ウィルマー・フローレス

ウィルマー・フローレス
Wilmer Flores
サンフランシスコ・ジャイアンツ #41
ニューヨーク・メッツ時代
(2016年3月17日)
基本情報
国籍 ベネズエラの旗 ベネズエラ
出身地 カラボボ州バレンシア
生年月日 (1991-08-06) 1991年8月6日(32歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
213 lb =約96.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手二塁手三塁手一塁手
プロ入り 2007年 アマチュアFA
初出場 2013年8月6日
年俸 350万ドル(2022年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ウィルマー・アレハンドロ・フローレス・ガルシアWilmer Alejandro Flores Garcia, 1991年8月6日 - )は、ベネズエラカラボボ州バレンシア出身のプロ野球選手内野手)。右投右打。MLBサンフランシスコ・ジャイアンツ所属。愛称はカティーレCatire[1]同名の弟もプロ野球選手である[2]

経歴[編集]

プロ入りとメッツ時代[編集]

ニューヨーク・メッツ時代
(2018年6月26日)

2007年8月6日、16歳の誕生日にニューヨーク・メッツと契約してプロ入り。

2008年、傘下のアパラチアンリーグのルーキー級キングスポート・メッツ英語版でプロデビュー。59試合に出場して打率.310、8本塁打、41打点、2盗塁を記録した。8月からA-級ブルックリン・サイクロンズ、A級サバンナ・サンドナッツに所属。同年の「Baseball America Rookie All-Star Team」、「APP Post-Season All-Star Team」に選ばれた[3]

2009年はA級サバンナに所属し、125試合に出場して打率.264、3本塁打、36打点、3盗塁を記録した。7月にはオールスター・フューチャーズゲームに選出された。

2010年はA級サバンナで開幕を迎え、66試合に出場。打率.278、7本塁打、44打点、2盗塁の成績で、6月にA+級セントルーシー・メッツへ昇格。67試合に出場した。

2011年はA+級セントルーシーに所属し、133試合に出場して打率.269、9本塁打、81打点、2盗塁を記録した。

2012年もA+級セントルーシーに所属。遊撃手から三塁手に転向した。シーズン中に開催されたフロリダ・ステートリーグのオールスター戦で3打点を挙げMVPに選出された[4]。その後2度目となるオールスター・フューチャーズゲームに出場した。6月下旬にAA級ビンガムトン・メッツに昇格し、66試合に出場した。

2013年は開幕をAAA級ラスベガス・フィフティワンズで迎え、107試合に出場した。打率.321、15本塁打、86打点、1盗塁と結果を残し、22歳の誕生日である8月6日にメジャー初昇格を果たした[5][6]。同日のコロラド・ロッキーズ戦でメジャーデビュー。「6番・三塁手」でスタメン起用され、4打数無安打だった。最終的に27試合に出場して打率.211、1本塁打、13打点を記録した。

2014年は開幕直後の4月2日にメジャーに昇格。この年はメジャーとAAA級ラスベガスを往復しながら経験を積み、78試合に出場して打率.251、6本塁打、29打点、1盗塁を記録した。

2015年は初めて開幕25人枠入りし、遊撃手または二塁手として先発出場する機会が増えた。7月29日にはミルウォーキー・ブルワーズカルロス・ゴメスとのトレードが成立と複数のメディアで報道され、それを知ったフローレスは当日の試合中、守備に就きながら涙を流していた。しかし試合後、このトレードは破談となったと発表され、フローレスはメッツに残留となった[7][8]。そして2日後の31日のワシントン・ナショナルズとの首位攻防戦、「6番・二塁手」として先発出場したフローレスは1-1で迎えた12回裏にサヨナラ本塁打を放ち、勝利をもたらした[9]。フローレス本人も「トレード報道は少し堪えた。自分はニューヨークが好きだし、ファンも素晴らしいからね」「試合中にファンの声援がよく聞こえた。その声援に本当に感謝したい。このホームランは自分にとって大きな意味を持つよ」と興奮気味に声を震わせた[10]。レギュラーシーズンでは137試合に出場し、自身初の規定打席に到達した。打率.263、16本塁打、59打点という成績を記録した。2015年のワールドシリーズに出場したが、カンザスシティ・ロイヤルズに1勝4敗で敗退した。

2016年は控え内野手に降格となった。7月3日のシカゴ・カブス戦でメッツの選手としてエドガルド・アルフォンゾ以来2人目となる1試合6安打の大活躍だった[11]。9月10日のアトランタ・ブレーブスでは走者としてホームプレート上でA.J.ピアジンスキーと衝突し、右手首を負傷してシーズンを終え、10月8日に手術を受けた[12]。この年は103試合に出場。打率.267、16本塁打、49打点、1盗塁、OPS.788という成績を記録した。

2017年9月2日のヒューストン・アストロズ戦でファウルチップが自身の顔面に直撃する事故で鼻を骨折し、シーズンを終えた[13]

2018年6月26日のピッツバーグ・パイレーツ戦で自身10回目のサヨナラ打犠飛を含む)でデビッド・ライトの持っていた球団最多記録を更新した[14]。11月30日にノンテンダーFAとなった[15]

ダイヤモンドバックス時代[編集]

2019年1月16日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと1年425万ドルの契約を結んだ。9月9日のシティ・フィールドでのメッツ戦は、試合前に古巣での活躍した映像が流されて温かく迎えられた。メッツではダニエル・マーフィー以来3年ぶりのできごとだった[16]。オフの10月31日にFAとなった[17]

ジャイアンツ時代[編集]

2020年2月12日にサンフランシスコ・ジャイアンツと2年625万ドルの契約を結んだ[18]。この年は新型コロナウイルスの影響で60試合制の短縮シーズンながら、12本塁打、32打点などの好成績だった。

2021年は139試合の出場で球団として9年ぶりの地区優勝に貢献した。自身6年ぶりのポストシーズンに出場したが、ロサンゼルス・ドジャースとのディビジョンシリーズで12打数1安打の不振で、チームも敗退した。

2022年シーズン終盤の9月13日にジャイアンツと2024年までの2年1650万ドルで契約延長に合意した(2025年は850万ドルの球団オプションまたは350万ドルの選手オプション)[19]リーダーシップスペイン語の通訳としても高く評価された[20]

選手としての特徴[編集]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2013 NYM 27 101 95 8 20 5 0 1 28 13 0 0 0 1 5 0 0 23 1 .211 .248 .295 .542
2014 78 274 259 28 65 13 1 6 98 29 1 0 1 1 12 2 1 31 6 .251 .286 .378 .664
2015 137 510 483 55 127 22 0 16 197 59 0 1 2 2 19 2 4 63 12 .263 .295 .408 .703
2016 103 335 307 38 82 14 0 16 144 49 1 1 0 3 23 0 2 48 9 .267 .319 .469 .788
2017 110 362 336 42 91 17 1 18 164 52 1 1 0 6 17 1 3 54 14 .271 .307 .488 .795
2018 126 429 386 43 103 25 0 11 161 51 0 0 0 9 29 1 5 42 8 .267 .319 .417 .736
2019 ARI 89 285 265 31 84 18 0 9 129 37 0 0 0 1 15 0 4 31 9 .317 .361 .487 .848
2020 SF 55 213 198 30 53 11 1 12 102 32 1 0 0 1 13 1 1 36 5 .268 .315 .515 .830
2021 139 436 389 57 102 16 1 18 174 53 1 0 0 3 41 0 3 56 11 .262 .335 .447 .782
2022 151 602 525 72 120 28 1 19 207 71 0 0 0 7 59 1 11 103 7 .229 .316 .394 .710
2023 126 454 405 51 115 22 0 23 206 60 0 0 0 3 41 1 5 63 13 .284 .355 .509 .863
MLB:11年 1141 4001 3648 455 962 191 5 149 1610 506 5 3 3 37 274 9 39 550 95 .264 .319 .441 .760
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)
















































2013 NYM - 2 3 2 0 1 1.000 26 13 55 2 4 .971 -
2014 - 19 40 46 1 13 .989 1 0 0 0 0 ---- 51 54 135 4 33 .979
2015 - 37 61 92 0 22 1.000 - 103 119 267 14 62 .965
2016 27 135 15 1 14 .993 18 24 42 2 8 .971 51 36 55 6 8 .938 8 9 8 1 1 .944
2017 29 158 6 0 16 1.000 12 19 22 1 6 .976 55 23 81 8 8 .929 -
2018 83 576 32 3 49 .995 13 11 18 0 3 1.000 10 6 13 3 2 .864 -
2019 ARI 16 47 4 0 4 1.000 64 77 118 6 26 .970 - -
2020 SF 14 86 6 1 7 .989 14 19 35 0 9 1.000 3 2 5 2 0 .778 -
2021 34 154 14 2 17 .988 30 28 38 1 9 .985 58 23 89 7 6 .941 -
2022 45 279 20 3 24 .990 61 80 118 0 27 1.000 34 14 50 4 5 .941 -
2023 61 412 27 2 38 .995 6 2 3 0 0 1.000 22 6 33 7 3 .848 -
MLB 309 1847 124 12 169 .994 276 364 534 11 124 .988 260 123 381 39 36 .928 162 182 410 19 96 .969
  • 2023年度シーズン終了時

記録[編集]

MLB
  • 1試合6安打:2016年7月3日(メッツ史上2人目[11]
  • 通算サヨナラ打:10回(メッツの球団記録[14]
MiLB

背番号[編集]

  • 4(2013年 - 2018年)
  • 41(2019年 - )

脚注[編集]

  1. ^ Explaining Mets Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月28日閲覧
  2. ^ Shea, John (2022年7月11日). “Giants’ Wilmer Flores has brother in Futures Game — named Wilmer Flores” (英語). サンフランシスコ・クロニクル. 2022年8月9日閲覧。
  3. ^ Wilmer Flores MLB Player Stats
  4. ^ Flores leads South to All-Star win MiLB.com
  5. ^ Wilmer to join Mets on Tuesday ESPN New York
  6. ^ Mets call up highly touted prospect Flores MLB.com
  7. ^ Wilmer Flores Cries After Learning He'd Been Traded, Stays In The Game (UPDATE)”. デッドスピン英語版 (2015年7月29日). 2015年9月14日閲覧。
  8. ^ トレード報道で試合中に涙!メッツ内野手「こらえられなかった」けれど…”. スポーツニッポン (2015年7月30日). 2015年9月14日閲覧。
  9. ^ Moon, Jason (2015年8月1日). “Mets' Flores goes from tears to cheers”. CNN. https://edition.cnn.com/2015/08/01/us/wilmer-flores-mets-crying-home-run/index.html 2015年9月14日閲覧。 
  10. ^ 涙のトレード報道から2日…劇弾のメッツ内野手「ファンに感謝したい」”. スポーツニッポン (2015年8月1日). 2015年9月14日閲覧。
  11. ^ a b Mets' Wilmer Flores goes 6-for-6 vs. Cubs” (英語). MLB.com (2016年7月4日). 2022年9月14日閲覧。
  12. ^ Wilmer Flores has surgery for wrist injury” (英語). MLB.com (2016年10月8日). 2022年9月14日閲覧。
  13. ^ Broken nose ends Wilmer Flores' season” (英語). MLB.com (2017年9月8日). 2022年9月14日閲覧。
  14. ^ a b Mets walk off vs. Pirates on Wilmer Flores hit” (英語). MLB.com (2018年6月27日). 2022年9月14日閲覧。
  15. ^ Mark Feinsand (2018年11月30日). “These players just joined the list of free agents” (英語). MLB.com. 2019年4月3日閲覧。
  16. ^ Wilmer Flores returns to Citi Field” (英語). MLB.com (2019年9月10日). 2022年9月14日閲覧。
  17. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2020年2月17日閲覧。
  18. ^ Maria Guardado (2020年2月12日). “Wilmer, Giants agree to two-year deal” (英語). MLB.com. 2020年2月17日閲覧。
  19. ^ Wilmer Flores, Giants agree to extension” (英語). MLB.com (2022年9月13日). 2022年9月14日閲覧。
  20. ^ Why Wilmer Flores' Giants contract extension was 'no brainer' for both sides” (英語). NBCスポーツ (2022年9月13日). 2022年9月14日閲覧。
  21. ^ Mets' Wilmer Flores loves 'Friends' so much, he made the theme song his walk-up music” (英語). SBネーション英語版 (2016年9月5日). 2022年9月14日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]