かいつぶり (村上春樹)

かいつぶり』は、村上春樹短編小説

概要[編集]

初出 『トレフル』1981年9月号
収録書籍 カンガルー日和』(平凡社、1983年9月)

1991年1月刊行の『村上春樹全作品 1979〜1989』第5巻(講談社)に収録される際、大幅に加筆修正がなされた[1]

英訳[編集]

タイトル Dabchick
翻訳 ジェイ・ルービン
初出 McSweeney's』2000年晩冬号
収録書籍 Blind Willow, Sleeping Woman』(クノップフ社、2006年7月)

あらすじ[編集]

200メートルか300メートル、いや1キロは歩いたかもしれない。コンクリート造りの狭い階段を下りた先の長い廊下を「僕」はひたすら歩き続けた。突然T字路につきあたった。今日はやっとみつけたうまい仕事の最初の出社日である。この仕事は楽だし、給料は目玉が飛び出るほど良い。ともかく葉書に書いてあるとおりドアを見つけるしかない。十円玉を放り上げ、表が出ると右側の廊下を進んだ。

なんとかドアに辿り着き、ノックをすると中から一人の男が姿を現した。男は合言葉が必要だと言う。それがないと誰も通すことができない。

ヒントをもらえないかと頼むと、男は「それは禁じられてるんだ」と言った。しかししばらく迷ってから、小さい声で「僕」にヒントを耳打ちした。

脚注[編集]

  1. ^ 『村上春樹全作品』版では、ドアの中から現れた男の口調が「ですます調」に改められた。

関連項目[編集]