ウォレス・スティーヴンズ

ウォレス・スティーヴンズ(Wallace Stevens、1879年10月2日 - 1955年8月2日)は、アメリカ合衆国モダニズム詩人

概略[編集]

ペンシルベニア州レディングの裕福な法律家の家に生まれ、ハーヴァードニューヨーク法律学校に学び、生涯をコネティカット州ハートフォード保険会社に勤務し、1934年には副社長に就任した。

1923年に最初の詩集『足踏みオルガン(Harmonium)』を刊行、これを改訂して1930年に改訂版を出した。第二期には『夏の移転』『青いギターの男』などを刊行した11年間で、次いで『秋のオーロラ(The Auroras of Autumn)』を1950年代に刊行、1951年に同作で全米図書賞を受賞した。1955年にその詩業によってピューリッツァー賞 詩部門を受賞した。死の前年には全詩集を刊行した。

穏健な詩体だが古語や難語を多用し、独自の象徴用語を用いた難解で観念的な瞑想詩であった[1]

日本語訳[編集]

  • 『美と秩序の理念 W.スティーヴンズ詩集』(中部日本詩人双書) 池谷敏忠訳. 宇宙時代出版部, 1963
  • 『ウォレス・スティーヴンズ詩集』池谷敏忠 訳. 千種正文館, 1969
  • 『ウォレス・スティーヴンズ格言集』池谷敏忠 訳. 千種正文館, 1971
  • 『場所のない描写 ウォーレス・スティーヴンズ詩集』加藤文彦,酒井信雄訳. 国文社, 1986
  • 『世界詩人全集 第21」ウォレス・スティーヴンズ(鍵谷幸信訳) 新潮社, 1969
  • 『ウォレス・スティーヴンズ詩集』堀田三郎訳. 英宝社, 2022

日本での研究書[編集]

  • 新倉俊一 編著『ウォレス・スティーヴンズ』(現代英米文学セミナー双書)山口書店, 1982
  • 池谷敏忠『ウォレス・スティーヴンズ研究』晃学出版, 1990
  • 嶋崎陽子『アメリカの詩心 ディキンスンとスティーヴンズ』沖積舎, 1998
  • 田中泰賢『アメリカ現代詩の愛語 スナイダー/ギンズバーグ/スティーヴンズ』英宝社, 1998
  • 阿部公彦『モダンの近似値 スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド』松柏社, 2001
  • 富山英俊編『アメリカン・モダニズム パウンド・エリオット・ウィリアムズ・スティーヴンズ』せりか書房, 2002.4
  • 古賀哲男『ウォレス・スティーヴンズ 生存のための詩』世界思想社, 2007

脚注[編集]

  1. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ). “スティーブンズとは”. コトバンク. 2020年10月11日閲覧。