アリヤ・ジュタヌガーン

 アリヤ・ジュタヌガーン 
Ariya Jutanugarn
2016年 LPGAキングズミル選手権
基本情報
名前 アリヤ・ジュタヌガーン
生年月日 (1995-11-23) 1995年11月23日(28歳)
身長 170 cm (5 ft 7 in)
国籍 タイ王国の旗 タイ
出身地 タイ王国の旗 タイバンコク
経歴
プロ転向 2012年
現在のツアー LPGAツアー
欧州女子ゴルフツアー (LET)
優勝数
LPGAツアー 10勝
女子ヨーロッパ 3勝
LPGAメジャー選手権最高成績
(優勝: 2勝)
ANA 4位(2016年)
全米女子プロ 3位(2016年)
全米女子OP 優勝(2018年)
全英女子OP 優勝(2016年)
エビアン 9位タイ(2016年)
成績
世界ランク最高位 1位
賞金ランク最高位 1位
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アリヤ・ジュタヌガーンタイ語: เอรียา จุฑานุกาล: Ariya Jutanugarn1995年11月23日 - )は、タイ王国の女子プロゴルファーバンコク出身で[1]、現在もバンコク在住[2]。男女を通じ、メジャー選手権を制した初のタイ人ゴルファーである[3]

家族[編集]

モリヤ英語版という、やはりプロゴルファーの姉がいる[4]。2人の父親はソンブーン、母親はナルモン。彼女たちには4人の異母兄弟がいる。2人の姉妹はしばしば同じ試合に出場し、マネジメントを務める両親が同行する[5]。両親はバンコク近郊のローズ・ガーデン・ゴルフコースにプロ向けのゴルフショップを所有している[5]

来歴[編集]

2007年、11歳でホンダLPGAタイランドに出場し、LPGAツアー最年少出場記録を作った[2]。2013年5月初めまでにLPGAツアー3試合、欧州女子ゴルフツアー4試合に出場し、5度に亘って4位以内に喰い込んだ[4]。2012年には2年連続で全米ジュニアゴルフ協会(AFGA)の女子プレイヤー・オブ・ザ・イヤーとなった[1][6]。2012年末にプロに転向し[7]、2013年から欧州女子ゴルフツアーに参戦した。

積極的で大胆不敵なプレースタイルを特徴とする[8][9]。2013年のホンダLPGAタイランドでは最終ホールに向かう時点で2位に2打差をつけていたが、最後にトリプルボギーを叩き韓国朴仁妃に1打差で敗れた[10]。1週間後にシンガポールで開催されたHSBC女子チャンピオンズでは4位に入った[11]。数週間後、モロッコで開催されたLETララ・メリエム・カップ英語版で、プロ転向後初勝利を飾った。この勝利によりLET賞金ランキング1位に躍り出た。2013年5月、バージニア州ウィリアムズバーグにおけるキングスミル・チャンピオンシップ英語版では初日に7アンダーを出し[12]、初日・2日目とトップに立った[13]。しかし3日目に73を叩き、最終日に66と盛り返したものの2打差の3位タイに終わった[14]

2013年のウェグマンズLPGA選手権練習ラウンド中に、水筒で姉のモリヤを追っている時に傾斜を転げ落ちて肩を損傷した[15]。怪我は手術を必要とするほどのものであり、バンコクで手術を受けた[16]

2015年のツアー出場権を得るためのLPGA最終クオリファイングトーナメントで3位タイの成績を残した[17]。2016年のANAインスピレーションでは、3ホールを残して2打差のリードをつけてトップに立っていたが、あがり3ホールで3連続ボギーを叩いて4位でフィニッシュとなった[18]

2016年のヨコハマタイヤLPGAクラシック英語版でLPGAツアー初勝利を飾り、同時にタイ人としては初のLPGAツアー勝利者となった[19]。彼女は続く2つのLPGAトーナメントにも連勝し、LPGA史上において初優勝から3連勝を飾った初のプレーヤーとなった[20]。2016年の全英女子オープンで2位に3打差をつけて優勝し、メジャー初制覇を果たした[3]

2016年のリオデジャネイロオリンピックに金メダル候補の1人として出場、初日首位でフィニッシュと好スタートをきった[21]。しかし2日目途中から左膝に痛みが出て失速、3日目はテーピングなどを施して出場するも13ホールでスコアを12落とし13番ホールで途中棄権した[22]

2017年はシーズン中盤、7トーナメント中5度の予選落ち、1度の途中棄権という不調に見舞われたが、それでもツアー6勝目・7勝目を飾った。2017年、2勝目のツアータイトルとなったのはシーズン最終戦のCMEグループ ツアー選手権であった。最終日を67ストロークでまとめ、賞金500,000ドルを獲得した。シーズン2勝に加え、2位に3回、3位に1回、トップ10入り10回という成績で、2年連続の150万ドル超えとなる1,549,858ドルを獲得、生涯獲得賞金は4,583,332ドルに達した。

2018年は、6月3日の全米女子オープンを含む3勝を挙げた。2018年11月18日、レース・トゥ・CMEグローブ英語版の長丁場を制して100万ドルのボーナスを獲得した。2018年の、LPGAプレイヤー・オブ・ザ・イヤー、平均スコア69.415で年間最少平均スコアのベアトロフィーのタイトル、最多となる17のトップ10フィニッシュ、賞金2,743,949ドルを獲得しLPGAの賞金女王となった。また単シーズンでのスコア60台(57回)とバーディー(470回)の記録を樹立。2018年シーズン終了時点で世界ランク(ロレックス・ランキング)1位となった[23]

アマチュア戦績[編集]

プロ戦績[編集]

LPGAツアー[編集]

凡例
メジャー大会(2勝)
メジャー以外のLPGAツアー(8勝)
No. 日付 トーナメント 優勝スコア トータル ストローク差 2位の選手 賞金(ドル
1 2016年5月8日 ヨコハマタイヤLPGAクラシック英語版 70-69-63-72=274 −14 1打差 アメリカ合衆国の旗 ステイシー・ルイス
アメリカ合衆国の旗 モーガン・プレッセル
大韓民国の旗 エミー・ヤン英語版
195,000
2 2016年5月22日 キングズミル選手権英語版 69-69-65-67=270 −14 1打差 オーストラリアの旗 オー・スヒョン英語版 195,000
3 2016年5月29日 LPGAボルヴィック選手権英語版 65-68-73-67=273 −15 5打差 アメリカ合衆国の旗 クリスティーナ・キム英語版 195,000
4 2016年7月31日 全英女子オープン 65-69-66-72=272 −16 3打差 大韓民国の旗 イ・ミリム英語版
アメリカ合衆国の旗 モー・マーティン英語版
412,047
5 2016年8月28日 カナディアン女子オープン 68-64-67-66=265 −23 4打差 大韓民国の旗 キム・セイヨン英語版 337,500
6 2017年6月11日 マニュライフLPGAクラシック英語版 67-70-65-69=271 −17 プレーオフ 大韓民国の旗 田仁智
アメリカ合衆国の旗 レクシー・トンプソン
255,000
7 2017年11月19日 CMEグループ ツアー選手権 68-71-67-67=273 −15 1打差 アメリカ合衆国の旗 ジェシカ・コーダ英語版
アメリカ合衆国の旗 レクシー・トンプソン
500,000
8 2018年5月20日 キングスミル選手権 (2) 66-67-66=199 −14 プレーオフ 大韓民国の旗 田仁智
日本の旗 畑岡奈紗
195,000
9 2018年6月3日 全米女子オープン 67-70-67-73=277 −11 プレーオフ 大韓民国の旗 金孝周 900,000
10 2018年7月29日 スコットランド女子オープン英語版 67-65-73-66=271 −13 1打差 オーストラリアの旗 ミンジー・リー英語版 225,000

LPGAツアー、プレーオフの記録

No. トーナメント 対戦相手 結果
1 2015 ピュアシルクバハマLPGAクラシック英語版 大韓民国の旗 キム・セイヨン
大韓民国の旗 ユ・ソンヨン英語版
キム・セイヨンが1ホール目バーディで勝利
2 2016 マラソン・クラシック英語版 ニュージーランドの旗 リディア・コ
大韓民国の旗 イ・ミリム
リディア・コが4ホール目バーディで勝利
3 2017 マニュライフLPGAクラシック英語版 大韓民国の旗 田仁智
アメリカ合衆国の旗 レクシー・トンプソン
1ホール目、バーディーで勝利
4 2018 キングスミル選手権 大韓民国の旗 田仁智
日本の旗 畑岡奈紗
2ホール目、バーディーで勝利
5 2018 全米女子オープン 大韓民国の旗 金孝周 2ホールストロークで決着つかず(ジュタヌガーン:8, 金孝周:8)
サドンデス2ホール目でジュタヌガーンがパーを取り優勝

欧州女子ゴルフツアー[編集]

No. 日付 トーナメント 優勝スコア トータル ストローク差 2位の選手
1 2013年3月31日 ララ・メリエム・カップ英語版 69-67-67-67=270 −14 3打差 アメリカ合衆国の旗 ベス・アレン
イングランドの旗 チャーリー・ハル英語版
2 2016年7月31日 全英女子オープン 65-69-66-72=272 −16 3打差 大韓民国の旗 イ・ミリム
アメリカ合衆国の旗 モー・マーティン
3 2018年7月29日 スコットランド女子オープン英語版 67-65-73-66=271 −13 1打差 オーストラリアの旗 ミンジー・リー英語版

メジャー大会[編集]

勝利[編集]

選手権 54ホール目 優勝スコア ストローク差 2位の選手
2016 全英女子オープン 2打リード −16 (65-69-66-72=272) 3打差 大韓民国の旗 イ・ミリム、アメリカ合衆国の旗 モー・マーティン
2018 全米女子オープン 4打リード −11 (67-70-67-73=277) プレーオフ 大韓民国の旗 金孝周

LPGAメジャー大会の成績[編集]

※2018年以前は日程通りの並びではない。

トーナメント 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
シェブロン選手権 DNP T25LA T22LA DNP DNP T20 4 T8 T4 T61
全米女子オープン CUT CUT DNP DNP DNP CUT T17 CUT 1 T26
全米女子プロゴルフ選手権 DNP DNP DNP DNP DNP CUT 3 CUT T40 T10
エビアン選手権 ^ DNP DNP T46 T9 CUT 36 5
全英女子オープン DNP DNP DNP DNP T45 CUT 1 CUT T4 T11
トーナメント 2020 2021 2022
シェブロン選手権 T11 T60 T53
全米女子オープン T9 T7 CUT
全米女子プロゴルフ選手権 T37 T46 T54
エビアン選手権 ^ NT T19 CUT
全英女子オープン T22 T10 T28

^ エビアン選手権は2013年にメジャー大会となった。
DNP = 出場せず
CUT = 予選落ち
NT = 開催されず
LA = ローアマチュア
"T" = 複数の選手と順位を分け合った(タイ)
グリーン地は優勝、黄色地はトップ10入りを表している。

団体戦[編集]

プロ

脚注[編集]

  1. ^ a b Jutanugarn Competes on International Stage”. American Junior Golf Association. 2013年5月5日閲覧。
  2. ^ a b Lance, Christine (2011年7月21日). “Meet the Girls’ Junior Quarterfinalists”. United States Golf Association. 2013年5月5日閲覧。
  3. ^ a b ARIYA JUTANUGARN CAPTURES FIRST MAJOR AT RICOH WOMEN'S BRITISH OPEN LPGA.com. Retrieved July 31, 2016.
  4. ^ a b Baldry, Beth Ann (2013-05-02). “LPGA at Kingsmill - Teen leads by 2 shots after Day 1”. Golf Week. http://golfweek.com/news/2013/may/02/lpga-Jutanugarn-ariya-moriya-kingsmill-classic/ 2013年5月5日閲覧。. 
  5. ^ a b Williams, Julie (2012-01-12). “Jutanugarn Sisters Face USGA Scrutiny”. Golf Week. http://golfweek.com/news/2012/jan/12/jutanugarns-come-under-usga-scrutiny/ 2013年5月5日閲覧。. 
  6. ^ Herrington, Ryan (2012-10-17). “AJGA Names 2012 Rolex Players of the Year”. Golf Digest. http://www.golfdigest.com/golf-tours-news/blogs/college-golf/2012/10/ajga-names-2012-rolex-players.html 2013年5月5日閲覧。. 
  7. ^ http://www.imggolf.com/Our-Clients/Golfers/Ariya-Jutanugarn.aspx
  8. ^ Burke, Lynn (2013年5月3日). “Jutanugarn Retains Kingsmill Championship Lead Over Lewis, Stanford as Wind Creates Tough Conditions”. Daily Press. http://articles.dailypress.com/2013-05-03/sports/dp-spt-kingsmill-championship-round-two-0504-20130503_1_suzann-pettersen-stacy-lewis-shanshan-feng 2013年5月5日閲覧。 
  9. ^ Kurz, Jr., Hank (2013年5月3日). “LPGA at Kingsmill - Teen leads by 2 shots after Day 1”. Virginian Pilot (Norfolk, Virginia). http://hamptonroads.com/2013/05/lpga-kingsmill-teen-leads-2-shots-after-day-1 2013年5月5日閲覧。 
  10. ^ Young, Bruce. “Ecstasy and agony for Ariya Jutanugarn”. iseekgolf. 2013年5月7日閲覧。
  11. ^ 2013年HSBC女子チャンピオンズ最終日”. ALBA.Net. 2016年8月1日閲覧。
  12. ^ Ariya Jutanugarn Leads 2013 Kingsmill Championship After First Round”. Fairways and Forehands. 2013年5月5日閲覧。
  13. ^ Kurz, Jr., Hank (2013年5月4日). “LPGA at Kingsmill - Thai 17-year-old still leads by 1”. Virginian Pilot (Norfolk, Virginia). http://hamptonroads.com/2013/05/lpga-kingsmill-thai-17yearold-still-leads-1 2013年5月5日閲覧。 
  14. ^ Kingsmill Championship: May 2-5, 2013”. golfchannel.com. 2016年8月1日閲覧。
  15. ^ Williams, Julie (2013年6月24日). “A. Jutanugarn's status unknown; O'Toole in”. Golfweek. http://archive.golfweek.com/news/2013/jun/24/us-womens-open-jutanugarn-status-unknown-otoole-in/ 2013年8月22日閲覧。 
  16. ^ “Report: Ariya Jutanugarn set for shoulder surgery; return timing unknown”. Golfweek. (2013年7月14日). http://archive.golfweek.com/news/2013/jul/14/ariya-jutanugarn-shoulder-surgery-lpga-injury/ 2013年8月22日閲覧。 
  17. ^ Final Round Results - LPGA Final Qualifying Tournament”. LPGA. 2014年12月8日閲覧。
  18. ^ Reiterman, Ryan (2016年4月3日). “Ko wins ANA for second straight major title”. Golf Channel. http://www.golfchannel.com/news/golf-central-blog/ko-birdies-18-second-straight-major-title/ 
  19. ^ “Ariya Jutanugarn holds on to win Yokohama Tire LPGA Classic”. ESPN. Associated Press. (2016年5月8日). http://espn.go.com/golf/story/_/id/15489272/ariya-jutanugarn-holds-win-yokohama-tire-lpga-classic-first-lpga-victory 
  20. ^ “Ariya Jutanugarn wins third consecutive LPGA event at Volvik Champ”. Yahoo Sports. (2016年5月29日). http://sports.yahoo.com/blogs/golf-devil-ball-golf/ariya-jutanugarn-wins-third-consecutive-lpga-event-at-volvik-champ-233032076-golf.html 2016年5月31日閲覧。 
  21. ^ タイのジュタヌガーンが単独首位に、野村11位、大山19位”. ALBA.net (2016年8月17日). 2016年8月21日閲覧。
  22. ^ 金メダル候補が途中棄権 13ホールで12ストローク落とす”. ALBA.net (2016年8月20日). 2016年8月21日閲覧。
  23. ^ Women's World Golf Rankings” (2018年12月31日). 2019年2月19日閲覧。

外部リンク[編集]