〆切橋

〆切橋(2020年8月)

〆切橋(しめきりばし)は、埼玉県越谷市南荻島元荒川に架かる越谷市道60831号[1]人道橋(歩道橋)である。

概要[編集]

越谷市においては最も歴史の古い橋である。江戸時代宝永年間)には橋が架けられ、明治時代には長さ約29メートル、幅員約3メートルの土橋が架かっていた[2][3]。また、1924年大正13年)には先代の橋が架けられ、竣工式も挙行されていた[4]。現在の橋は1937年昭和12年)竣工[1][5]RC橋で、市内の元荒川に現存する橋の中でも古い部類。橋長54.6メートル、幅員4.15メートル[6]。 老朽化に伴い、大砂橋開通後の2005年(平成17年)度[6]以降は橋の両詰めに車止めが設置され、人道橋として歩行者のみの通行が許されている。 元荒川はかつて〆切橋の上流で大きく北に蛇行するルートで流れていたが、屈曲していることにより大きな水害を発生させていた。そのことから1706年(宝永3年)[7][8]に伊奈氏の治水事業により現在の流路に変更し、古い流路を締め切ったことから、荻島村の南部は「〆切の地」と呼ばれるようになった。そして橋が架橋されると「〆切橋」と呼ばれるようになった[2][9]ことが由来となっている。

また、かつて河岸場として1711年(宝永8年)より設けられた[10]「〆切河岸」があった[7]

老朽化により、2021年令和3年)5月1日午前10時から通行禁止となった[11]。交通量が多く危険であるが、400メートル下流側に架かる国道4号バイパスの元荒川橋か、600メートル上流側に架かる大砂橋へ迂回を要請してたが、歩行者の負担が増していた。付近は河川改修が計画されており、橋の架け替え、もしくは廃止時期については未定であったが[6]、その後橋を補修することが決定し、2023年(令和5年)度より補修工事が行なわれていた[12]。施工は鈴木組(越谷市赤山町)が担当することとなった[13]。同年7月12日午前10時に補修工事が完了し、通行止めは解除された[14]。復旧後も復旧前と同様、人道橋として供されており、バイク等は引き続き迂回を要請している。

市内に架かる元荒川の人道橋として文教大学前に架かる出津橋などがある[9]

なお、直線で西へ約6.8 ㎞離れた場所を流れる見沼代用水東縁埼玉県道214号新方須賀さいたま線の交差地点には、同音異字の締切橋が架かっている。こちらも江戸期に同地点で新田開発のため見沼を締め切った過去があった(加田屋を参照)。

周辺[編集]

橋の北側は住宅地、南側は農地と工業地が混在している。

隣の橋[編集]

大砂橋 - 〆切橋 - 元荒川橋

脚注[編集]

  1. ^ a b 越谷市 橋梁長寿命化修繕計画における橋梁点検結果”. 越谷市. 2020年4月30日閲覧。
  2. ^ a b 『広報こしがや』第836号 4-5頁。
  3. ^ 外部リンク節の『〆切橋』を参照。
  4. ^ 外部リンク節の『第37回 越谷市民文化祭 郷土研究の部・展示作品紹介』を参照。
  5. ^ 〆切橋1937- - 土木学会附属土木図書館橋梁史年表。2020年4月30日閲覧。
  6. ^ a b c 元荒川に架かる〆切橋の整備について 令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(浅井 明議員)”. 埼玉県議会(埼玉県庁) (2021年7月9日). 2021年10月23日閲覧。
  7. ^ a b 平成26年度 埼玉の舟運と現在も残っている河岸の歴史について(河川財団表彰作品) 調査表 さいたま・越谷方面” (PDF). 彩の川研究会. p. 50 (2014年). 2020年4月30日閲覧。
  8. ^ -橋についての調査-”. 文教大学. 2020年4月30日閲覧。
  9. ^ a b 橋についての調査 - 社会文化調査実習 - 文教大学、2021年10月23日閲覧。
  10. ^ 埼玉県『中川水系 人文 -中川総合調査報告書2-』埼玉県、1993年2月10日、475頁。 
  11. ^ 〆切橋 通行止めのお知らせ”. 越谷市 (2021年4月2日). 2022年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月23日閲覧。
  12. ^ 越⾕市橋梁⻑寿命化修繕計画” (PDF). 越谷市. pp. 5,22 (2022年3月). 2023年4月2日閲覧。
  13. ^ 橋梁補修工事(〆切橋)”. nSearch. 2023年4月2日閲覧。
  14. ^ 「〆切橋」通行止め解除のお知らせ”. 越谷市 (2023年7月12日). 2023年8月28日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯35度54分58.7秒 東経139度46分6.8秒 / 北緯35.916306度 東経139.768556度 / 35.916306; 139.768556