アルミランテ・コクレーン級装甲艦

アルミランテ・コクレーン級装甲艦
写真は近代化改装後の「アルミランテ・コクレーン」。
艦級概観
艦種 装甲艦
艦名 人名
前級
次級
性能諸元
排水量 常備3,370トン
満載3,560トン
全長 64.0m
-m(水線長)
全幅 13.9m
吃水 6.4m(常備)
6.65m(満載)
機関 型式不明石炭専焼円筒缶6基
+レシプロ2基2軸推進
最大
出力
4,300hp
最大
速力
12.75ノット(機関航行時)
航続
距離
10ノット/1,200海里(石炭:350~500トン)
乗員 306名
兵装 アームストロング 1849年型 22.9cm(14口径)単装砲6基
アームストロング 1859年型 12cm(-口径)単装砲4基
アームストロング 5.7cm(40口径)単装砲4基
(1889年:アームストロング 1862年型 20.3cm(-口径)単装砲6基
5.7cm(43口径)単装砲6基
オチキス 3.7cm(23口径)回転式機砲6基
35.6cm単装魚雷発射管3~4基)
(1919年、アルミランテ・コクレーンのみ:アームストロング 1864年型 12cm(40口径)単装砲4基
アームストロング 1873年型 7.6cm(45口径)単装砲6基
オチキス 4.7cm(43口径)単装機砲4基)
装甲(鉄製) 舷側:230mm
甲板:なし
シタデル:205mm
司令塔:76~115mm

アルミランテ・コクレーン級装甲艦 (La Classe Almirante Cochrane fragata blindada) は、チリ海軍イギリスに発注した舷側砲郭装甲艦の艦級である。チリ海軍では一等装甲蒸気フリゲートと分類していた。なお、ネームシップと同名の艦が巡洋艦にも存在する。

概要[編集]

写真は竣工後に左舷から撮影されたバルパライソ改め「ブランコ・エンカラダ」。

本級はチリ海軍が沿岸防衛のために発注した装甲艦である。

艦形と武装[編集]

写真は「アルミランテ・コクレーン」の砲郭内部で、主砲の22.9cm後装填砲の操砲を撮影した物
本級の武装配置を示した図。上面図の下部が22.9cm主砲の旋回角と装甲図、上部が甲板上の12cm副砲の配置図。
本級の砲郭内の主砲の配置と旋回角度を示した図。

船体の基本形状は艦首水面下に衝角をもつ平甲板型船体に3本のマストと中央部に1本煙突を持つ当時の一般的な装甲艦の形態である。本級は舷側の砲郭内には22.9cm主砲が単装砲架で片舷3基ずつ計6基が配置されており、床面には円弧状のレールで主砲の砲架の末部に付いた歯車を、砲員がクランクを回転させて旋回・移動させる事ができ、少ない門数でも砲身を出した砲門を支点として砲尾部を動かすことにより広い射界が得られた。副砲の12cm単装砲は甲板上に単装砲架で片舷2基ずつ計4基が配置された。この武装配置により本級は前方向に最大で22.9cm砲4門、後方向に最大で22.9cm最大2門、舷側方向に最大で22.9cm砲3門、12cm砲2門を指向することが出来た。

同型艦[編集]

1873年にヨークシャー Earle Shipbuilding Company造船所にて起工、1874年1月25日進水、1874年12月12日竣工、1908年に練習艦に類別。1935年除籍後解体業者に売却。

1873年にヨークシャー Earle Shipbuilding Company造船所にて起工、1875年に進水、1875年12月に竣工。1876年に「ブランコ・エンカラダ(Blanco Encalada)」と改名。1891年4月23日に議会派に属した本艦はチリ内戦で大統領派の水雷艇の雷撃により戦没。

参考図書[編集]

  • 「世界の艦船増刊 イギリス戦艦史」(海人社)
  • 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]