アドマイヤオーラ

アドマイヤオーラ
2007年5月27日 東京競馬場
欧字表記 Admire Aura
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2004年2月19日
死没 2015年3月3日(11歳没)
抹消日 2010年9月2日
アグネスタキオン
ビワハイジ
母の父 Caerleon
生国 日本の旗 日本北海道勇払郡
生産者 ノーザンファーム
馬主 近藤利一
調教師 松田博資栗東
厩務員 山口慶次[1]
競走成績
生涯成績 16戦4勝
獲得賞金 2億7686万5000円
勝ち鞍
GII 京都記念 2008年
GII 弥生賞 2007年
GIII シンザン記念 2007年
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アドマイヤオーラ(欧字名:Admire Aura2004年2月19日 - 2015年3月3日)は、日本競走馬種牡馬。主な勝ち鞍は2007年シンザン記念弥生賞2008年京都記念

馬名の意味は、冠名+霊的エネルギー、独特の雰囲気。

戦績[編集]

2歳[編集]

2006年11月4日、鞍上に武豊を迎え、先行してデビュー勝ちを収める。 続いて中京2歳ステークスに向かうが、中団追走から直線鋭い末脚を繰り出すもダイワスカーレットに半馬身差及ばず2着に敗れる。

3歳[編集]

2007年の緒戦は重賞初挑戦となったシンザン記念主戦騎手武豊が、前年12月に開催された香港競馬での騎手招待競走のアクシデントで騎乗停止処分を受けていたため、半兄アドマイヤジャパンに騎乗経験のある岩田康誠に乗り替わった。前走で先着を許したダイワスカーレット、前年の朝日杯フューチュリティステークスで好走したローレルゲレイロに次ぐ3番人気での出走となったが、今度はダイワスカーレットを完璧に差し切り重賞初制覇を挙げる。

続いて皐月賞トライアル弥生賞に出走すると、道中は中団に控え直線で早めに先頭に立ち、外からココナッツパンチが迫るともう一度伸びて完勝。断然の1番人気に応え重賞2勝目を挙げるとともに、皐月賞の優先出走権を得た。続く皐月賞では無敗のフサイチホウオーを押さえて一番人気に支持されたが、レースはフサイチホウオーをアドマイヤオーラがマークする形で2頭が後方に控えるという展開になり、互いに牽制(けんせい)し合っている間にレース途中でハナを奪ったヴィクトリーらに逃げ切られ4着と敗戦した。レース後、武豊は「位置取りが悪くなってしまった」と語った。

東京優駿(日本ダービー)1週間前に鞍上が武豊から岩田康誠に急遽変更された。レースでは、中団から鋭く伸びはしたものの、先に抜け出したウオッカ、そして逃げて粘るアサクサキングスを捕らえることができず3着に敗れた。後日レース中に左後肢を骨折していたことが判明し療養に入った。

骨折は軽度のもので、10月26日に帰厩し、12月8日鳴尾記念で実戦復帰を果たす。復帰戦は同馬主のアドマイヤフジと同着の3着に入った。

4歳[編集]

2008年京都金杯から始動。1番人気に支持されたが2着に敗れた。しかし、続く京都記念では、中団から直線で鋭く伸び復帰後初勝利を重賞勝利で飾り、レース後の2月28日ドバイデューティーフリーへの追加選出馬となったことが発表された。同じくドバイデューティーフリーの選出馬となり遠征するウオッカら3頭と共に3月15日に出国し、3月29日にレースが行われた。レースでは、馬群に囲まれ後方からのレースとなり、そのまま抜け出せず9着だった。レース後は遠征馬3頭と共に4月3日関西国際空港に到着し、三木ホースランドパークで輸入検疫を受ける。当初はクイーンエリザベス2世カップへの出走も視野に入れられていたが回避した。そして5月31日金鯱賞に出走、1番人気に支持されたが、道悪の影響もあって直線伸びきれず6着に敗れた。6月12日には第49回宝塚記念ファン投票の最終結果で9位となる2万9923票を獲得したことが発表され、6月29日に行われる宝塚記念へ出走したが、最下位の14着に敗れる。また、レースより4日後の7月2日に右橈側手根骨々折が判明し療養に入った。その後回復し、11月6日に栗東トレーニングセンターへ帰厩した。

5歳[編集]

2009年は前年同様京都金杯から始動。1番人気に支持されたが4着に敗れた。その後、連覇がかかった京都記念に出走予定だったが、馬場入場後に故障を発症、競走除外となった。その後、長期休養に入る。

6歳[編集]

5月29日金鯱賞で長期休養から復帰、道中は中団で待機するも直線で伸び切れずアーネストリーの5着に終わった。続く6月27日の福島テレビオープンでは好位追走から4コーナーで先頭に並びかけるも直線で伸びを欠き3着に終わった。その後、8月1日小倉記念に出走予定だったが、馬場入場後に故障を発症し自身2度目の競走除外となった。8月29日新潟記念では終始後方追走のまま17着と殿負けに終わった。9月2日付けで競走馬登録を抹消[2]優駿スタリオンステーションで種牡馬として繋養されることになった[3]

種牡馬時代[編集]

2014年に産駒がデビュー。2014年5月29日門別競馬第8競走・JRA認定アタックチャレンジでコンドルダンスが産駒初勝利をあげた。

2015年2月28日、左前脚を故障。その後経過観察を続けていたが回復しなかったため、3月3日に精密検査を行ったところ肩甲骨の粉砕骨折が判明、予後不良と診断され安楽死の処置が取られた[4]。11歳没。

2022年にノボバカラアルクトスが種牡馬入りし、アドマイヤオーラのサイアーラインを繋いでいる。

中央・グレード級重賞優勝産駒[編集]

太字GI級競走を表す。

地方重賞優勝産駒[編集]

競走成績[編集]

以下の内容はnetkeiba.comの情報に基づく[5]

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2006 11. 4 京都 2歳新馬 10 6 7 02.2(1人) 01着 武豊 55 芝1600m(良) 1:37.2(33.8) -0.1 (グッドラックアワー)
12. 16 中京 中京2歳S OP 8 3 3 02.5(2人) 02着 武豊 55 芝1800m(良) 1:47.9(33.5) 0.1 ダイワスカーレット
2007 1. 8 京都 シンザン記念 GIII 10 7 7 04.4(3人) 01着 岩田康誠 56 芝1600m(良) 1:35.1(33.3) -0.2 (ダイワスカーレット)
3. 4 中山 弥生賞 GII 14 3 4 01.7(1人) 01着 武豊 56 芝2000m(良) 2:00.5(34.8) 0.0 (ココナッツパンチ)
4. 15 中山 皐月賞 GI 18 7 15 02.7(1人) 04着 武豊 57 芝2000m(良) 2:00.1(33.9) 0.2 ヴィクトリー
5. 27 東京 東京優駿 GI 18 7 14 12.7(4人) 03着 岩田康誠 57 芝2400m(良) 2:25.3(33.7) 0.8 ウオッカ
12. 8 阪神 鳴尾記念 GIII 16 8 15 05.9(4人) 03着 安藤勝己 56 芝1800m(良) 1:47.6(33.5) 0.1 ハイアーゲーム
2008 1. 5 京都 京都金杯 GIII 16 8 16 02.8(1人) 02着 安藤勝己 57 芝1600m(良) 1:33.6(33.6) 0.0 エイシンデピュティ
2. 23 京都 京都記念 GII 16 5 10 03.3(1人) 01着 安藤勝己 57 芝2200m(良) 2:13.5(33.9) -0.2 アドマイヤフジ
3. 29 UAE ドバイデューティフリー GI 16 5 09着 安藤勝己 57 芝1777m(良) 計測不能 Jay Peg
5. 31 中京 金鯱賞 GII 17 7 13 03.4(1人) 06着 安藤勝己 58 芝2000m(稍) 1:59.7(35.3) 0.6 エイシンデピュティ
6. 29 阪神 宝塚記念 GI 14 4 6 14.6(6人) 14着 安藤勝己 58 芝2200m(重) 2:19.1(40.3) 3.8 エイシンデピュティ
2009 1. 5 京都 京都金杯 GIII 16 1 1 03.6(1人) 04着 安藤勝己 58 芝1600m(良) 1:33.4(34.6) 0.5 タマモサポート
2. 21 京都 京都記念 GII 13 5 6 除外 安藤勝己 58 芝2200m(良) 競走除外 アサクサキングス
2010 5. 29 京都 金鯱賞 GII 14 8 13 17.8(8人) 05着 安藤勝己 57 芝2000m(良) 2:00.3(34.2) 0.8 アーネストリー
6. 27 福島 福島テレビオープン OP 16 4 8 02.3(1人) 03着 内田博幸 58 芝1800m(稍) 1:48.3(36.5) 0.6 バトルバニヤン
8. 1 小倉 小倉記念 GIII 18 5 9 除外 安藤勝己 58 芝2000m(良) 競走除外 ニホンピロレガーロ
8. 29 新潟 新潟記念 GIII 17 6 12 24.1(9人) 17着 後藤浩輝 58 芝2000m(良) 2:01.0(35.4) 2.6 ナリタクリスタル

特徴[編集]

  • 主に末脚を生かす形でレースをしている。勝負根性も持ち合わせているが、直線でヨレる悪癖があり、弥生賞では審議対象にもなっている。ダービーでも外から併せに行ったフサイチホウオーが伸びを欠くと、外に1頭だけ取り残される形になったアドマイヤオーラは左右に大きく斜行している。
  • いわゆる“強い牝馬”の世代に生まれた馬であるが、同世代の牡馬の中で唯一ウオッカとダイワスカーレット両方に先着した馬でもある。

血統表[編集]

アドマイヤオーラ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

アグネスタキオン
1998 栗毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アグネスフローラ
1987 鹿毛
*ロイヤルスキー
Royal Ski
Raja Baba
Coz o'Nijinsky
アグネスレディー *リマンド
イコマエイカン

ビワハイジ
1993 青鹿毛
Caerleon
1980 鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
Foreseer Round Table
Regal Gleam
母の母
*アグサン
Aghsan
1985 青毛
Lord Gayle Sir Gaylord
Sticky Case
Santa Luciana Luciano
Suleika
母系(F-No.) (FN:16-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Hail to Reason 4×5、Turn-to 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [6]
  2. ^ [7]
  3. ^ [6]
  4. ^ [6]

血統背景[編集]

主な兄弟

脚注[編集]

  1. ^ 姉ブエナをも超える逸材ジョワドヴィーヴル”. 競馬ラボ. 2022年7月10日閲覧。
  2. ^ アドマイヤオーラ引退”. ラジオNIKKEI. 2010年9月2日閲覧。
  3. ^ アドマイヤオーラ種牡馬入り決定”. スポーツ報知. 2010年9月3日閲覧。
  4. ^ アドマイヤオーラが急死 放牧中骨折で安楽死”. スポーツ報知. 2015年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月4日閲覧。
  5. ^ アドマイヤオーラの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年10月13日閲覧。
  6. ^ a b c 血統情報:5代血統表|アドマイヤオーラ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年9月4日閲覧。
  7. ^ アドマイヤオーラの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 2021年9月4日閲覧。

外部リンク[編集]