ウクレレ

ウクレレ

ウクレレukuleleukeleleハワイ語: ʻukulele)は、フレットが施された小型の弦楽器である。日本で最も普及しているのは、小さなギターのような胴体をもつ4弦のソプラノウクレレであるが、弦の数や胴体の形状、サイズにはさまざまな種類がある。また日本ではウクレレというとハワイアン音楽の楽器というイメージが強いが、世界では多彩な音楽シーンで使われている。

解説[編集]

ポルトガルからの移民が持ち込んだブラギーニャ(braguinha)と呼ばれる楽器を起源とし、ハワイで独自に改良を重ねられて現在の形になったとされる。高級なものにはしばしばハワイ特産のコアの木koa)が材料として用いられる。また、現在のウクレレを確立したのはエマヌエル・ヌナスとされている。

ウクレレという言葉はハワイ語で「飛び跳ねる(lele)ノミ(ʻuku)」という意味で、当時の人気奏者のあだ名から取られたとも、小さな楽器の上で奏者の指が目まぐるしく動く様を表現したとも言われている。

種類[編集]

ウクレレには大別して4つのサイズがあり、小さいものから大きいものの順にソプラノ(スタンダード)、コンサート(アルト)、テナー、バリトンと名付けられている。

ソプラノより小さなタイプである「ポケット」や、バリトンよりも大きな「バス」を加えると6種類となる。

バリトンウクレレはサイズ・スケールともにテナーギターと同一である。

またウクレレから派生した楽器として、8弦のタロパッチや、胴の部分がバンジョーと同じ構造となったバンジョーウクレレなどが存在する。

以下のインチ(in)やセンチメートル(cm)によるサイズは、あくまでも目安である。

標準的なウクレレの大きさと調弦
種別 別名 長さ 弦長 フレットの数 音域 調弦 変則調弦
ポケット ピッコロ, ソプラニーノ, ソプラニッシモ 16 in (41 cm) 11 in (28 cm) 10–12 G4–D6 (E6) D5 G4 B4 E5 C5 F4 A4 D5
ソプラノ スタンダード, ウクレレ 21 in (53 cm) 13 in (33 cm) 12–15 C4–A5 (C6) G4 C4 E4 A4[1] A4 D4 F4 B4

G3 C4 E4 A4[1]

コンサート ウクレレ 23 in (58 cm) 15 in (38 cm) 15–18 C4–C6 (D 6) G4 C4 E4 A4[1] G3 C4 E4 A4[1]
テナー タロ・パッチ, リリウ 26 in (66 cm) 17 in (43 cm) 17–19 G3–D6 (E6) G4 C4 E4 A4 (ハイG)

G3 C4 E4 A4 (ローG)

D4 G3 B3 E4[1]

A3 D4 F4 B4
D3 G3 B3 E4

バリトン バリ, バリ・ウケ, タロパッチ 29 in (74 cm) 19 in (48 cm) 18–21 D3–A5 (C 6) D3 G3 B3 E4 C3 G3 B3 E4
バス U-バス, ランブラー 32 in (81 cm) 21 in (53 cm) 16 E1–B3 E1 A1 D2 G2 D1 A1 D2 G2 (ドロップD)

ソプラノ、コンサート、テナーは、一般に低音から高音へ順に、G-C-E-A にチューニングされるが、実はG弦は一オクターブ高く調弦されるために、その音程はE弦とA弦の中間に位置する。このためダウンストローク、アップストローク共に高音弦から入ることとなり、コード演奏時には独特の軽やかな響きが生まれる。

ソロ演奏においては音域の狭さをカバーするためにGを1オクターブ下げたLow-Gというチューニングも多用される。その際はG弦をLow-G専用のものに張り替える必要があるが、クラシックギターの3弦を代用することも可能。

バリトンについては、ギターの高音側4弦と同様に D-G-B-E にチューニングされることが多い。

かつてアメリカ合衆国では、現在よりも1音高いA-D-F#-B(アメリカンチューニング)が標準とされた。このチューニングは同国内では現在もしばしば使われることがある。

鏡の国のウクレレは大阪芸術大学准教授の中野圭によって発明されたウクレレで2019年9月に台北の林舎文化Lin's Cultureで世界初演された。左利きウクレレ奏者の為に右利き用の通常のウクレレを活用してもらえるような発明で通常と左右逆向きに構えて演奏される。特許「弦楽器」。

ブラジルにも カヴァキーニョcavaquinho)と呼ばれるウクレレに類似した4弦の楽器があり、サンバの伴奏などで頻繁に使用される。これはウクレレとは異なり金属弦が用いられ、通常 D-G-B-D とチューニングされる。さらに南米のティプレtiple 10弦)や、タヒチ島のタヒチアン・ウクレレ(8弦)なども起源を同じくする楽器であると考えられる。

その他[編集]

  • 英語での発音は「ウクレレ」ではなく、「ユーカレイリー」に近い音になることに留意する必要がある。なお、本来のハワイ語での発音は「ウクレレ」に近い。
  • 洗足学園音楽大学学生(のちプロ奏者)の望月和介が世界初のウクレレ協奏曲とされる『ウクレレのための小協奏曲』を作曲した[2]

著名な奏者[編集]

アメリカ合衆国[編集]

おもにウクレレ奏者、ウクレレを弾く歌手として知られる人物
ウクレレも弾くミュージシャン
ウクレレも弾くその他の著名人

日本[編集]

日本で活動する外国人を含む。

おもにウクレレ奏者、ウクレレを弾く歌手として知られる人物
ウクレレも弾くミュージシャン
ウクレレ漫談家
ウクレレも弾くその他の著名人
ウクレレも弾くモデル

その他の地域[編集]

おもにウクレレ奏者、ウクレレを弾く歌手として知られる人物
ウクレレも弾くミュージシャン
ウクレレも弾くその他の著名人

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e Ukulele/Banjouke” (2014年1月2日). 2016年11月30日閲覧。
  2. ^ 第7回ジ・ウクレレコンテスト出場者のご紹介

参考文献[編集]

  • トニー・ベーコン『世界で一番美しいアメリカン・ギター大名鑑 ヴィジュアルでたどるヴィンテージ・ギターの歴史』(DU BOOKS、2013年)ISBN 978-4-92506-472-9

外部リンク[編集]