった。1979年には音楽院でチェロの一等賞を獲得しており、サント・シャペルの所属であった。しかし、エルネストがまだ幼い子どもの頃に家族を残して出奔している[2]。母のマリー=ジュリー・アリニェはパリのオペラ=コミック座で歌うメゾソプラノだった[3]。エルネストはパリ音楽院時代にジャン=フランソワ・ル・スュールジャック・アレヴィの薫陶を受けた。シャルル=ヴァランタン・アルカンにピアノを師事し、ダニエル=フランソワ=エスプリ・オベールフェルディナン・エロルドにオペラ作曲の指導を仰いだ[4][5]

ブーランジェは19歳であった1835年にカンタータ『アチーユ』でローマ賞を獲得した[6]。1842年にはコミック・オペラの作曲家、及び指揮者として名を馳せはじめる。1842年から1877年の間に、彼は計12作のコミック・オペラを生み出した。代表作である全3幕のオペラ『ドン・キホーテ』は1869年にリリック座で初演された。最も上演回数の多い作品であった1幕の『Les Sabots de la marquise』(公爵の木靴)は1854年にオペラ・コミック座で初演された作品である[4]。彼は1870年にレジオンドヌール勲章のシェヴァリエに叙され、1871年にパリ音楽院の声楽科の教授に就任する。1881年には芸術アカデミー会員に任命される。パリの文化人の集まりの中で、ブーランジェはシャルル・グノージュール・マスネカミーユ・サン=サーンス、William Bouwensと付き合った[7]

ブーランジェはサンクトペテルブルクで、41歳年下の妻ライッサ・ミチェツキー(旧姓:ミチェツカヤ 1856年-1935年)と出会った。彼女はミハイル2世の子孫にあたるロシアの公女であり[8]、ブーランジェは彼女の歌唱の指導者であった[9]。2人は1877年に結婚してパリへ移住、2女を儲けた。教師、作曲家となったナディア[10]、作曲家となったリリである[1]。父と同様に娘たちもローマ賞に応募し、ナディアは1908年に2等賞、リリは1913年に1等賞を獲得している[6]

主要作品[編集]

  • Le Moulin (1840年、ウジェーヌ・ド・プラナール英語版リブレット
  • Le Diable à l'École (1842年、ウジェーヌ・スクリーブのリブレット)
  • Les Deux Bergères (1843年)
  • Une voix (1845年、アルフレッド・バヤール、シャルル・ポトロンのリブレット)
  • La Cachette (1847年)
  • Le 15 août aux champs (1852年、ミシェル・カレ英語版のリブレット)
  • Les Sabots de la Marquise (1854年、ミシェル・カレとジュール・バルビエ英語版のリブレット)
  • L'Éventail (1860年、ミシェル・カレとジュール・バルビエのリブレット)
  • Don Quichotte (1869年、ミシェル・カレとジュール・バルビエのリブレット)
  • Don Mucarade (1875年、ミシェル・カレとジュール・バルビエのリブレット)

出典[編集]

  1. ^ a b Rosenstiel, Léonie (1978). The life and works of Lili Boulanger. Fairleigh Dickinson University Press. pp. 12, 25. ISBN 978-0-8386-1796-0. https://books.google.com/books?id=u7MHAQAAMAAJ 2012年4月24日閲覧。 
  2. ^ Potter, Caroline (2006). Nadia And Lili Boulanger. Ashgate Publishing, Ltd.. p. 2. ISBN 978-0-7546-0472-3. https://books.google.com/books?id=ThJsgrEhbocC&pg=PA2 2012年4月24日閲覧。 
  3. ^ Meyerbeer, Giacomo; Letellier, Robert Ignatius (1999). The Diaries of Giacomo Meyerbeer: 1791–1839. Fairleigh Dickinson Univ Press. p. 106. ISBN 978-0-8386-3789-0. https://books.google.com/books?id=K3V2vCxvYNkC&pg=PA106 2012年4月24日閲覧。 
  4. ^ a b Baker, Theodore (1905). A biographical dictionary of musicians (Public domain ed.). G. Schirmer. pp. 655. https://archive.org/details/abiographicaldi00bakegoog 2012年4月28日閲覧。 
  5. ^ Pauer, Ernst (1895). A dictionary of pianists and composers for the pianoforte: with an appendix of manufacturers of the instrument (Public domain ed.). Novello. pp. 14. https://archive.org/details/dictionaryofpian00paueiala 2012年4月28日閲覧。 
  6. ^ a b Dunbar, Julie C. (17 December 2010). Women, Music, Culture: An Introduction. Taylor & Francis. p. 218. ISBN 978-0-415-87562-2. https://books.google.com/books?id=W0cQNJUX5BAC&pg=PA218 2012年4月24日閲覧。 
  7. ^ Lilli Boulanger”. Pittsburgh Symphony Orchestra. 2012年5月11日閲覧。
  8. ^ Campbell, Don G. (August 1984). Master teacher, Nadia Boulanger. Pastoral Press. p. 17. ISBN 978-0-912405-03-2. https://books.google.com/books?id=QZ4ZAQAAIAAJ 2012年4月28日閲覧。 
  9. ^ Kuhlman, Erika A. (2002). A to Z of Women in World History. Infobase Publishing. pp. 151–. ISBN 978-0-8160-4334-7. https://books.google.com/books?id=VvmRG0f160MC&pg=PA151 2012年4月28日閲覧。 
  10. ^ Spycket, Jérôme (1992). Nadia Boulanger. Pendragon Press. p. 15. ISBN 978-0-945193-38-8. https://books.google.com/books?id=_-VcUAeWQr0C&pg=PA15 2012年4月24日閲覧。 

外部リンク[編集]